引っ越しの合間にこんなことを...
「妄想代理人」というアニメに出てくる癒し系キャラ、マロミちゃんです。このアニメ、アニメおたくのパトリックの勧めで見たのですが、現代日本の「病巣」まで行かなくてもちょっとおかしくなってきちゃっているところをこれでもか、と見つめた作品で、凄みがありました。引きこもりとか、少し病的に「癒し」を求める風潮とか。日本ではどんな反響があったんだろう、と思います。パトリックは「博士論文が十本くらい書けそうな濃い内容だ」と評していましたが、それも当たらずとも遠からずな感じです。でもまあ、そういう固いことは抜きに、マロミちゃんはかわいいので。パトリックのおたく友達(笑)がマロミちゃんファンらしいので、進呈しようかな、と思っています。(ただ単に物が増えるのが嫌なだけ...作るのは好きなんだけど...笑)
ちょっと前の話ですが、この方のブログ経由でル・クルーゼで作る簡単プリンのレシピを見つけて、その「超」のつく簡単さにノックアウトされて作ってみました。お鍋にお湯を沸かして、そこに型に入れたプリンを並べ、三分沸騰させ、火を止めて二十分放っておくだけでできるんだそうです。ほんとかいな、というくらい簡単。保温性の高いル・クルーゼだからできるレシピ、なんて言われると、そんな大層なお鍋は持っていないけど、うちにある中で一番でっかいパスタ鍋でやってやろーじゃないの、と、生来の天の邪鬼ゴコロが疼きだす。
レシピでは普通のカスタードプリンだけれど、私は冷蔵庫に人参のココナツローストを作った残りのココナツミルクがあったので、それと生クリームで、こっくりココナツ風味にすることに。パスタ鍋からは熱がすぐ逃げるだろうことを計算して、五分沸騰、二十分放置という計画で行きました。そうしたらなんとまあ、本当にお鍋に入れて放っておくだけで、二十五分でクリーミーな滑らかプリンができました。ル・クルーゼじゃなくてもできるのさっ(笑)。でもこれは本当に驚き。湯煎焼きの手間がいらないのに簀が入らないし、何より早い。今まで作ったプリンの中で一番上手にできました。残った生クリームをゆるく泡立てて、メキシコの黒砂糖を溶かして作ってあった黒蜜をたらりと掛けると、なにやら本格的なエスニック味。おいち...
唯一問題なのは、沸騰したお湯の中にプリン液の入ったカップを降ろしていくという工程。ゆっくりと気を付けて、と思うともうもうと吹き上がる蒸気で手を火傷しそうになるし、熱さに負けて慌てて降ろそうとするとプリン液がこぼれたり、ぐつぐつ沸き立つお湯がカップの中に入りそうになったり、で、かなり大変でした。パトリックもかなり気に入ったみたいだし、この工程さえマスターすれば、プリンなんて毎日作っちゃよ、というくらい簡単なんだけどなぁ。(でも毎週くらいなら作ってもいいかも、と思うプリン好きの私。)
Continue reading "魔法のプリン"いよいよ今週の木曜に本引っ越しが迫り、土日はせっせと箱詰め&愛車のフォーカス君で新しいアパートと今のアパートの間を行ったり来たり、でした。つくづくうんざりするのは、生きているうちに知らず知らず溜まるガラクタ。無くても生きていけるものがほとんどでも、妙な愛着があって捨てられなかったり、五年に一回あるかないかくらいのレア〜な状況で必要かも、で、やっぱり捨てられなかったり。それでも私は結構な量を処分したのですが、問題はパトリック。二十年は遡りそうな壊れたモニターから、一つ一つに「由来」のある埃をかぶった石ころに、この先一体読むのか読まないのかかなり怪しいアニメ雑誌までたんまり溜め込んでいて、捨てろ捨てろと言ってもなかなか捨てません。意外と男の人の方が捨てられないんですかねぇ。やれやれ。ま、こんなところで愚痴っていてもしょうがないんですが...。
そんなわけで、うちには今調味料も調理器具も一切ありません。みんな次のアパートの一間で、段ボールに詰まって出番を待っています。お昼を作って食べようにも包丁も無いので、近所の中華料理のビュッフェに行ってきました。炒め物から揚げ物、蒸し餃子までいろんな種類のものがどっさりあって、テイクアウトにすると量り売りになります。大きな発泡スチロールのテイクアウト用の箱に結構入れて、お値段$3.76(税込み)でした。味もそこそこおいしいし、何より野菜がたくさん摂れるのが嬉しい中華のビュッフェ、この値段なら本引っ越しまで毎日これでもいいかも(笑)。ビュッフェでは初めて見る桃饅まであって、桃饅大好きの面食いな私はホクホクでした。
ところが...いざ家に帰ってきてみると、お箸もフォークも無い!考えてみれば、みんな詰めてしまったのです。あぁなんてバカ。しょうがないので、昨日の夕飯(近所のホットドッグ屋からテイクアウト)についてきたプラスチックのフォークを油の染みた袋から探し出して(うへぇ)、それで食べました。フライヤーから出たての熱々フライドポテトの上に無造作に載せられて、哀れにも持ち手の曲がってしまったフォークでしたが、ないよりは数段マシ。助かりました。今週いっぱいくらいは、こんな間抜けな状態が続きそうです。
