2007年06月30日

国境を越えないメキシコ:シカゴでスローフード・ツアー(後編)

Roasted Peanuts at Cremaria Santa Mariaシカゴ・スローフード協会主催のリトルヴィレッジ・ツアー、後編です。(前編はこちら。)冷たいオルチャータでかりかりの喉を潤した後は、チーズや乾物を中心としたメキシコからの輸入食材を売る小さな食品店に向かいます。Cremaria Santa Mariaのオーナーは、月に一度メキシコに飛んで、自分の眼で確かめた品質の良いものだけを持ち帰るのだとか。本当にちっぽけな、お客が五人も入ったらすし詰めになってしまいそうな小さなお店に、色とりどりの豆の袋やメキシコ版ミルクケーキのようなお菓子、殻付きのままこんがりとローストしたピーナッツ、種々雑多な乾燥唐辛子などが所狭しと並べてあります。一番奥の冷蔵カウンターには、メキシコからの輸入チーズが並んでいます。なんだか辛そうな、唐辛子を一面にまぶしたチーズを見ていると、「こうやって唐辛子をまぶしておくと、市場に出した時に蠅が寄ってこないんですよ」と、ダニエルが教えてくれました。近所のスーパーでもよく見かける真っ赤っか唐辛子チーズですが、そんな理由があるとは知りませんでした。なるほどねぇ。

ここでは、メキシコ直輸入のオアハカ・チーズを賞味。イタリアやフランスの淡い黄色のチーズに比べると、メキシコのチーズはだいたいみんな驚くほど真っ白なのですが、このメキシコ南部、オアハカ地方のチーズも然り。とてもマイルドなチーズで、匂いの強いチーズの苦手な私にもおいしく食べられました。同じメキシコのチーズでも、近所のメキシカンスーパーで買って来るパック入りのものとは格段の差。試食では食べきれなかった分をごっそりもらって帰ったのですが、いつものようにトルティーリャに載せてトースターで少し暖めて食べたら、濃厚なミルクの香りがして、もちもちとした質感はまるで上質のモッツァレラチーズのよう。いつものチワワチーズ(メキシコ北部のチワワ地方で作られるチーズ。チワワの乳で作ったチーズじゃありませんよ...笑)もおいしいと思っていたけれど、本物って、やっぱり違うんだなぁ、とつくづく思わされるチーズでした。

チーズを試食した後は、26th Street沿いに点在するメキシコのカウボーイ装束を売るお店や、安物のウェディングドレスとタキシードを売るお店などを横目に見ながら、東に向かいます。次なる目的地は、シカゴ周辺に十店ほどを展開するローカル・チェーンのメキシコ版駄菓子屋さん。このDulceLandiaも、実はパトリックのアパートから数ブロック南の小さなモールにあるのですが、行ったことはありませんでした。特定の民族向けにやっているようなお店って、興味は合ってもなかなか入りにくいことが多いので、こういうツアーがあると観光客気分で入れてしまい、嬉しい限りです。(ま、他人の領分で物見高くきょろきょろしているようで、気が引けると言えばそうなんですけどね...これは、旅行している時と同じ。)

Dulce LandiaDulceLandiaは、直訳すると「甘いものの国」。名前の通り、ドアを開けて一歩入ると、薄暗い店内はまさにお菓子の山。キャンディーに種々のキャラメル、チョコレートなどが、文字通りうずたかく積み上げられていて、このディスプレイを整然と保っておくのは並大抵の努力じゃないよな、と感心してしまいます。子供のころに帰ったような気分で、かなりの広さの店内を探索。天井からは、メキシコの子供が誕生日にもらう、「ピニャータ」と呼ばれる張り子の人形がぎっしりと下がっています。このピニャータを木の枝などからぶら下げて、目隠しをした誕生日の子供が、盲滅法棒で叩くのです。周りのみんながヤンヤと囃し立てるのは、スイカ割りみたいなもの。うまく行ってピニャータが壊れると、中にはお菓子がごっそり入っていて、これを集まった子供たちみんなで食べる、という仕掛け。う〜ん、やってみたいかも...二十年くらい遅いか(爆)。

DulceLandiaのお菓子はほとんどメキシコからの輸入品。うろうろしていると、「鶏肉味」というトンデモナイ飴を見つけました。紙の棒に刺さっているところはペロペロキャンディーと同じなのですが、なんとキャンディー部分が鶏の丸焼き型。鶏肉味のキャンディーって、一体どんな感じなんでしょうね。好奇心は疼いたものの、怖くて手が出ませんでした。「カルロス五世」という不思議な名前のチョコレートも発見。カルロス五世って、神聖ローマ帝国の皇帝でしょ?なんでそれがチョコレートに?謎です。真っ赤な箱には、70年代の青春ドラマに出てきそうな、気味悪いくらい爽やかな皇帝が微笑んでいました。

ここでダニエルが袋に一杯買って皆に配ったお菓子は二種類。牛乳の代わりにヤギのミルクで作ったというメキシコ版キャラメルを、日本のもなかの皮のようなものに挟んだお菓子と、タマリンドの実を唐辛子とお砂糖とともに練り合わせたお菓子。山羊キャラメルは、ゴートチーズのような後味がして私にはきつすぎました(ゴートチーズの好きな人にはたまらない味のはず)が、タマリンドのキャンディーはなにやら懐かしい、癖になる味でした。タマリンドの酸味が、何となくはちみつ梅干しのような感じで、子供のころに母に隠れて時々行った駄菓子屋さんを思い出しました。ねっとりとしたタマリンドの果肉に、お砂糖がじゃりっとした食感を添えて、大きな種を避けつつ食べる、歯触りも楽しいお菓子でした。

