2007年05月01日

赤い鶏パン工房

アメリカに来たことのある方ならご存知でしょうが、アメリカでおいしいパンを見つけるのは一苦労です。シカゴも例外ではありません。シカゴ郊外のアーリントンハイツにある日本スーパーに、一応日本のパン屋さんはあるのですが、品揃えを見ると、ややっ、80年代にタイムスリップしたか?!と錯覚を起こしそうなものばかり。アンパンとカレーパンにメロンパン、極めつけにコロッケパン、というノスタルジーな面々を見ていると、日本のちょっとおしゃれなベーカリーが懐かしくなってしまいます。嗚呼ドンク、嗚呼アンデルセン...そんなに高級じゃないベーカリーでもいろんな種類の、しかもおいしくて上質のパンを売っている日本って、やっぱりすごい!

これもニューヨークやサンフランシスコのような、おしゃれさんが群れをなして住んでいる町なら話は違うのでしょうが、シカゴはよく言えば地に足のついた中西部らしい街で、おしゃれなベーカリーが乱立するような風土はあまりないみたいです。(流行に流されないで自分の行き方をかたくなに守っている、という意味ではある種かっこいいですよね。)そんな中で、最近になってシカゴにも数軒、これはおいしい!というベーカリーができてきました。ここのところのアメリカはヨーロッパ仕込みのパン工房がブームだそうで、その(嬉しい)余波が押し寄せてきたようです。その中で私たちが最初に行ってみたのが、ウィッカーパークにあるレッドヘン・ベーカリー。シカゴ美術学校(Art Institute of Chicago)の若い卒業生が数人集まって立ち上げたという、フランス仕込みのベーカリーです。ここに最初に来たのはまだ付き合いだしてすぐだったなぁ...ヲモヘバトホクヘキタモンダ、などと柄にもなく感傷に浸りつつ(笑)、先週行って参りました。

このレッドヘン・ベーカリー、さすがにアーティストの卵たちが開いたお店だけあって、とにかく何もかもかわいい!(考えてみると、お店の人たちもみんな超がつくほどかわいいかも...)お店の屋根には、名前にちなんだ赤い鶏の看板が高々と掲げてあり、小さなお店の中に入ると、手作り風の白いカウンターがぐるりと奥の壁越しにのびています。壁際には天井までの高い棚(これもフランス農村風)に、外側が何ともいい具合にひびが入って粉を吹いたパンがぎっしり。カウンターの上にはこれまたかわいいかごの中に、きつね色のバゲットや、ザラメの粒が輝くアプリコット・デニッシュ、プロシュートの入ったクロワッサンにピーカン・ナッツが顔をのぞかせるスコーンなどがひしめいています。どれも目移りして困るほどおいしそうなのですが、ここのおすすめはクロワッサンとデニッシュ系。発酵バターを使って、その日の気温に合わせて配合も変えているというだけあって、生地が違います。

Puffin Muffins

でもパイじゃないものも試してみたい!という人にお勧めなのは、その名もかわいいパフィン・マフィン。外側がデニッシュ生地で、内側がマフィン、という、一粒で二度おいしい的なスグレモノです。リンゴとラズベリーの二種類があって、自家製のジャムとクリームチーズが一番真ん中に詰まっています。中の生地が溢れて焦げているあたりがおいしそうでしょ。アメリカ製だけあってかなり巨大です。持ち上げると、重みずっしり。一個食べるのが精一杯です。(もう少し小さければ他のものも試せるのに、と恨めしげなのは私、もりもり二つ食べてしまうのは胃袋も大きいパトリック。)

レッドヘンはパンを並べたカウンターだけでぎっしり、というくらいにチッポケなお店なので、私たちはいつもお店から歩いて五分ほどの公園(Damen沿いに南に行ったWicker Parkという公園です)に行って、そこのベンチでパンを食べます。お天気がいいと、犬を散歩させている人や子供を遊ばせている若いカップル、ホームレス風のおじさんたちなどで大にぎわいの公園です。(ウィッカーパークは、十年ほど前から人気が出てきて高級化しつつある地域なので、元々ここに住んでいた人たちには貧しい移民や差別されている黒人が多いのです。高級化のせいで家賃が高くなりすぎて、元々の住人がコミュニティーを追い出されるようなことが多々あるようです。おしゃれなお店やレストランがたくさんできて、見て歩くのは楽しいけれど、その裏で何が起きているかを考えるとちょっと悲しくなる地域ではあります。)そんなことを考えつつ、私たちはまだ一部咲きくらいの桜の下のベンチを占拠。珈琲をすすりつつ、パフィン・マフィンをかじりました。

Tuna Melt French Toast: CRW_6102

普段なら大きなローフを一つ、奥の棚から選んで買って帰るのですが、この日は、冷凍庫の中に半分くらい残ったトスカン・ブレッドがあったので、涙をのんで小さめのバゲットだけにしました。本物のバゲットは日持ちがしない、とよく言いますが、このバゲットは本当に全く日持ちがしないので、翌日の午後にはそのままでは食べられないくらい固くなってしまいます。今回も例によって食べ頃を逃してしまったので、固くなった分はツナメルト風のフレンチトースト(お砂糖を入れないフレンチトーストに、ツナサラダとチーズをのせて暖めただけ)にして、おいしく二日後の朝ご飯にいただきました。


Red Hen Bakery
1623 N. Milwaukee Avenue, Chicago, IL.
773.342.6823
ダウンタウンからなら、CTAのブルーラインで一本です。トンネルからでてすぐのデーメン(Damen)で降りて、ミルウォーキーを北西に向かって徒歩一分。

ディヴァーシー(Diversy)沿いにも支店があります。リンカーンパークに遊びに行った時なら、こちらが便利。
500 W. Diversy Parkway, Chicago, IL.
773.248.6025

Posted by Yu at 2007年05月01日 09:50