会社のIT部がごたごたしていてなにやら気分的に大変そうなパトリックの気分転換に、水曜日は車でちょっと遠出しました。いつも仕事の話は滅多にしない人なのに、ここのところ会社で何があった、誰が辞めた、という話がちょくちょく出てきます。ご本人はそんなゴタゴタを高みの見物という姿勢を堅持しようとしているようでも、端から見ているとちょっとお疲れ気味な雰囲気だったので、車で30分くらいのところにあるギリシャ料理店までドライブに誘ったのです。いい奥さんじゃぁありませんか(笑)。Golf沿いにあるミコノスというレストランで、新鮮な魚介類を食べて、そのあとはもう少し北のほうにまで足を伸ばし、数年前にできたモール兼新興住宅地の中にある湖の周りの遊歩道をお散歩してきました。この遊歩道、かつてはイリノイ中に広がっていたプレーリーを再現し、なるべく人の手を入れないで管理しているという最近流行のゼロ・スケイピングを取り入れていて、夏になると背の高いプレーリーの草が繁茂し、黄色やピンクの色とりどりの花が咲き乱れ、とてものんびりできるところなのです。蓮の浮かぶ人造湖に水鳥の群れが重たげな羽音をたてて着水したり、大きな青鷺がじっと魚を狙っていたり。九時を過ぎたあたりから一気に暗くなり、すでに中空に昇っていた半月の怪しげな光も、みるみるうちに透き通った銀色の光に変わって、時折いる虫の大群を避けつつ歩いているだけで、癒されます。パトリックもすっきりしたみたいで、帰りの車の中ではいつものおちゃらけ男に戻っていました。よかったよかった。
よくなかったのは、ミコノスで出てきた大量のカラマリ。ギリシャの紺碧の海に真っ白な船を出して魚を捕っていそうな雰囲気のヒゲ面のウェイター氏、私が頼んだのはフライパンでグリルした赤ちゃんイカだったのに、なぜか衣を付けて揚げたカラマリを盛ってきてくれてしまいました。なんだか英語が苦手そうな感じのおじさんが頑張ってウェイターをしているので、文句を言うのも申し訳なくて、そのままいただきました。おいしかったんだけど、何せイカちゃんの託児所全部揚げちゃったんじゃないの?というこの量。とてもじゃないけど食べきれません。半分以上はお持ち帰り。さてこれをどうするか、と悩んだのが木曜の夕飯。そのまま食べたって二日目のイカの唐揚げなんておいしくないし。
で、こうなりました。衣がへなっとしたカラマリ君たちはオーブントースターで衣のべたべた感がなくなるまで軽く暖め(暖めすぎると固くなるはず)、オリーブオイルをかけて同じオーブンで焼いておいたサマー・スクワッシュと合わせてお皿に盛ります。その下には、海外在住の日本人の強い身方、ベトナムの紫蘇を敷いて。(このベトナムの紫蘇、表が緑で裏が紫という、一枚で二度おいしい的彩色で、日本の紫蘇をもう少し強烈にしたような味がします。日本スーパーで十枚一束で売っている紫蘇よりずーっと安くて、どっさり入った大袋で買うので、好きなだけ使えて便利。お高い日本の紫蘇なんて、とてもじゃないけど飾りには使えないもんなぁ。英語ではpink mint、ベトナム語の音声表記ではtia toとなっておりましたよ。)その上に辛みの少ないサラダ用のタマネギの薄切りと、ちぎったベトナム紫蘇、さらにシラントロー(パクチ)をこんもり盛って。
ギリシャのイカちゃんに合わせるソースは、タイ風にしてみました。スゥイートチリソースとライムの果汁を半々くらいで合わせたものに、さっきのタマネギとシラントローの一部をみじん切りにして加え、先日Voloのアンティークモールで買ってきた怪しげな「九谷造」の小さなお茶碗に入れます。薄い青緑のガラスの鉢に、橙色と白のお茶碗がきれいに映えて、なかなかよろしい。これで誰もこのイカ君たちが昨日までギリシャ人だったとは気付くまい。華麗なる国籍変換、軟体動物編。いや、別に気付かれたっていいんですけどね。そのまま使うと甘過ぎることもあるスゥイートチリソース、ライムと混ぜてさっぱりになりました。これは覚えておこうっと。
おまけ。このパソコン、今までずっと英語しか書いていなかったので、日本語変換が赤ん坊並み。一番イライラするのが、「この」が常に「粉の」と変換されるところなのですが、時々笑っちゃうこともあります。さっきも、ガラスの鉢に橙色と白のお茶碗がきれいに「生えて」ました。最近で一番笑ったのが、「たたき梅」と打った時に「叩き埋め」と変換されたこと。さすがアメリカのマック、CPUの随までバイオレンスがしみ込んでます。恐っ。
シカゴのガイドブックを読んだことのある方ならご存知だと思いますが、シカゴ名物の一つにディープディッシュ・ピッツァというのがあります。深さ三センチくらいの鋳鉄のピザ焼き皿に生地を敷き詰めて、その中にトマトソースと具、それにチーズをどぉーっさり詰めて焼いたもの。薄めの電話帳くらいはあるその厚みのほとんどはチーズなわけで、一切れ食べきる前にお腹いっぱいになってしまうくらいの重いピザです。こちらに来たばかりの頃に、私もジョルダーノスとか、ジノズ・イースト、それにピッツェリア・ウノなど、いくつかディープディッシュ・ピッツァの有名なお店に行ってみましたが、正直言ってお金を払ってまで(もしくは余計なカロリーを摂取してまで...笑)食べたいものじゃありませんでした。そんなに大量にチーズを入れるんなら、もっとおいしいチーズを使えば?とか、ちょっと意地悪なことを言いたくなったりして...。
そんなピザ砂漠のシカゴですが、最近になって激ウマピザ屋をいくつか見つけました。なんと言っても堂々第一位は、イタリアからピザを焼く窯(と、そこでピザを焼く職人)まで直輸入したというこだわりのスパッカ・ナポリです。このピザ屋さん、日本のおいしいピザ屋さんにも全然負けてません(って比較の対象が変ですが)。イタリアで食べたピザにも引けを取らない、まさに掃き溜めの鶴的存在。ところが、いかんせんあまりのおいしさに、いつ行ってもおバカな私は写真を撮るのを忘れてしまうのです(いつもおいしいワインで酔っぱらってるから、という噂もあり)。そう言うわけで、スパッカ・ナポリのお話はまた今度。