リトルヴィレッジのスローフード・ツアー、最後の〆は、アグアスカリエンテス。リトルヴィレッジではかなり大きい部類に入るメキシコ系のスーパーマーケットです。雰囲気としてはパトリック御用達、やはりメキシカンのモースマートにそっくりでしたが、サイズは三倍くらい。野菜類はモースマートのほうが新鮮そう。アグアスカリエンテスの目玉は肉類のカウンターでした。どのお肉もみんなとても新鮮そうな色で、モースマートで時々見かける灰色がかってきたようなものは一切れもありません。ファヒータ用の香辛料に漬け込んだものや、お店で手作りのチョリソーなども何種類もあって、近所に住んでいたら通ってしまいそうでした。お肉のカウンターの反対側には、スパイス類のラックがありました。大きな干しエビ(甘エビサイズです!)やら、グアヒーリョやアンチョといったメキシコの唐辛子やら、葉巻みたいに巨大なシナモンスティックやら、どれも安くて、これまた近所に住んでいたら通ってしまいそう。モースマートにも同じものがないか探してみよう、と心覚えをして、同じ建物の一角にあるダイナー風のレストランに向かいます。

Gorditas at Aguascalientesアグアスカリエンテスのオーナーが経営しているこのレストラン(というより食堂、と言ったほうがぴったりな感じ)、シカゴ中どこでも見かけるゴルディータ(「太っちょさん」と言ったような意味です)というメキシコ版サンドイッチの発祥の地だそうです。なんだかおいしくなさそうな写真になってしまいましたが、トウモロコシの粉で作ったピタパンのようなパンに、唐辛子と一緒に煮込んだお肉や、チーズとフリホーレス(甘くないピント豆のあんこ)などを挟んで食べる、チカーノ(アメリカ在住のメキシコ人のことをこう呼ぶことがあります)庶民の味。なんとか安くて腹持ちの良い食べ物ができないものかと考えて出来上がったものだそうですが、このレストランで出てくるゴルディータはお肉もたっぷり、タコスやエンチラーダと比べてもそんなに経済的なものとも思えませんでした。(値段的には、巨大なゴルディータが一つ三ドル以下と、お手頃価格ですが...)なにしろやたらに暑い中を歩き回ったので、ゴルディータと一緒に飲んだ甘酸っぱいタマリンド水が命の水のようでした。

ボランティアで運営されているためになかなか定期的とはいかないスローフード協会のネイバーフッド・ツアーですが、個人では行きにくい(ちょっと危険そうだったり、特定のエスニック・グループの牙城だったりする)ネイバーフッドを探索するには最高のツアーです。一人15ドルで、試食するものも全部カバーされます。最後のレストランでは参加者同士がゆっくりおしゃべりできるし、食べ物に興味がある人同士、交流の輪を広げることもできます。私たちはこれが初参加でしたが、他のネイバーフドに行くツアーがあれば、またぜひ参加しようと思っています。(スローフード・シカゴ支部のメンバーになることも検討中。)支部のホームページからイベントのページに行くと、次のツアーがいつ、どこであるかが分かるようになっています。(今日の時点ではバグがあるようでした。早く直ると良いんですが...)面白そうだ、と思ったら、ぜひ行ってみてください。表面をなぞるだけじゃない、ディープなシカゴが見られること、請け合いです。

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2007年06月29日

国境を越えないメキシコ:シカゴでスローフド・ツアー

1980年代にイタリアで始まり、今は世界中あちこちに広がったスローフード運動、シカゴにも支部があります。伝統の食材や調理法を大事にしようというスローフード運動、何が「伝統」なのかよくわからない移民国家のアメリカでどう運動を展開しているのか興味があって、先日スローフード・シカゴ主催のネイバーフッド・ツアーに参加しました。「ネイバーフッド*の街」と言われるだけあって、シカゴはそれぞれの地区ごとに違った特色があるのですが、その中でも特に移民色の強いいくつかのネイバーフッドを(食べ)歩こう、というのが趣旨。その中で、私たちはメキシコ移民のたくさん住むリトル・ヴィレッジを歩くツアーに参加しました。

Bread at La Baguette朝早くから強い日が照りつける当日、ダウンタウンのさらに南の26th Streetにあるメキシカン・ベーカリーに集合。Panaderia La Baguetteというこのローカルチェーン、メキシコ人の多いロジャースパークにも一軒お店があり、私たちには物珍しいお店ではありませんが、12人くらいいた他の参加者には真新しかったようです。お店の前で一通りLittle Villageの歴史を聞いた後、お店に入ってそれぞれに面白そうなパンを取ります。こちらのパン屋さんは、何が欲しいかを店員さんに告げて取ってもらう形式がほとんどなのですが、ここも含めて、メキシカン・ベーカリーは日本式にトレーとトングを持って自分で好きなものを取る方式です。メロンパンみたいなパンがあったりしてホッコリ嬉しくなってしまいましたが、メキシコのパンは日本のものに比べるとかなりぱさぱさ。好き嫌いだと思いますが、私はわざわざ買って食べたいと思うようなものには巡り会いませんでした。食べ物は皆で分け合ってこそ、というスローフードのもう一つの哲学を実践して、みんなが選んだ菓子パンやパイを切り分けて一口ずつ試すうちに、何となく会話が始まります。

