ニューヨーク・タイムズに、最低限の台所用品を二百ドル以下でそろえる、という記事が出ていました。包丁なんか十ドルの安物で十分、とか、まな板なんてプラスチックでよろしい(そうすりゃ食器洗い器で洗える)、とか、結構ラディカル(?)なことも書いてありましたが、料理をしないので有名なアメリカ人向けの台所用品にしては、結構そろっているかな、という印象です。
その中で、台所や食をめぐる文化の差を決定的に感じてしまったのが、「何にでも使えるトングを一つ」というところ。私だったら絶対菜箸!ですが、やはり東アジア以外の人に取っては、トングであって菜箸じゃないんでしょうね。ソースを混ぜることから、野菜を和えたり、炒めたり、卵を溶いたり、果ては天ぷらだってできてしまう、考えてみれば菜箸ってすごい。ひょっとすると私の台所用品の中で一番活躍しているのが菜箸かも。(鍋つかみが見当たらないと、菜箸でベーキングパンを引っ張りだしたりしてるし...でもこれは少々無手勝流ですね。)スペインでホームステイしていたときに、「日本料理を作ってよ」と言われて鮭の混ぜ寿司を作ろうとしたものの、菜箸がないので往生したこともありましたっけ。薄焼き卵を作って上に載せようと思ったのですが、とてもじゃないけどフォークで薄焼き卵はできませんでした。
そもそもアメリカは、世界中からの移民が寄り集まって住んでいる国。さすがに第三世代ともなれば食生活もアメリカ化してくるとはいえ、そんな多彩な食文化が混在する国で、「台所に最低限必要なのはこれ」なんて断定的なことを言ってしまっていいのかしら、と思わないでもありません。イタリア系アメリカ人なら「なんでパスタメーカーが入ってないんだ!」と思うでしょうし、アラブ系アメリカ人なら「なんでスパイスを碾く石の器が入ってないんだ!」と息巻くかもしれません。記事は、ナントカ系が頭に付かない、単なる「普通のアメリカ人」向けに書いてある、ということなんでしょうが、同じDining and Wineのセクションで多彩な食文化を喜んで消費しているようなニューヨーク・タイムズに載っている記事だと思うと、なんだかなぁ。
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