で、今日の本題は、エヴァンストンにあるピザもおいしいイタリアンレストラン、トラットリアD.O.C.です。D.O.C.というのは、イタリアの地場産物の品質管理システム。日本でも地鶏の銘柄を全く関係のない会社が勝手に使ったりして問題になったりしましたが、そういうことを防ぎつつ、地元で長い時間をかけて培ってきたワインやチーズ、サラミなどの品質(とその生産者)を守っていこうというものです。そんなD.O.C.をお店の名前に採用するくらいなので、このトラットリア、きっと食材にはこだわっているはず(と、私は勝手に思っています)。
パスタもセコンドも何でもおいしいトラットリアですが、ここのおすすめは何と言ってもピザ。生地が違います。「外側」とか「中側」と格別できないくらいの薄生地なのに、それでも外側はぱりぱり、中側はモッチリの偉業を達成しています。所々ぷっくり膨らんだところが焦げて、それがまたおいしいんです。今回はソースなしのローズマリー・ポテトピザを頼みました。じゃがいもの土臭い甘みにローズマリーの香りがぴりりと利いて、もう最高。じゃがいもの端っこが焦げたところはまるで自家製ポテトチップみたいにカリカリで、イモ好きイモねえちゃんとしては口福の至りです。とろけたモッツァレラチーズはバターみたいな深みのあるこくがあって、言うことなし!
おいしいピザもさることながら、今回の発見はスペシャルメニューの中から頼んだfiori di zucca、ズッキーニの花のイタリア風天ぷらでした。(イタリア風天ぷら、なんて言うとどうも垢抜けませんが他に言い方が思いつかない...やれやれ。)酢の利いた爽やかなサラダの上に載って出てきたフリットは、中にモッツァレラチーズとアンチョビが入っていて、単体では特に癖のないズッキーニの花が、とっても面白い味になっていました。アンチョビの塩気と、かすかな海の味がなかなかいいんです。イタリアではリコッタチーズと卵黄を混ぜたものを詰めるらしいので、このD.O.C.バージョンはほっこり系の本家よりも少し冒険心旺盛な感じですね。衣も、ふんわり軽いのにモッチリ感があって、とてもおいしかったです。そんじょそこらの天ぷら屋で食べる天ぷらよりいけるかも...。
中を切ってみると、加熱して濃くなったズッキーニの花の黄色が、モッツァレラチーズの柔らかな白に映えて、とてもきれい。目にもおいしい前菜でした。今回はパトリックとシェアしましたが、これなら一人で一皿軽くいけちゃいます。いや、いっちゃいけないんですが。去年ここにきた時にイカのフリットを頼んで、あまりのおいしさにびっくりしたのですが、どうもこのレストランは揚げ物がとても上手なようです。イカのフリットも、ちょうどいい塩味が利いていて、衣はさくさく、中のイカはあくまでも柔らかで、タダモノの技ではありませんでした(笑)。アメリカでイカのフリットを頼むとだいたいマリナラ・ソースが付いてきますが、そんなもの付けなくっても十分いける味。こちらは通年メニューなので、ズッキーニの花を逃してしまったら、お試しあれ。
もう一つ頼んだ前菜、牛肉のカルパッチョは、新鮮なルッコラとこくのあるパルメザンチーズがごっそり載っていたのは嬉しかったものの、レモン汁の味がお肉の味を完全に消してしまっていて、ちょっと合格点はあげられませんでした。でもそれも、他が完璧だから目立ってしまう瑕疵、という程度のもの。D.O.C.では、ほぼ何を頼んでも外れはないと思います。涼しくなってきた夕刻、歩道に出したテーブルで湖からの風を感じつつ、おいしい前菜をつつき、ワインを飲んで、ちょっと酔いが回ってきた頃に出てくる熱々のピザを食べる幸せはシカゴの短い夏ならでは。自然光だと、写真もきれいに撮れるしね。
CTAのレッドラインの駅のあるアーガイル通りを挟んで南北に二ブロックほどの「新中華街」とかヴェトナミーズ・タウンかと呼ばれているあたりには、名前に違わずかなりの数の中国系やヴェトナム系、さらにはタイ系の食料品店が並んでいます。このあたりに来ると、いつもアーガイルのヴェト・ホア市場に行くのですが、いつも同じスーパーではつまらないので、今日はブロードウェイを南に一ブロックほど下がったところにあるモールの中のタイナム(大南)・フードマーケットを覗いてみました。このモール、駐車場の入り口に、中華街によくあるゴテゴテ門をちょっとトーンダウンした感じのアジアンな門を建てて、アジア系のモールだということを誇らかにアピールしていました。横浜の中華街にある門の、眼の回るような豪華絢爛さと比べると手も足も出ませんが、こういうのが一つあるだけで、なんだか楽しくなるのは観光客根性丸出しです。
レッドラインの車窓(って言うほど豪勢な電車じゃありませんが)から見えるタイナム市場はそんなに大きく見えないのですが、中に入ってみると意外と奥が深くて、怪しい缶詰や乾物をあれこれ手に取って見ているとすぐに一時間くらい経ってしまいます。中国製のスモークした牡蠣の缶詰とか、タイ製のお買得カニ缶(なんと一缶$1.65ですよ、奥さん)とか、妙なものを色々仕入れてきましたが、その中で笑ってしまったのがこちら。