El Milagro Tortilla Factory次の目的地は、道路を渡ったすぐのトルティーリャ工場。El Milagro(奇跡)というブランドのトルティーリャはトウモロコシの香りが馥郁としてパトリックのお気に入りだったのですが、なんとその工場にお邪魔できるというのです。残念ながら製造工程は見せてもらえませんでしたが、その工場の一角を小売店にしたところを覗かせてもらいました。シャワーキャップみたいな帽子をかぶったおばちゃんが、こちらでマサ(トウモロコシを挽いて作ったトルティーリャの原料、写真手前に山のようになっているのがそれです)を1ポンド、あちらでトルティーリャチップを一袋、と、手際よく注文を捌いていきます。そうしている間にも、奥の工場から続々といろんな種類の(黄色いトウモロコシ、白いトウモロコシ、小麦粉、焼いたの、揚げたの、etc.)トルティーリャの箱が出荷されて、まぁ忙しそうなこと。写真を二三枚撮って、観光客は早々に引き上げました。外に出たところで、ボランティアでガイドをしてくれたダニエル(女性です)が、焼きたてのトルティーリャをみんなに配ってくれました。「これにモーレソースがあれば完璧なのになぁ」と誰かが言った通り、何かつけたほうがおいしいのはその通りなのですが、焼きたてでまだ暖かいトルティーリャを工場のすぐ外で食べるのは、やっぱりちょっと楽しいかも。完っ全に観光客ですけどね。

Horchata Vendor in Little Village朝から暑いし乾燥していたこの日、トルティーリャ工場を出るころには喉がからから。26th Street沿いに点在する小さなスーパーに入ってお水を買おうかと思うくらいです。それを知ってか知らずか、次のポイントは飲み物の屋台でした。まずは、「この暑いのに、という感じだけど、ちょっと試すだけだから」と、もう一人のボランティア・ガイドのマーガレットがメキシコ版のホットココアを小さなカップに注いで回ります。チャンプラード(champurrado)と呼ばれるこのココア、なんとアステカ時代にまで遡るという飲み物で、冬のメキシコでは仕事に行く前に屋台で一杯飲んでいくのが風物詩なのだそうです。ココアの味というよりは、とろみをつけるためのトウモロコシの粉の香りと、後から加えるシナモンの香りが勝っている感じでした。うーん、私はいつものホットチョコレートのほうが好みかも。やはりこの日はとろりと暖かい飲み物には暑すぎる気候だったようで、チャンプラード売りのおばちゃんは暇そうでした。

そのすぐお向かいに店を出していたのが、上の写真のおばちゃん。大きな氷を一杯に詰めたクーラーボックスをいくつも置いて、この人は冷たいタマリンドのジュースなどを売っていました。孫らしき十二歳くらいの男の子が、額の汗をTシャツで拭きつつ、せっせと氷を削る手伝いをしています。私たちが試したのは、ラテン系の文化に興味のある人ならご存知のオルチャータ(horchata)。スペインではタイガーナッツという植物の根っこを使って作るのですが、ラテンアメリカではお米の粉を使います。これを冷たい水に溶かし、お砂糖とシナモンなどのスパイスを加え、きりりと冷やして飲む夏の飲み物。スペインにもラテンアメリカにも旅行した私ですが、恥ずかしながらオルチャータを飲むのは今回が初めてでした。先ほどのチャンプラードに似て、お米の粉の味よりもシナモンの香りが先に立って、でも乾いた喉にこの冷たさは最高です。かなり甘いので、普段飲みたいかと言われると疑問符ですが、ずっと前から試してみたかった飲み物なので、満足でした。(英語版Wikipediaによると、タイガーナッツの根っこにはナッツのような香ばしい味があるとか。スペイン版も試してみたい!)

シカゴのスローフード協会主催のネイバーフッド・ツアーはまだ続きますが、長くなってきたのでここで休憩。明日また書きます。

* 英語でいう「ネイバーフッドneighborhood」は、日本語の「ご近所」よりもかなり広い地域を指します。「町内会」の範囲よりも多分もっと広くて、感じとしては同じ町名の区域くらいでしょうか。だから、同じネイバーフッドに住んでいるからと言って、必ずしもみんな顔見知り、ということはありません。世間話をする中で同じネイバーフッドに住んでいることが分かると、何となくうっすらと連帯感を感じる程度です。同じネイバーフッドでも、幹線道路を一本渡ると全く雰囲気が違う、ということも多々あります。が、数あるネイバーフッドの中でも、特に特定の地域からの移民が多いようなネイバーフッドは、今でも彼らの出身地域の雰囲気と連帯感を残しているようなところもあり、「ネイバーフッドなんて行政上の区分に過ぎないよ」と、簡単に言ってしまえない部分もあります。

Posted by Yu at 17:28 | Comments (1)

2007年06月27日

変わり白玉、オレンジと生姜のシロップで。

最近よくお邪魔しているYOMEカフェのYOMEさんがよく作っている白玉団子。そう言えばそんな物もあったなぁ、と、子供の頃に母とよく作ったのを思い出しました。私は子供の頃バンコクに住んでいたのですが、何しろ二十年も前の話、日本のお菓子なんて手作りしなければ手に入りませんでした。白玉粉は日本から持ち込んでも悪くならないし、丸めてお湯に落とすだけ、と簡単だし、で、ムシムシと暑い熱帯に住む日本人には格好のお菓子だったんでしょうね。思い出してみると食べたくなるのが食いしん坊の困ったところ。先週、車で一時間近くかかる郊外のスーパーまで、白玉粉を買い出しにいってきました。(どうせミツワまで行くなら、ということで、きな粉やら上新粉やら、いろいろ買い込んできました。みたらしとか、八つ橋とか、いずれ作るぞ!)

