先々週パトリックと行ったH Martでちらりと見て以来頭の隅を離れなかったサンマを、とうとう昨日買ってきました。(パトリックと行った時は、ブランダーデを作った塩漬け鱈を買ったため、サンマはお預けだったのです。)日本で秋になると一匹39円なんかでどっと店頭に並ぶ、凶器になりそうなくらいピシッと新鮮なサンマに比べると一段も二段も(三段も?)落ちるサンマですが、郊外の日本スーパー(ミツワ)で売っているお目々どんより、お腹ぐにゅぐにゅのサンマに比べたらずっと新鮮そう。四匹入って三ドルくらいだったので、魚の高いシカゴにしてはお値段的にもなかなか。塩焼きに大根おろしの図を想像してにんまりしながら買ってしまいました。尾頭付き、内蔵入りなのに。
(以下、若干ホラー映画気味です。魚および五臓六腑の苦手な方は読まない方がいいかも。さすがに写真は撮りませんでしたが...笑。)
帰ってきてパックを開けると、やっぱりちょっと生臭いにおいがします。がっくりしつつも、これ以上鮮度が落ちる前に下処理をせねば、というわけで、三徳包丁ばかりでいつもは全く使わないごっついシェフズ・ナイフを持ち出して、いざ決戦。思い出してみれば、中学校の修学旅行で行った伊豆の漁村で鯵の開きを作って以来の、一匹物の魚との対決かもしれません。(渋い修学旅行だ、全く...。)東京で一人暮らしだった時も、買う魚はみんな切り身か開きばっかりだったし。とりあえず胸びれの下に包丁を入れて頭を落とし、それからお腹を開けばよかろう、という算段は良かったのだけれど、頭を落としたらそこから大量の血が噴出!まな板が見る見るうちに血の海に。たかがサンマ一匹にこんなに入ってるのか、と思うくらいの量で、さすがの無謀な私も若干引いてしまいました。
とはいえ、買ってしまったもんは食べるしかない。こんなことで怯んでいるわけには行きません。昔どこかの雑誌で読んだような読んでないような、曖昧な記憶を頼りにお尻の穴から包丁を入れ、首に向かって薄いお腹を裂いていきます。腹びれの固いところを避けてぎゅぎゅぎゅっと包丁を動かしていくと、あらら、首のところからなんか出てきた。この血色のいい感じは心臓かしら、などと観察していると気分は生物実験室。魚を扱うには手早さが命なのに、こんなのんびりしていてどうするんでしょう。やれやれ。
裂いたお腹から内蔵をこそげとって、キッチンペーパーを敷いたお皿の上に。これを四匹分やって、流水で洗ったら、結構な時間が経ってしまいました。包丁も研がないとまずい感じに。とは言っても、四匹全部塩焼きではつまらないし、やっている間になんだかその気になり血湧き肉踊ってきたので(え?)、二匹は三枚におろして南蛮漬けにすることにしました。なまくら包丁と、なまくらシェフで、ああ無謀の極み。三枚おろしにしたサンマ、元々のサイズの四分の一くらいになってしまいました。三枚おろしなら、一切れがもとの厚みの三分の一になる計算なのに...あれれ(爆)。でも、一匹を長さを半分にしておろすのを四切れ分やったら、ちょっとコツが分かってきました。背中から包丁を入れて、背骨にぶつかるまでは心持ち包丁を下向きに押す感じ、背骨に当たったらそれをくいっと上げて、背骨を超えたらまた斜め下にやると、あまりヒドいことにはならないようです。しかしこれはもう少し修行が必要。でも修行するとさらに魚が無駄になるしなぁ...悩むところです。
で、悪戦苦闘の末やっとできた八枚のサンマ君たちは、片栗粉がないのでコーンスターチをはたいて多めの油で揚げる感じで焼き、パプリカ、タマネギにセロリを刻んで作った甘酸っぱいたれに二十分ほど漬け込んで、何とか無事(?)南蛮漬けになりました。アー疲れた。でも、本当に久しぶりに食べたサンマの味は最高でした。イワシみたいな生臭い魚はちょっと苦手なパトリックも、「魚臭いけどおいしい」と言って食べてくれ、大団円。
と思いきや。食後、日が沈んで涼しくなったところを、近所のメキシカンのアイスクリームやで買ったアイスバーをかじりつつ湖まで散歩したんですが、その時に彼が一言。
「ゲップしたら、ココナッツアイスがサンマ風味だよ」ですって。
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