2007年05月14日

ニセ鯛騒動

日本と違って、全国に流通する新聞よりも地方紙が多いアメリカ。シカゴには、トリビューンとサンタイムズと、メジャーな新聞が二つあります。トリビューンは本格派の新聞、サンタイムズはどちらかと言うとタブロイド的に下世話な新聞、という住み分けをしているようです。どちらもジャーナリズム的には大したことのない新聞なのですが、何事に付けても体制すり寄り的でいい子ちゃんなトリビューンに比べて、タブロイド的な分、サンタイムズには時々肝っ玉の据わった暴露記事が出ます。そんなサンタイムズ、先週はシカゴのお寿司屋さんの台所事情を暴露していました。

記事によると、サンタイムズ記者がシカゴのお寿司屋さん十四軒で鯛を注文してDNAテストにかけたところ、九軒で出てきた「鯛」はティラピアだったとか。記者の書き方を見ると、どうやらお寿司屋さんたちも驚いたようで、納入業者が鯛の注文にティラピアを納入することもあるみたいです。納品された魚を見て、鯛だかティラピアだか分からない、というのも、寿司職人としてはちょっとどうなの?と思いますが、これもアメリカのお寿司やさんだから、しょうがないのでしょうか。

状況をさらに混乱させているのが、日本で「鯛」と呼ばれる魚が、アメリカではなんと呼ばれるか、という問題。私が行ったことのあるお寿司やさんやスーパーでは、「鯛」は普通Red Snapperと訳されていますが、日本で言う「鯛」の正しい英語名はSea Bream。Red Snapperは似て非なる魚です(おいしいですけどね)。Sea BreamよりもRed Snapperの方が知名度が高いのでそちらを使っているようです。あるお寿司屋さんは、忠実に「鯛」をSea Breamと訳してメニューに載せたところ、Red Snapperが欲しい、というリクエストが殺到、仕方なくRed Snapperに表記を変えた、という話もあります。

日本でも一頃、似て非なる魚に知名度のある魚の名前をつけて売っている、ということが問題になって法律までできましたが、アメリカでもそのような方向に進んで行くのかもしれません。根本的なところでは、おいしい魚が乱獲で減ってしまい、それに似たものをまだ壊滅的な打撃を受けていない漁業域から運んでくる、というのが一番問題なんですが...。あと数十年したら、養殖魚以外の魚は絶滅してしまうんじゃないか、という話もあったりして、魚好きとしては悲しいところです。日本食の文化を世界に広めるのは良いんですが、それで魚好きが増えてしまうと、魚を巡る競争も激しくなって、結局損をするのは生態系なんですよね...。

Posted by Yu at 2007年05月14日 11:05


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