これがパトリックの白玉団子デビューとあって、最初はトラディショナルにきな粉で行きました。きな粉の香ばしさと、お砂糖の甘み、それにほのかな餅米の味で、なんとも懐かしい至福の時。でも毎回こればっかりじゃつまらないので(おいしいんだからそれでいいじゃん、と言われればそうなんですけどね)、今日はちょっとひねってみました。

Chilled White Pearl Dumplings w/ Roasted Jewel Yam Paste and Orange Ginger Syrup

まずは、「宝石芋(Jewel Yam)」というご大層な名前のついた、日本のサツマイモに似たヤム芋を、70度くらいのオーブンで4〜5時間かけてじっくりローストします。低温でゆっくり焼くと甘みが出るので、ここは焼き芋風に。このJewel Yam、日本のサツマイモに比べるとべちゃっとした感じで、煮たり天ぷらにしたりするのには不向きなのですが、オーブンでじっくり焼くと適度に水分が飛んで、芋餡にするのにぴったりの質感になりました。これを小鍋に入れて、お砂糖を加えてしばらく練ります。いい感じの固さになったら、冷蔵庫へ。

次に、小鍋に水少々とお砂糖、輪切りにしてから寝かせた包丁で叩いてつぶした生姜、それにオレンジピールを入れて煮詰め、シロップを作ります。私はショウガのぴりっとした辛さが好きなので、皮もついたまま、どっさり入れましたが、ピリピリの苦手な方は適当に加減してください。これも、出来上がったら冷蔵庫へ。

白玉団子は普通に作り、冷水にとって冷まします。これをお椀に入れ、芋餡を盛り、さらに上から生姜シロップをかけて、出来上がり。何しろ初めて作る物なので、とりあえずは一人で味見。まずは餡を一口。さすがに「宝石芋」だけあって、本当にきれいな橙色です。ゆっくり、ゆっくり焼いたことで、ヤムイモのほのかな甘みが凝縮されて、なかなか行けるアンコになっていました。生姜とオレンジのシロップが、甘いばかりのあんこにアクセントを添えて、まぁ合格かな、という感じにできたので、いずれパトリックにも出してみる予定です。

でも...正直言って、お洒落系のこれより、単にきな粉砂糖や黒ごま砂糖をまぶして食べる垢抜けない田舎のオバチャン風の方がおいしいかも、と思ってしまった私。変わった食べ物大好きだけど、ちょっと保守的になってきたかしら。

Posted by Yu at 16:45 | Comments (0)

2007年06月25日

さっぱり緑の麻婆豆腐

たまーに、無性に麻婆豆腐が食べたくなることがあります。日本の中華料理店では定番の麻婆豆腐ですが、なぜかアメリカでは滅多に見かけません。この料理、鉄人シェフの陳健一さんのお父さんが日本全国に広めたそうですが、きっとアメリカにはそういう料理人がいなかったんでしょうね。というわけで、麻婆豆腐を食べるなら自作、というのが我が家の定番。レトルトのソースを使わなくても、家にある調味料でかなりおいしくできるし、何より早いので、大して苦にはなりません。

昨日のお昼に作ったのは、白と緑の麻婆豆腐。夏の昼間にコッテリ茶色の暑苦しげなものを食べるのもなぁ...というわけで、麻婆豆腐を茶色くする二大戦犯、お醤油とオイスターソースにはお引き取り願いました。そのかわりに、母からおすそ分けのあった沖縄の塩と、鶏ガラスープで旨味を出します。お豆腐の白に、たっぷりのネギとニラの緑が映える一品になりました。(だから白と緑の麻婆豆腐。)

Green Ma Po Tofu

アメリカでも、日本食は健康に良い!ということでかなり沢山の種類のお豆腐が売られていますが、日本人が見ると今ひとつ。ステーキにしたりサラダに入れたり、と、使い方が妙(?)なので、基本的に固いのが一つ。"Soft Tofu"と銘打ったのを買っても、日本の木綿豆腐よりもっと固かったりします。アメリカのお豆腐なら、本当に「豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえ」るかも(笑)。形はお豆腐みたいだけれど、あの馥郁とした大豆の味がしないのがもう一つ。そんな大味なめりけん豆腐ですが、麻婆豆腐をする時だけは重宝します。というのは、瑞々しい日本のお豆腐に比べて水分含有量が少ないため(だからやたら固いんですが)、水切りをする手間が省けるのです。閑話休題、材料です。

ソースには、1/8カップのお湯に、鶏ガラスープの素、コーンスターチ(もしくは片栗粉)大さじ1、それに豆板醤を小さじ1、あらかじめ混ぜておきます。調味料を全部合わせておくのは、短時間で仕上げるのが勝負の中華料理では基本だそうなので...。

作り方はごく普通の麻婆豆腐と同じです。生姜とニンニクを炒めたところに豚挽き肉を入れて、火が通ったら角切りにしたお豆腐を入れて炒め、ソースを回し入れてとろみが出るまでぐつぐつ、最後にごま油と山椒をぱらり。中国産の山椒から柑橘類につく病原菌が発見されたとかで、アメリカでは、つい最近まで四川山椒の輸入が禁止だったそうですが、今年になってその禁止令も解け、私としては嬉しい限りです。何しろ、これをぱらりとやるだけで、自家製麻婆が何とも本格的な、舌もぴりりと痺れる麻婆豆腐になってしまうので。シカゴにお住まいの方なら、エヴァンストンやオールドタウンに店舗のあるスパイスハウスで、良いものが手に入ります。(スパイス瓶に一杯の1オンスで$2くらいです。)

Posted by Yu at 16:20 | Comments (0)

2007年06月22日

裏山(?)に苺採り

On the Way to a Strawberry Patch

シカゴ郊外の住宅地に住む両親の家の裏が、今は廃線になった貨物列車の線路になっています。廃線になってもう五、六年経つそうで、かつてこの辺りはみんなそうだったという、背の高いガマの揺れる湿地と、これまた背の高いデイジーやアザミが咲き競う草原が、線路に沿って延々とのびて行きます。初夏のこの季節、東側の湿地には、眼の醒めるような朱色が肩に美しいブラックバードが営巣し、西側の小さな林からは鹿が子供をつれて草を食みに出てきたりします。ミツバチがぶんぶん輪を描き、モンシロチョウがふんわりと野の花に着地する脇を、戦闘機のようなごっついトンボがすうっとかすめて通ります。十分ほど南に下がった広い草地は、野兎たちの夕食の場。私が近づくとみんな白いお尻を振って逃げてしまいますが、遠くから見ていると、緑滴るクローバーをほおばって、モゴモゴやっています。

