パトリックのアパートのあるロジャースパークは、シカゴ市の一番北の端にあたる区域。ダウンタウンから遠いのと、最近まで治安が悪かった(今も麻薬の売人が駅の周りにうろついていたりしますが...)のが影響して、シカゴ市内で、まあまあの環境のところとしてはかなり家賃の安いエリアです。そのせいもあってか、ロジャースパークは移民の宝庫。統計によればなんでも90以上の言語が犇めき合っているんだとか。そんな多様さはレストランにも表れていて、ペルー料理からコロンビア料理、パキスタン料理から果てはグルジア料理店まで、これでもかっ!というくらい色んな国のレストランがあります。その多くが、既に社会に同化した移民二世三世(いわゆる「アメリカ人」)向けではなくて、まだ家庭では母国の言葉を話し、母国の料理を食べているような移民一世向けに営業しているところが、ロジャースパークのエスニックレストランの楽しいところ。その分、いわゆるアメリカ人向けに営業しているエスニックレストランに比べると、あまりアメリカでは知られていない料理がよく見つかります。味付けも、本物に近いようです。
西のほうはユダヤ人、南はインド・パキスタン系など、同じロジャースパークでも区域によって人種・民族の構成はかなり違うのですが、パトリックのアパートのあるあたりにはメキシコ人がごっそり住んでいます。(うちのお隣も、下の階の人も、みんなメキシコ人です。)そんなわけで、アパートから歩いて五分ほどのクラーク・ストリートには、メキシカンレストランが軒を連ねています。パトリックはここにもう五年以上も住んでいるので、当然安くておいしいお気に入りがあるのですが、このあいだは、ちょっと違うところにも行ってみようよ、というわけで、敢えて行ったことのないレストランに行ってみました。
Quesadillas y Mariscos Doña Lolisは、トウモロコシの粉(マサ)を使った料理を得意とするレストラン。毎朝トウモロコシを挽くところから始まって、トルティーヤからソペ(トウモロコシ粉を丸く整形して焼いたコロッケのようなもの)に至るまで、みんな手作りなんだそうです。パトリックのステーキにも、私のチポトレ・ソースのミートボールにも、この手作り感溢れるトルティーヤが付いてきました。ミートボールにほんのり辛みのあるソースをたっぷりつけて、フリホーレスとともに包んで食べると最高です。パトリックのステーキも、安かったのに($10)牛の旨味たっぷりで、なかなか。一緒に付いてきた、これも自家製のワカモーレ(アヴォカドのディップ)の玉葱がさっぱりで、おいしかったです。雰囲気としては、メキシコのおふくろの味、というところです。
このレストランでは、アステカ時代に遡るという製法でいまだにホットココアを作っているそうです。ココアパウダーを牛乳に溶かしたところに、シナモンなどのスパイスを入れ、それになんと例のマサ(トウモロコシ粉)でとろみをつけるんだとか。メキシコでは冬の朝、仕事に行く途中に道の屋台で買って、ふうふういいながら飲むのが風物詩なのだそうです。たぁ〜っぷりの夕飯を食べたらお腹いっぱいになってしまって試せなかったのですが、次回は必ず、とココロに決めて帰ってきました。(あんまりお腹いっぱいだったので、近所をお散歩してから帰りましたが、あれっぱかりじゃ大して助けにもならなさそう...汗)
クラーク・ストリートには、まだまだ行ったことのないメキシカンレストランが山ほどあるので、これからぼちぼち試してみようと思っています。みんな家族経営の小さなレストランばかりですが、それぞれにオーナーの出身地の料理を出していたりして、面白そう。壁の張り紙はほとんどスペイン語、店の奥のテレビではスペイン語放送のソープオペラをやっていたりして、家から歩いて五分なのに、なにやら異国の雰囲気です。次回の記事に乞うご期待。
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Quesadillas y Mariscos Doña Lolis
6924 N. Clark St., Chicago, IL
773.761.5677
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