ドリーム・アニマルズって...動物型の薄焼きクッキーになにやらアルファベットでCOWとかRABBITとか...これ、たべっ○どうぶつじゃありませんか!「ギンビス」って書いてあるし。バター風味とココナツ風味があって、思わず懐かしさのあまり二箱お買い上げ。(どうしても二箱欲しくて、すでにかごに入れていた、こちらも懐かしの味グリコのコロンを棚に戻した私...ケチなんだか、親の躾がよくできているんだか。)よく見ると、ココナツ風味のほうは動物たちがアロハシャツを着たり、ウクレレ弾いたりして、ちゃんとそこはかとなく南国な雰囲気のデザインになっています。なかなかやります、ギンビス。でも...家に帰ってしっかり箱を眺めて、また笑ってしまいました。
小さい頃からお勉強漬けのニッポンの伝統を守り(?)、アメリカ向けのビスケットの箱にもしっかり英語とフランス語もしくは英語とスペイン語のボキャブラリーが載っているではありませんか(笑)。パトリックが帰るのを待ちつつココナツ味でも試してみるか、と箱を開けてみて、さらに笑ったのは、中身の袋は日本語だったこと。マンガチックでかわいい動物の絵がちらほらある中に、「外国語教室」と題してPOLAR-BEAR......ほっきょくぐまなんて書いてあります。英語名の上には、ご丁寧にカタカナのルビ付き。でも、これを買ってもらったヴェトナム系アメリカ人の子供にしてみれば、POLAR-BEARよりもほっきょくぐまの方に発音記号がいりそうです。
ほらね。でも、ギンビスのサイトによると、ココナツ風味は日本では発売されていないみたいです。表面にココナツの細かいフレークがまぶしてあるのですが、ちょっと試食してみた(これも食べながら書いてます)感じでは、ココナツの風味はかなり抑えめ。バターの風味のほうが勝ってしまっています。もうちょっとココナツの味を強くしたら日本でも人気が出そうなのに、と思うのですが、余計なお世話かしらん。余計なお世話ですね。でも、シカゴのヴェトナム人向けのスーパー、なんていうとんでもないところで出会った輸出用包装のたべっ子どうぶつ、グルメじゃないけど、なんだかほっこりする味でした。これがあるから、エスニックスーパー巡りはやめられないのです。
Continue reading "ふと出会う、懐かしの味"近所のメキシカン・スーパーをうろうろしていて、いいものを見つけました。見ているだけで辛くなってきそうな、いろんな種類の巨大干し唐辛子が並ぶスパイスの棚にぶら下がっていた、干し海老を粉にしたもの(camarones molidos)です。前々から干し海老が欲しいなぁとは思っていたのですが、日本の桜えびはおいしいけれどその分高いし、チャイナタウンで売っている干し海老はにおいがきつくて閉口するので、結局そのままになっていたのです。でも、パッタイにぱらっと入れると断然味が違うし、煮物に入れても雰囲気が変わっていいよなぁ、とずっと思っていたのです。で、小さな一袋99セントという破格のお値段で見つけたメキシカン干し海老、早速買ってみました。この値段なら、おいしくなくっても心もフトコロも痛まないかな、と。その隣に、芝海老くらいはありそうなかなりのサイズの干し海老をその形のままゴロゴロと袋に入れたのも売っていましたが、こちらはちょっと使えそうにないのでパスしました。メキシコ料理に海老ってあまりイメージが湧きませんが、本場の人は何に使うんでしょうね。
こんなふうに、かなり細かい粉末になっています。(後ろにいる変なのは、我が家でDenturasaurusー入れ歯竜、と呼ばれているおもちゃです。)中華料理のダシにしてもおいしそうだし、ふろふき大根のお味噌に隠し味で混ぜてもいいかも、なんて思うと、それだけで楽しくなってきます。まずは、「ばーさんがじーさんに作る食卓」でいつぞや見かけた(ような気がする)エスニック風のチャーハンで試してみることにしました。
フライパンにごま油を熱し、みじん切りの生姜を炒めたところに、件の海老パウダーを大さじ一杯くらいたっぷり入れ、香りが出てくるまで炒めます。野菜は、冷蔵庫にあったありあわせのもので。今回は普通のよりも細くて繊細な感じの中国のセロリと、小ぶりのズッキーニのような感じの韓国の瓜を使いました。お昼ご飯だし、海老の風味のパワーに期待して、お肉類はなし。味付けは、鍋肌から入れたナンプラーと、お砂糖を小さじ一杯くらい、それに胡椒少々で、エスニックだけれどシンプルに行きました。最後にごまをぱらり。
他の味付けをシンプルにした分、海老の運んできた海の味が引き立ちました。思った通り、中華街の干し海老よりもマイルドな香りで、桜えびに比べるとちょっと物足りないですが、なかなかいける味です。どこからやって来たのか、なにやら柑橘系の爽やかな香りもして、ちょっとミステリアスなチャーハンになりました。二人分できた半分は、イカとキュウリの四川炒めとあわせて、パトリックがお弁当にして持っていきました。アメリカ人ばかりの職場で、風呂敷(?)包みを解いてお箸でお弁当を食べているパトリックを想像すると笑ってしまいます。
後で調べてみたところ、メキシコ人はこの干し海老粉を卵と合わせてトルタ・デ・カマロン(torta de camaron)というオムレツにしたりするそうです。カトリックの習慣で、ある祭日の前に一週間、お肉を食べてはいけない週があるそうなのですが、その時にこの干し海老が活躍するんだとか。干し海老入りのオムレツに、ぴりっと辛いサルサをかけ、さらにノパーレスというちょっとぬるっとするサボテンの若い実を合わせて...と聞くと、貧しい人が食べる料理とはいえ、なんだかおいしそうです。いずれ作ってみなくては。
----------------