この廃線路沿いのプレーリー(アメリカ中西部に広がる大草原)、バードウォッチングにも最適なのですが、この季節の最大の楽しみが、野生の苺。背の高い草の根元をかき分けると、小指の先ほどのちっぽけな赤い実が、髪の毛のように細い繊細な茎からぶら下がっているのが見つかります。最初はのこぎりのような葉っぱばかり眼につきますが、いったん目が慣れてくると、その下にひっそりと付いた実がどんどん見つかるのです。ほんの少し触れただけでも、真っ赤な甘い匂いのする果汁が指を汚すほどデリケートな実なので、細心の注意を払って、茎から切り取ります。今年は出かけるのが遅かったので、大部分は既に熟して落ちてしまっていました。地面に落ちたイチゴがゆっくりと腐っていく甘い匂いで、辺り一面がむせ返るような苺の香り。肉と果物は腐りかけくらいがおいしい、と食通は言いますが、やはりそうなのかもしれません。

Bounty

茎まで含めてもお椀に一杯くらいのお粗末な収穫量でした(茎とヘタを取ったら、さらにこの半分くらいになってしまいました)が、家の裏の草原に勝手に生えている野イチゴ、というだけで大感激です。実が小さい分味は凝縮されていて、スーパーで買ってくる巨大な苺の水っぽい味なんてはるか彼方に霞んでしまいます。ぎゅっと甘くて、しかも快い酸味もしっかり。ヘタを取りながらいくつかつまみ、こんなことをしていてはジャムにする分がなくなる(ただでさえ雀の涙ほどしかないのに)、と気付いて自制。お砂糖を加えて軽く煮込んだら、ぐい飲みに一杯くらいのジャムができました。ほんのぽっちり、自然の恵み。

Posted by Yu at 09:14 | Comments (1)

2007年06月20日

激ウマ焼き肉のたれ

Japanese Barbecue w/ Mizuna, Daikon, Carrot and Spinachなんだか無性に焼き肉が食べたくなって、でも家に焼き肉のたれはなく、しかも日本スーパーまでは車で一時間近くかかるとあって、(ラッシュアワーだったからもっとかかるかも...)たれを手作りしてしまいました。なんとこれが大当たり、まるで市販のたれを使ったような、深みのあるいい味になってびっくり。日本風の焼き肉を食べたことのないパトリックも、「これはおいしい」と絶賛でした。適当にやったわりにはおいしくできたので、レシピを公開してしまいます。本当はコチュジャンを入れたかったのですが、あいにく手元になかったので、お味噌と豆板醤で代用。ひょっとして、これが良かったのかも。

ポイントは、玉葱とニンニクにしっかり火を通すこと。タマネギとニンニクをすりおろし(もしくはフードプロセッサーで細かくし)、ごま油を熱した小鍋で、生のタマネギ特有のきつい臭いが消えるまで、弱火で炒めます。その間に、残りの調味料を混ぜ、この中に適当に刻んだ干しプルーンを投入、なめらかになるまでフードプロセッサーにかけます。(プルーンが固かったら、お湯で戻してください。)タマネギの匂いがとんだら、同じ鍋にこの調味料を加え、時々かき混ぜながらしばらく(十五分くらい?)煮詰めて出来上がり。この量で四人分、たっぷり食べられるくらいになります。火は通っているし、お砂糖も塩分もたっぷりなので、冷蔵庫に入れればしばらくは持つはず。

日本の市販の焼き肉のたれって、辛みもあるけれど結構甘いのがおいしいんですよね。こちらでは簡単に手に入る韓国製の焼き肉のたれは、そっちが本場でしょ、と言われればそうなのですが、日本製の甘めのたれに慣れた私にはちょっと角が立った感じで、今ひとつの気がします。その点このレシピで作った自家製のたれは、タマネギとニンニクに火が通っているせいなのか、全体を煮込むせいなのか、はたまたプルーンのおかげか、とにかくまろやかで、コクと甘みがあって、最高です。(って、自画自賛ですが...)これからちょくちょく作ってしまいそうです。前々からずっと欲しかった炭火焼用のグリルが余計に欲しくなってしまいます。ポーチのあるアパートに引っ越したら、絶対買うぞー!

Posted by Yu at 09:10

2007年06月18日

行ってはいけない

シカゴのループ(ダウンタウンの中でも、CTAの経営する高架鉄道と地下鉄に囲まれた区域)から、ランドルフ・ストリートを10ブロックほど西に行ったウェストタウンと呼ばれる地域は、最近になって再開発の進んだ新しいエリアです。もともと工場地帯だったので、天井の高い工場や倉庫のビルを改装した煉瓦造りのロフトが立ち並び、おしゃれなバーやレストランが軒を連ねていて、垢抜けない私なんかが行ったら場違いなんじゃ、というくらいトレンディーな地域になっています。ここから数ブロック北には、フルトン・マーケットという野菜やお肉の卸売業者が集まるエリアがあるので、ランドルフ沿いにも肉の卸業者が数軒あったり、卸会社で働く人のための安い簡単なレストランがあったりして、これとトレンディーなロフトやレストランとのコントラストを眺めるのも、なかなか面白いものです。

