2007年07月05日

バクラヴァだけじゃない、レバノンのお菓子屋さん

シカゴ市内の北西にあたるアルバニーパークは、私の地元ロジャースパークに似て、様々な民族の人たちが混在する地域です。アルバニーパークの北部を東西に横切るローレンス・アベニュー(Lawrence)は、そんな他民族な地域を反映して、まるで国連の代表団みたい。イラン料理店から数軒おいてメキシコのスーパーマーケットがあり、そこからもう少し行くとグアテマラのパン屋さん、さらに西に向かうと中華料理店、はたまたお隣は韓国の食器店、という具合に、とにかくいろんな国のことどもが雑多に混在しています。ロジャースパークと違うのは、「混在」という点。ロジャースパークでは、だいたい民族ごとに居住区域が何となく分かれているのですが、アルバニーパークではみんな一緒くたに住んでいる、という感じ。ロジャースパークほど詳しく知っているわけではないので間違っているかもしれませんが、通りを歩いている限りではそんな感じがします。

お店を覗いて歩くだけでも面白いローレンスから、ケズィー(Kedzie)沿いに南に一ブロックほど下がったところに、最近になってとてもおいしいレバノンのベーカリーを見つけました。緑の日よけが目印のこのお店、ベーカリーと食料品店、さらにはちょっとしたレストランまで兼業しています。薄暗い店内には、スパイスやオリーブ、フェタチーズ、ブドウの葉っぱやセモリナ粉など、中近東の食材がぎっしり。粉ものなどは直接輸入しているらしく、誇りっぽい棚にお店の名前のついた袋が山のようになっています。胡麻の粉を固めてナッツやチョコレートを足した、香ばしいハルヴァなど、包装済みのお菓子も色々ありました。奥のカウンターでは、イスラム教の戒律(ザビハ・ハラル、と言うそうです)に従って屠殺したラムや牛肉なども売っています。日本にいたころには、ユダヤ教やイスラムに屠殺の仕方の決まりがあるなんて知りませんでした。何も進歩していない(汗)ようで、多文化国家アメリカで学んだことも結構あるんだな、と思ったりして。

さて、お目当てのベーカリーカウンターは、通りからすぐ見える窓側。年季の入った大きな鉄のオーブンが、これ見よがし(?)に飾ってある、その隣に、ガラスのショーケースが二つ並んでいます。ベーカリーと言っても、ここアル・カイヤーム(Al-Khyam Bakery & Grocery)はパンよりもお菓子が主流。中近東のお菓子というと、ごく薄く、パリパリに焼いたパイ皮のような「ファイロ」と呼ばれるタネ(philo dough)を使ったものが有名ですが、アル・カイヤームにも沢山の種類が揃っています。シカゴではよく見かける、ファイロ生地とはちみつ、クルミやピスタチオなどのナッツ類を層にして重ねたバクラヴァから、同じ形で中身をカスタード風のクリームに変えたもの、さらに春雨のように細く切ったファイロ生地でナッツやドライフルーツをくるんだものなど、とにかく色々あって目移りしてしまいます。

Knafe and Cream-filled Baklava

そんな中で私が気になったのが、巨大なアルミのお皿に載った巨大パンケーキのようなもの。カウンターの後ろのおじさんに「あれは何?」と聞くと、拙い英語で「クナフェ、と言うんだよ。中にチーズが入ってて、蜂蜜がかかってるんだ」と教えてくれました。英語のほうのブログに書くためにスペルを聞いたら、「フランス語なら分かるけど、英語ではどう書くのか分からん」とのこと。私はフランス語がだめだし、こりゃお手上げ、というわけで、家に帰ってからせっせとGoogleして、なんとかそれらしきもの(knafe)を見つけました。それによると、レバノン特産のフレッシュチーズを台にして、セモリナ粉がベースの生地を上に流して焼いたものに蜂蜜をたっぷり含ませたお菓子、とのこと。実際食べてみると、もっちりしたチーズにセモリナ粉の香ばしさがぴったりで、なかなかおいしかったです。蜂蜜に爽やかな、ほとんどレモンみたいな、花の香りがするのにもびっくり。かなり甘いし、乳製品なのでたっぷり食べたいものではありませんが、濃く入れたコーヒーに合わせてほんの少し食べたら、おいしそう。(<--早く食べてみたくてコーヒーも入れなかった人、だ〜れだ)写真の左側に移っているのがそれです。右側は、カスタード風クリームのバクラヴァ(カウンターのおじさん曰く、バクラヴァとは呼ばないそうなのですが、名前を聞くのを忘れました)。

Grhybe

おいしいレバノンの焼き菓子はフランス菓子にも劣らない」と言う人がいますが、これが本当にそうだな、と思わされたのが、このレバノン版バタークッキー。グライビ(grhybe)、とかゴライビ(ghoraibi)、とかいう名前のこのクッキー、外側は文字通り、口に入れたらその瞬間にほの甘い後味だけを残して溶けてしまうような繊細な生地でできています。内側には、もう少しかりかりと歯ごたえのある、ナッツをベースにした(らしき)生地で、ナッツの香ばしさがとろける甘さと合って、もう最高。カウンターのおじさんに「あれは何?」と指差して聞いたら、一つを二つに割って試食用にくれたのですが、パトリックも私も、一口食べて顔を見合わせて唸ってしまうくらいのおいしさでした。早速6個、お買い上げ。スペインだったか、ヨーロッパのどこかのお菓子で、同じような柔らかい繊細な生地で細かく砕いたアーモンドをくるんだスノードロップクッキーというのがありますが、それに近い感じでした。こちらはしっかり、コーヒーを入れてゆっくり味わいました(笑)。しばらくは日持ちするし、上に載ったピスタチオが剥がれてくる以外はかなり丈夫なので、日本へのお土産にも良いかも。アル・カイヤームでは常に大きな(小学校の机サイズの)トレーに一杯焼いてあるので、急に行って買い占めても大丈夫(なはず)です。

----------------
Al-Khyam Bakery and Grocery
4746 N. Kedzie Ave., Chicago, IL
773.583.3099
CTAのブラウン・ラインの、ケズィー駅から北に向かって徒歩一分の左側です。

Posted by Yu at 2007年07月05日 14:13


Comments

Post a comment









Remember personal info?