追記です。絶対に「ばーさんが...」のところで見たはず、と思って検索したら、やっぱりそうでした。高山なおみさんのレシピだという「ゴーヤやきめし」。頭のどこかに引っかかっていたのを適当に再現したので、元のレシピとはだいぶ違うものになってしまいましたが、本家はこちらでした。
先々週パトリックと行ったH Martでちらりと見て以来頭の隅を離れなかったサンマを、とうとう昨日買ってきました。(パトリックと行った時は、ブランダーデを作った塩漬け鱈を買ったため、サンマはお預けだったのです。)日本で秋になると一匹39円なんかでどっと店頭に並ぶ、凶器になりそうなくらいピシッと新鮮なサンマに比べると一段も二段も(三段も?)落ちるサンマですが、郊外の日本スーパー(ミツワ)で売っているお目々どんより、お腹ぐにゅぐにゅのサンマに比べたらずっと新鮮そう。四匹入って三ドルくらいだったので、魚の高いシカゴにしてはお値段的にもなかなか。塩焼きに大根おろしの図を想像してにんまりしながら買ってしまいました。尾頭付き、内蔵入りなのに。
(以下、若干ホラー映画気味です。魚および五臓六腑の苦手な方は読まない方がいいかも。さすがに写真は撮りませんでしたが...笑。)
帰ってきてパックを開けると、やっぱりちょっと生臭いにおいがします。がっくりしつつも、これ以上鮮度が落ちる前に下処理をせねば、というわけで、三徳包丁ばかりでいつもは全く使わないごっついシェフズ・ナイフを持ち出して、いざ決戦。思い出してみれば、中学校の修学旅行で行った伊豆の漁村で鯵の開きを作って以来の、一匹物の魚との対決かもしれません。(渋い修学旅行だ、全く...。)東京で一人暮らしだった時も、買う魚はみんな切り身か開きばっかりだったし。とりあえず胸びれの下に包丁を入れて頭を落とし、それからお腹を開けばよかろう、という算段は良かったのだけれど、頭を落としたらそこから大量の血が噴出!まな板が見る見るうちに血の海に。たかがサンマ一匹にこんなに入ってるのか、と思うくらいの量で、さすがの無謀な私も若干引いてしまいました。
とはいえ、買ってしまったもんは食べるしかない。こんなことで怯んでいるわけには行きません。昔どこかの雑誌で読んだような読んでないような、曖昧な記憶を頼りにお尻の穴から包丁を入れ、首に向かって薄いお腹を裂いていきます。腹びれの固いところを避けてぎゅぎゅぎゅっと包丁を動かしていくと、あらら、首のところからなんか出てきた。この血色のいい感じは心臓かしら、などと観察していると気分は生物実験室。魚を扱うには手早さが命なのに、こんなのんびりしていてどうするんでしょう。やれやれ。
裂いたお腹から内蔵をこそげとって、キッチンペーパーを敷いたお皿の上に。これを四匹分やって、流水で洗ったら、結構な時間が経ってしまいました。包丁も研がないとまずい感じに。とは言っても、四匹全部塩焼きではつまらないし、やっている間になんだかその気になり血湧き肉踊ってきたので(え?)、二匹は三枚におろして南蛮漬けにすることにしました。なまくら包丁と、なまくらシェフで、ああ無謀の極み。三枚おろしにしたサンマ、元々のサイズの四分の一くらいになってしまいました。三枚おろしなら、一切れがもとの厚みの三分の一になる計算なのに...あれれ(爆)。でも、一匹を長さを半分にしておろすのを四切れ分やったら、ちょっとコツが分かってきました。背中から包丁を入れて、背骨にぶつかるまでは心持ち包丁を下向きに押す感じ、背骨に当たったらそれをくいっと上げて、背骨を超えたらまた斜め下にやると、あまりヒドいことにはならないようです。しかしこれはもう少し修行が必要。でも修行するとさらに魚が無駄になるしなぁ...悩むところです。
で、悪戦苦闘の末やっとできた八枚のサンマ君たちは、片栗粉がないのでコーンスターチをはたいて多めの油で揚げる感じで焼き、パプリカ、タマネギにセロリを刻んで作った甘酸っぱいたれに二十分ほど漬け込んで、何とか無事(?)南蛮漬けになりました。アー疲れた。でも、本当に久しぶりに食べたサンマの味は最高でした。イワシみたいな生臭い魚はちょっと苦手なパトリックも、「魚臭いけどおいしい」と言って食べてくれ、大団円。
と思いきや。食後、日が沈んで涼しくなったところを、近所のメキシカンのアイスクリームやで買ったアイスバーをかじりつつ湖まで散歩したんですが、その時に彼が一言。
「ゲップしたら、ココナッツアイスがサンマ風味だよ」ですって。
シカゴから車で一時間ちょっとのところにあるVoloという街に巨大アンティークモールがある、と聞き込んできて、ちょうどパトリックの持っているガタガタのダイニングテーブルの後釜を探しているところだったので、行ってきました。郊外に住んでいる私の母も誘って、もろアジア人の母娘に紅毛碧眼のパトリック、という妙なトリオで。(実はこの凸凹トリオでアラスカにも行っていたりします。母の参加に嫌な顔一つしないパトリックに、本当に感謝です。)日曜日は混むに違いない、ということで、朝八時に実家に集合し、実家の近くのウォーカーブラザーズ・パンケーキハウスで腹ごしらえ、そのままVoloに向かうことにしました。