この地域のレストランの客層は、再開発であたりに建った新しいロフトや、ダウンタウンの高級コンドミニアムに住む、若くてリッチなプロフェッショナル。イタリアン、寿司、パン・エイジアン、フレンチ、と、レストランは色々ありますが、共通するのはこの客層に合わせた大袈裟な(?)演出とそれなりのお値段。料理の味より超トレンディーな雰囲気のほうに気が行ってしまっているレストランが多いのですが(というのは毒舌が過ぎるかしらん)、ここにも値段は張るけれどそれなりにおいしいレストランはあります。アメリカ風にアレンジした創作アジア料理のレッドライト(Red Light)や、フランスの大衆食堂の料理を出すマルシェ(Marché)などがその筆頭。(私は行ったことがないので、Chicago Readerという定評のあるフリーペーパーの批評を参考にしています。Red Lightに行ったことのあるパトリックは、「おいしかったよ」と。この二つと、さらに同じ通りにあるイタリアンのVivoは、黒幕が同じだそうです。)

近頃シカゴではスシバーに行くのがかっこいいとされているので、ご多分に漏れずランドルフ沿いにも山ほどヒップなスシバーがあります。(この間ちょっと歩いただけで五軒も見つけました。)その中で、絶対行っては行けないお店が、スシ・ワビ(Sushi Wabi)。ちょっとインダストリアルな感じの店構えはなかなか素敵なのですが、料理のほうはちょっと腹が立つくらいいい加減でした。しかも高いし。

Dubious Seared Tuna and Soft Shell Crab Tempura

どの料理も、メニューで読む限りはおいしそうなのです。ソフトシェル・クラブの天麩羅に蜂蜜ワサビソース、とか、鮪のたたきにマスタード味噌ソース、とか。ところが実際に出てきてみると、天麩羅はべったり油を吸った重い衣が暑苦しいし、蜂蜜ワサビソースはわさびの辛みは利いているけれどゴテゴテに甘いし(単純にお醤油で食べたほうがずっとおいしかったです)、で、アイディアは良いんだけれどプロなんだからもうちょっと上手にできないの、という感じ。うちの母の揚げる疑問符付きの天麩羅のほうがまだおいしかったりして。ところがこれはまだ良いほうで、鮪のたたきと来た日には眼も当てられませんでした。

そもそも(写真を見ていただければ分かりますが)、鮪のたたき自体が怪しいのです。「さっと炙った」部分が、まるで機械で作ったかのように均一で、しかも炭火の焦げ目もなし。見た感じはまるでハム。で、これを辛子酢みそを濃厚にしたようなソースにつけて食べるのですが、ソースの味が強すぎて鮪の味なんて全く消えてしまいます。でも考えてみるとこれはこのほうが良いかもしれないわけで、なぜかと言うとこの鮪がとにかくひどいのです。おそらく冷凍物を下手に解凍したのであろうと思うのですが、妙にびしょびしょしていて、まるで濡れたスポンジを食べているよう。雰囲気としては、凍った刺身を電子レンジで解凍したら、あらら、端っこに火が通っちゃった、でもまあいっか、出しちゃえ、という感じ。鮪自体の味なんて、解凍したときに水分と一緒に流れ出てしまったらしく、これはとてもきつい味のソースがなければ食べられたものではありませんでした。ああ、こんなもの(しかもたった六切れ)に$8も払ったとは...。付け合わせのわかめの酢の物はおいしかったですけどね。

これ以外に頼んだヅケにした鮭のお寿司(二カンで$9 )と、スパイシーツナ巻きはまだましでした(特にスパイシーツナ巻きは、青臭い新鮮なチリの味がしてなかなかいけました)が、びしょびしょ鮪のヘナチョコたたきのダメージを挽回するまでには至らず。というわけで、皆さんランドルフ沿いのウェストタウンに行くときには、是が非でもスシ・ワビは避けましょう。いくら内装に凝っても、DJを置いても、肝心の料理のほうがイマイチでは、ね。

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ウェストタウンに行くには、ループからならランドルフ・ストリートをひたすら西に歩くだけ。郊外から車で行くなら、I-90/94(Kennedy Expressway)のランドルフの出口を出て、西に向かってすぐ。駐車場は、路上になりますがふんだんにあります。

Posted by Yu at 08:22 | Comments (0)

2007年06月15日

韓国スーパーのお惣菜

アメリカに住んでいて日本が恋しくなるとき。まぁ色々ありますが(温泉とか、デパ地下とか)、実用的なところで行くと、スーパーのお惣菜売り場は、かなり恋しいです。何が良いって、買い物をした後でちょこっとずつおいしい気の利いたものを買えて、それを帰ってすぐに食べられる、というのがすばらしい。アメリカのスーパーにも、デリカウンターというものはありますが、マヨネーズこってりのマカロニサラダに衣がテラテラと油で輝くフライドチキンなど、どうも食欲をそそられず。Whole Foods Marketなどの高級店に行けば、それなりに凝ったサラダやお肉が買えますが、日本のお惣菜にはやっぱり負けます。(それは私が純ジャパだから?)

そんなお惣菜砂漠のシカゴですが、最近シカゴ在住の日本人はみんな行っているという(噂の)H Martには、日本のスーパーで言うところのお惣菜コーナーみたいなものがあります。H Martは韓国資本のスーパーなので、基本的には韓国のお惣菜なのですが、Whole Foodsみたいにレストラン風のものではなく、家庭で普通に作っていそうなナムルやチヂミを売っているあたりは、まさに「お惣菜」売り場。白身魚をてんぷら風に揚げたものに甘酢あんをかけて、なんていう、なんだか給食が懐かしくなるような一品も時々見かけます。最近私がはまっているのが、チャプチェ。

Japchae from H Mart

言わずと知れた、韓国のさつまいもから作った透明な麺を、すき焼き風の甘辛い味で炒めた一皿ですが、これが何ともほっとする味なのです。やっぱりお砂糖とお醤油の組み合わせは、ニッポン人にはたまらない!人参に法蓮草、玉葱に椎茸と、野菜もたっぷり入って、お昼用なら軽く二人分ある量で、お値段たったの$3.49。レストランで食べるよりずっと安いし、何せお手軽だし、で、最近はチャプチェが食べたくなるとH Martに行っています。これでイカのてんぷらとか置いてくれたら、完璧なんだけどなぁ、と思いますが、それは欲張り過ぎってもんでしょうか。(一体どういうわけか、スーパーのお惣菜売り場のイカのてんぷらが大好物な私。あの、あるかなきかの薄い塩味が好きなんです。変なの。)そういえば、日本にいた頃には、スーパーでてんぷらを買ってきて即席天丼、とかやっていたっけ。懐かしや。

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H Mart
801 Civic Center Dr., Niles, IL
847-581-1212

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2007年06月14日

シカゴで一番おいしいアップルパイ。ほんとです。

アメリカにはおいしいパン屋さんがない、というのは、アメリカ在住の日本人には定番の不満ですが、シカゴにはなかなかおいしいパン屋さんが少なくともいくつかはあります。パン好きの私としては、ほっ。Red Hen Bakeryについては以前に書きましたが、郊外にも一軒、アップルパイの物凄くおいしいお店があります。アップルパイと言っても、丸く大きく焼いたのではなくて、正方形の生地をぱたんと二つに折って、一人分サイズで焼いたもので、生地も中身も同じようなものですが、こちらではターンオーバー(turnover)、と呼びます。

Rolf's Patisserieに初めて行った時は、これがほんとにパン屋なの?と言う実用一点張りの外観にたじたじとしながらドアを開けました。隣はだだっ広い敷地に街路灯のような電気が立ち並ぶ車屋だし、交通量が多くて殺伐とした大通りに面していて、とてもおいしいパン屋さんがあるような雰囲気ではありません。Whole Foods Marketで買ったRolf'sのバタークッキーが、まるで日本かヨーロッパの高級店で買ったようなおいしさだったので、勇気を奮い起こして工場の一部をお店にして販売もしているという本店に行ってみたのです。ショーケースの中には、アメリカ風の大味そうな巨大ケーキがあるかと思えば、ヨーロピアンテイストのプチフールが何十種類も並んでいたりして、品揃えはかなり豊富。でもここのお勧めは、なんと言ってもパイ系。

Apple Turnover

入って右手のショーケースの中に、アップルとチェリーの二種類のターンオーバーは並んでいます。(おいしそうでしょう!)他にも、チョコレートクロワッサンや、パイ生地をくるくるとねじってアーモンドを散りばめたものなどもお勧めです。(こういうものは、アメリカ人にとっては朝ごはんなので、朝のうちに行かないと、売り切れてしまう可能性大。)棚の下に置いてある袋に、好きなものを取ってレジに持って行くと、「いくつ?」と聞かれ、いくつペストリーを取ったかを伝えると、いくらになるか計算してくれます。使っているバターが良いのか、とにかく生地がおいしいのです。サクサクしているけれど、こちらのパイ類でよくあるパサパサ感は全くありません。バターの香りが馥郁として、それが甘酸っぱいリンゴのフィリングと絶妙なカップリング。上にはほんの少しお砂糖のグレーズがかかっていて、甘過ぎないところも嬉しいのです。ここのアップル・ターンオーバーは、私が27年の人生で食べた中でも三本の指に入るおいしさです。(いったいどういう関係なのか、デニッシュ系はいまいちです。マフィン類と共に、避けたほうが無難。)

さらに嬉しいのが、ターンオーバーなどのペストリーを買うと、無料でコーヒーをサービスしてくれること。窓際に椅子とテーブルが三組ほどあって、そこで食べることもできます。(窓の外の景色は、単なる駐車場と、その向こうは殺風景に車が行き交う大通りですけどね。)近所の東欧系のおじいちゃんおばあちゃんが、コーヒーをすすりながらの長い雑談で土曜の朝を過ごしていたりして、ちょっとココロも和みます。ここでターンオーバーにかぶりついていると、誕生日のケーキを受け取りに来る若いお母さんや、職場に持って行くのか、大きなトレーに一杯プチフールを買って行くおばさんが三々五々やってきて、皆さんおいしいものを知っているんだな、と思います。(この間は、ウェディングケーキの相談に来たカップルを見かけました。)

ロルフス・パティスリーは周りに何もないところにあるので、このためだけに足を運ぶことになります。でも、その価値はあり。(車がないと行けないので、旅行で来ている方にはちょっと厳しいかも...)我が家からは車で十五分くらいなので、月に一度は週末の朝ごはんを食べに行きます。郊外にお住まいの方なら、車でダウンタウンに行く途中に寄るのが一番良いかもしれません。(ロルフスは、ミルウォーキーとシカゴを結ぶI-94のトゥーイの出口から二分ほど東に行ったところにあります。)ついでに、何種類もあるバタークッキーをお土産に買ったりして。ちょっと重いですが、日本へのお土産にも良いと思います。

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Rolf’s Patisserie
4343 Touhy Ave., Lincolnwood, IL
847.675.6565

Posted by Yu at 22:25 | Comments (0)

2007年06月07日

世界の家族が食べるもの

TIME誌が、「世界の家族が食べるもの」という写真特集をやっています。その栄えある(?)巻頭を飾っているのが、なんと日本の家族。小平市にお住まいのウキタさんご一家です。チャドの難民キャンプに住む一家(穀物の袋が二つ、豆らしきものが一袋、それにちっぽけな野菜の袋がいくつか)から、クゥェートの一家(石油成金っぽいぴっかぴかの台所に、ラムの足がどーんと一本、それに野菜がどっさりと、スパイスミックスらしき紙パックがごろごろ)、果てはこれでもかっ!とばかりに加工食品ばかり並んだアメリカの一家(椅子にかけた二人の息子が、誇らしげに巨大なピザを二つ抱えています)まで、世界の様々な国の家族が、その一週間に食べる食品とともに、写真に納まっています。これは、既にになっているHungry Planetというプロジェクトの一部だそうです。日本語版も出ています。面白いことを考えつく写真家もいるもんですね。