ウォーカーブラザーズは、シカゴ北部に支店がいくつかあるパンケーキ専門店で、いつも朝は早くから家族連れで大盛況。それもそのはず、ここのパンケーキはチョコチップからブルーベリーまで、どれを食べてもふわふわで、ほんのり卵の味がして、おいしいんです。オムレツやクレープもありますが、ここのお勧めはなんと言ってもこのアップルパンケーキ。洗面器に入れて焼いたんじゃないの?というくらい巨大なパンケーキの中には甘酸っぱいリンゴがたっぷり、上にはシナモンの利いたカラメルソースがこれまたたっぷりかかっています。(カロリー高そ...)かなり分厚いのに、卵の優しい味のする生地はふんわりと軽くて、ついつい食べ過ぎてしまいます。今回は、このアップルパンケーキ以外にスモークしたハラペーニョ(チポトレ・チリ、と言います)がぴりりと辛いクリームソースのかかった鶏肉とピーマンのクレープと、たっぷりのほうれん草にポーチド・エッグの載ったものを頼んで、三人で分けました。アップルパンケーキを半分お持ち帰りにしましたが、やっぱりそれでも食べ過ぎ感は否めず(笑)。お腹がいっぱいになったところで、いざ北進です。
ウィスコンシンとイリノイを結ぶ州間高速(interstate)のI-94に乗ったほうが早いのは分かっていましたが、高速に乗ってしまうと景色のほうがつまらないので、今回は一般道で行きました。超のつくお金持ちが大挙して(?)住んでいるという噂のレイク・フォレストなどを過ぎ、一時間ほどのんびりとドライブしていくと、新興住宅地の間にぽつりぽつりとトウモロコシ畑が現れだしました。朝方の風に吹かれて揺れる葉っぱが涼しげです。そのあたりで120に乗り換え、今度はひたすら西へ。ここまで来ると時折背の高いサイロや大きな納屋のある農家があったりして、郊外のベッドタウンに浸食されつつはあっても、まだまだ田舎の雰囲気が残っていました。問題のアンティークモールも、その雰囲気を残して、昔の納屋を改装したらしき作りになっていました。
さてこのモール、大きいとは聞いていましたが、実際行ってみると、いやはや聞きしに勝る大きさでした。アンティークを売っている建物だけで三つ、それ以外に(私たちは行きませんでしたが)自動車博物館が併設されていて、さらに「アンティークというほど古くはないけど、でもコレクターアイテム」的なものを売っている建物がもう一つ。個人の骨董屋さんが棚やブースをひと月いくらで借り、そこに並べた商品をモールの従業員に委託して売るというシステムになっているようで、小さなものは指ぬきや香水瓶から大きなものはタンスやベッドまで、とにかく古めかしいものがこれでもかっっ!というくらいギッシリ並んでいました。おばあちゃんの家の押し入れのような、古いもの特有の匂いがして、ああ、この匂いって洋の東西を問わないんだなぁ、なんて妙に感じ入ってしまったりして。最初は面白がって見ていた私たちも、二つ目の建物の最初の数部屋を回ったあたりで疲れきってしまいました。とりあえずアイスティーを飲んで木陰で休憩し、眼をつけておいたものを数点買って、車に戻ると、それもそのはず、もう二時間以上もうろうろしていたのでした。
これは私の戦利品。小ぶりな急須と、お猪口より一回り大きいくらいの小さなお茶碗のセットです。ぼってり分厚い食器ばかりのアメリカで、日本風の薄い焼き物を見つけて嬉しくなって、急須の持ち手も掛けているし、蓋は行方不明だし、さらにはお茶碗の一つにひびも入っているのに、つい買ってしまいました。もともとこれでお茶を入れる気はないんです。お茶碗はソースを入れたり、ちょこっとおつまみを盛ったりするのに使うつもりで、こちらがメイン。急須のほうは、秋になったら菊でも飾ったら素敵かな、と思って。セットで$3.95というお買い得なお値段だったので、ほとんど考えずにお買い上げ。どんな料理とあわせようかと考える楽しみだけで、値段の元は十分取れそうなくらいです。
お茶碗を裏返すと、「九谷造」なんて怪しげな銘が入っていました。柄になった平安貴族の顔もなんだか微妙だし、ほんとに九谷かねぇ、と思いますが、字の形は漢字を知っている人が書いた感じです。九谷焼ではなくても、日本か中国で作られたものだろうな、と思います。いつ頃、どこで作られて、どんな経路でアメリカに来たんだろうと思うと、骨董品とは呼べないようなへなちょこアンティークでも、面白いですよね。母はと言うと、ほっこりした雰囲気のぶどうの模様のついたティーカップとソーサーのセットを二客、それにお揃いの砂糖つぼを買っていました。私の趣味からするとちょっと可愛らしすぎるけれど、母は嬉しそうだったので、一緒に行った甲斐があったというものです。あれだけ沢山あっても、これ!という物がなかなかありませんでしたが、だからこそ面白い物を見つけた時の嬉しさは倍増。ちょっと今は骨董はしばらくいいよ、という気分ですが、またしばらくしたら行ってみようと思います。
骨董疲れしたあとは、モールから車で二十分くらいのケトル・モレイン・ステートパーク(Kettle Moraine State Park)に行き、一周二マイルのループになったトレイルを、のんびりバードウォッチングをしながら散歩してきました。湿地帯を抜け、森に入り、今度は夏の花の咲き乱れる大草原をかすって、と変化のあるトレイルは小鳥の宝庫で、バードウォッチング大好きの母もパトリックも大喜びでした。インディゴ・バンティングやスカーレット・タネジャー、レッド・ヘッディッド・ウッドペッカーなど、見たことはあっても普段なかなかお目にかかれない小鳥がいるかと思えば、見たこともない色とりどりな小鳥も沢山いて、いつもはバードウォッチング狂とは言えない私も興奮してしまいました。湿地帯ではなんとビーバーまで目撃(なにやらものすごい水音を立てて、お昼ごはんの後を追っていました...笑)。野生のビーバーを見るなんて初めてです!