文字通り山積みの食品を見ると、たった一週間でこんなに食べるものなんだ、というのがまず驚きですが、さらに面白いのが、台所の様子、家族構成の違いや、加工食品の比率、さらには主食の違いなど。例えば、イタリア人はパスタ食い(失礼!)の印象がありますが、イタリアの家族の写真にはパンがどーんと正面に出ています。メキシコ人の家族の写真には、信じられない量の果物が映っています。12人の拡大家族が大量の野菜と一緒に写ったエジプト人の家族の写真には、白いターバンのようなものを頭に巻いたおじさんが、家父長然とした厳しい目をして立っているし、エクアドルの9人家族は、煙にすすけた土壁に藁を敷いた土の床のちっぽけな家の真ん中で、何とも嬉しそうに微笑んでいます。いろんな国があって、いろんな人がいて、いろんな食生活があるんだなぁ、とつくづくと思わされる特集です。とは言うものの、「好きな食べ物」の欄に出てくるのは、なんだかアメリカナイズされた加工食品が多いのも、また考えさせられるところ。何がおいしくて、何が幸せなのか。

さて、この16組の家族の中で、一番食費が高かったのは、どこの国だと思います?

それは、ジャーン、日本のウキタさんご一家でした!生活費が高いのもありますが、やっぱり日本人はグルメなのかしら。

Posted by Yu at 18:49 | Comments (0)

2007年06月04日

徒歩五分のメキシコ

パトリックのアパートのあるロジャースパークは、シカゴ市の一番北の端にあたる区域。ダウンタウンから遠いのと、最近まで治安が悪かった(今も麻薬の売人が駅の周りにうろついていたりしますが...)のが影響して、シカゴ市内で、まあまあの環境のところとしてはかなり家賃の安いエリアです。そのせいもあってか、ロジャースパークは移民の宝庫。統計によればなんでも90以上の言語が犇めき合っているんだとか。そんな多様さはレストランにも表れていて、ペルー料理からコロンビア料理、パキスタン料理から果てはグルジア料理店まで、これでもかっ!というくらい色んな国のレストランがあります。その多くが、既に社会に同化した移民二世三世(いわゆる「アメリカ人」)向けではなくて、まだ家庭では母国の言葉を話し、母国の料理を食べているような移民一世向けに営業しているところが、ロジャースパークのエスニックレストランの楽しいところ。その分、いわゆるアメリカ人向けに営業しているエスニックレストランに比べると、あまりアメリカでは知られていない料理がよく見つかります。味付けも、本物に近いようです。

西のほうはユダヤ人、南はインド・パキスタン系など、同じロジャースパークでも区域によって人種・民族の構成はかなり違うのですが、パトリックのアパートのあるあたりにはメキシコ人がごっそり住んでいます。(うちのお隣も、下の階の人も、みんなメキシコ人です。)そんなわけで、アパートから歩いて五分ほどのクラーク・ストリートには、メキシカンレストランが軒を連ねています。パトリックはここにもう五年以上も住んでいるので、当然安くておいしいお気に入りがあるのですが、このあいだは、ちょっと違うところにも行ってみようよ、というわけで、敢えて行ったことのないレストランに行ってみました。

Steak!Quesadillas y Mariscos Doña Lolisは、トウモロコシの粉(マサ)を使った料理を得意とするレストラン。毎朝トウモロコシを挽くところから始まって、トルティーヤからソペ(トウモロコシ粉を丸く整形して焼いたコロッケのようなもの)に至るまで、みんな手作りなんだそうです。パトリックのステーキにも、私のチポトレ・ソースのミートボールにも、この手作り感溢れるトルティーヤが付いてきました。ミートボールにほんのり辛みのあるソースをたっぷりつけて、フリホーレスとともに包んで食べると最高です。パトリックのステーキも、安かったのに($10)牛の旨味たっぷりで、なかなか。一緒に付いてきた、これも自家製のワカモーレ(アヴォカドのディップ)の玉葱がさっぱりで、おいしかったです。雰囲気としては、メキシコのおふくろの味、というところです。

Meatballs in Chipotle Sauceこのレストランでは、アステカ時代に遡るという製法でいまだにホットココアを作っているそうです。ココアパウダーを牛乳に溶かしたところに、シナモンなどのスパイスを入れ、それになんと例のマサ(トウモロコシ粉)でとろみをつけるんだとか。メキシコでは冬の朝、仕事に行く途中に道の屋台で買って、ふうふういいながら飲むのが風物詩なのだそうです。たぁ〜っぷりの夕飯を食べたらお腹いっぱいになってしまって試せなかったのですが、次回は必ず、とココロに決めて帰ってきました。(あんまりお腹いっぱいだったので、近所をお散歩してから帰りましたが、あれっぱかりじゃ大して助けにもならなさそう...汗)

クラーク・ストリートには、まだまだ行ったことのないメキシカンレストランが山ほどあるので、これからぼちぼち試してみようと思っています。みんな家族経営の小さなレストランばかりですが、それぞれにオーナーの出身地の料理を出していたりして、面白そう。壁の張り紙はほとんどスペイン語、店の奥のテレビではスペイン語放送のソープオペラをやっていたりして、家から歩いて五分なのに、なにやら異国の雰囲気です。次回の記事に乞うご期待。

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Quesadillas y Mariscos Doña Lolis
6924 N. Clark St., Chicago, IL
773.761.5677

Posted by Yu at 11:12 | Comments (0)