あっちで止まり、こっちで止まり、とのろのろ歩いていたら、たった二マイルのコースに一時間も掛かってしまい、駐車場に戻ってくるころには三人とも腹ぺこ。途中で見かけたカルヴァーズ(Culver's)というソフトクリームのおいしいファーストフード店で遅いお昼にしました。朝あんなにコッテリしたものを山ほど食べたのにお昼もこれではなぁ、と思いつつも、アメリカの田舎のこととて気の利いたものをちょこっと出してくれるようなお店は見つかるはずもなく、ファーストフードにしてはおいしいこのお店へ。もちろん、ソフトクリームも食べましたよ(爆)。
三人で一番小さいのを一つ買って分けたので、罪悪感も三分の一(なのか?)。カシューナッツの塩味が利いていて、アメリカ人の好きなスィート&ソルティーの絶妙な組み合わせで、結構おいしかったです。お腹は一杯だし、一日フルに稼働した疲れもあって、帰りの運転は睡魔との戦いでしたが、久しぶりに遠出して楽しかったぁ〜。
昨日行ったVoloのアンティークモールの話を書こうと思っていた今日。ところが、引っ越し目指していらない物を捨てるべくゴソゴソしていて、台所の引き出しでちょっとした物を見つけてしまったので、路線変更です。これもある意味アンティークだし...。アンティークモールもとても面白かったし、戦利品もあるので、いずれまた書きますね。
で、何を見つけたかというと、これ。サッポロビールの景品らしき、栓抜きです。たかが栓抜き、と言うなかれ。何しろここは日本から6000マイルは離れた異国の地、しかも所有者は正真正銘のアメリカ男児(最近パトリック=日本のおっさん疑惑はありますが...笑)。去年私と一緒に里帰り(?)した以外は日本に行ったこともないはずのパトリックが、いったい何故サッポロビールの栓抜きを持っているのやら。しかもこの栓抜き、かなり古そうなんです。昔おじいちゃんがこんな栓抜きでビール開けているのを見たような気がするんですが、ついているタグがまた古そう。片方は「リボンシトロン」なる清涼飲料水らしき名前に、そのPRキャラであると思われる大きなリボンをつけた女の子の絵がついていて、もう片方はサッポロラガーの缶のデザインになっているんですが、こんな缶見たことないぞ!というレトロなデザイン。一体いつごろの物なんだろう、と気になって、ちょっと調べてみました。
まずはこの「リボンシトロン」、私はてっきり昭和の頃に作られていてもう何年も作られていないような物かと思いましたが、なんとびっくり今でも売っているそうです。もっとびっくりなのは、その歴史の古さ。明治42年に、健康飲料として初めて製造されたんだそうです。確かにその頃のヨーロッパでは、温泉地などの自然に二酸化炭素を含む水を健康のために飲んでいた、と聞いたことがありますが、まさか明治時代の日本に炭酸の入ったソーダを売っていたとは思いもしませんでした。なんともハイカラではありませんか。
栓抜きのタグについていた女の子(リボンちゃん、というらしい)は、昭和32年に広告用に採用されたそうです。このディック・ブルーナの絵を彷彿とさせるリボンちゃん、最近になって広告に復活したそうなので、日本にお住まいの方はご存知かもしれませんね。ニュージーランドでその当時放映されていたアニメのキャラクターを少し改良した、ということですが、今そんなことをしたら早速著作権の侵害で訴えられてしまいそうです。のどかな時代だったんですね。このリボンちゃんがタグについているということは、問題の栓抜きが作られたのは昭和32年以降、ということになります。もう少し年代を絞れないかな、ということで、もう片方のビール缶のデザインの方も調べてみました。(グリーンカードを申請中の関係で労働許可のない私、時間だけはたっぷりあるんです...涙)
真っ赤な北極星に、金色のS字カーブが缶全体を青と白に二分するなんとも昭和モダンな感じのデザインは、母の古〜い料理本の広告ページに出てきそうな雰囲気ですが、なんと高名なアメリカの工業デザイナー、ウォルター・ロンドー氏がデザインした物なんだそうです。(日本航空のマークや、WWFのパンダのマーク、さらにはセヴン・アップの缶やケロッグのコーンフレークの箱などをデザインしたのもロンドー氏です。どうやら、ブランド認識と商品デザインを戦略的にリンクさせるというアイディアの先駆者だったらしいです。)それまで瓶しかなかったサッポロビールが、缶入りを採用したのは1959年。初期の缶にはプルタブがついていなくて、ビールを飲むには缶切りで二カ所に穴を開け、コップに注いで飲んでいたなんて、知りませんでした。よく見ると、栓抜きのタグの缶にもプルタブがありません。オリジナルの缶のようです。と、言うことは、この栓抜きはプルタブ缶が導入された1965年以前のもの、という可能性が高そう。
そんな、少なくとも40年以上も前の日本の栓抜きがどうしてアメリカにあるのかは依然謎なのですが、一番怪しいのはパトリックのおばあちゃん。若い頃にお掃除サービスで働いていたという彼女、顧客にもらったという妙な物をたくさんパトリックに遺しているのです。タイ製の、先に小さな仏陀の座像がついたカトラリーのセットとか、像を載せても壊れないくらい頑丈な、とんでもないオレンジ色の机とか。なぜか使い込んで茶色くなったササラまであって、付き合いだした当初にこれを見つけたときは笑ってしまいました。くれる方もくれる方だけれど、使いもしないのにとっておく方もとっておく方だな、と。でも、こんな妙にアジアンな物たちを遺していったパトリックのおばあちゃんなら、ひょっとしてサッポロの景品の栓抜きを持っていても不思議はないかも、と思うのです。だいたいそんな昔にサッポロビールがアメリカに輸出されていた、なんて話も聞かないし...。
ともあれ、なんだかおばあちゃんの、今は取り壊されてしまった家の狭い四畳半に鎮座していた古い安物の茶箪笥を久々に思い出させてくれたこの栓抜き(その茶箪笥の二段目の引き出しに、おじいちゃんの栓抜きが入っていたはず)、必要度は限りなく低いけれど、捨てられません。いつもパトリックがしょーもない物を捨てないのでカッカしているのに、これに関しては私がpack rat化。(ネズミが巣の中に食料を溜め込むように、家の中にどんどん物が溜まっていく人のことをアメリカではこう呼びます。なんだか微妙に可愛いイメージですよね。)この栓抜き、せっかくレトロな可愛いタグもついているし、なんとか飾れる方法を探してみるかな...。
いつになく活動的に過ごした今週末の幕開けは、リンカーンパークで開かれるファーマーズマーケットでした。早起きして、ミシガン湖沿いの自転車道を自転車で...とも考えていたのですが、起きてみるとあまりにも風が強く、この計画は断念。シャワーを浴びて車に乗り込み、一路南へ。いつもはマーケットに出ているパン屋さんでパンを買ったり、その場で焼いてくれるクレープを買ったりして朝ゴハンにするのですが、そうすると駐車料金が四ドルですむ一時間以内に全部済ませなければ、といつもバタバタしてしまうので、今回はマーケットでの朝食はパス。(ファーマーズマーケットの主催者のブースで駐車券にハンコを押してもらうと、最初の一時間が本来12ドルのところ4ドルにおまけしてくれるのです。それは嬉しいのだけれど、かなり大きなマーケットをゆっくり見ていると一時間くらいすぐに経ってしまい、いつも焦ってしまうノロマな私たちなのです。)
つい二週間ほど前に初物が出たと思ったのに、もう「今シーズン最後だよ!」と農家のおじさんが声を張り上げるサクランボ。日本にアメリカンチェリーとして出回っているものは一種類しかありませんが、ファーマーズマーケットに来ると本当にいろんな種類があります。透き通ったルビーのようにきれいで、触ったら弾けてしまいそうに柔らかい、製菓用のサクランボがあるかと思えば、深い紫の身の締まったものがあり、その隣には、こんな佐藤錦みたいな斑のも。大きな生産者になると七種類くらい、みんな違ったサクランボをどっさり並べて、食べ比べさせてくれたりします。スーパーに行くと夏の間は常にサクランボが手に入るので、旬が一月ほどしかないことにも気付かずに通り過ぎてしまいそうですが、本当はとっても貴重なものなんですね。チェリーパイとクラフティの成功に気を良くして、もう一山買って、パトリックと二人でせっせとタネを取り(これが大変)、冷凍にしました。
こちらは、朝採りのインゲン。淡い翡翠の緑に朝の陽が透けてとってもきれいで、つい巨大なかごに一杯買ってしまいました。夕方になってヘタを取ろうと触っていて気付いたのが、何とも繊細な産毛。スーパーで買った、何千マイルもの旅をしてきたインゲンではこうは行かない、とまた感心。朝採ってすぐにマーケットに出すからこそ、の新鮮さなのです。きゅうりのトゲトゲが新鮮さの印なのと同じですね。ぴん!と立ったしっぽも凄いでしょ。
こちらも、今が旬真っ盛りのスクワッシュ。どこの農家でも、山のように積み上げて一本50セントなんかで売っています。私はそんなにスクワッシュ好きではないのですが、パトリックがスクワッシュを見ると興奮するので(イヤ、そういう意味じゃなくて...笑)、時々買ってきて、グリルにしたりラタトゥイユにしたりします。そんなにおいしいもんでもないと思うんだけど...ズッキーニとどこが違うのかよくわかりません(笑)。いずれ、韓国カボチャの代わりにサマー・スクワッシュを使ってナムルを作ってみようかな、とも思っています。
旬の過ぎるものがあれば、新たに旬になるものがあるのが自然の巡り。そろそろ季節も終わりのサクランボや、もはや全く見かけないアスパラに代わってこの時期登場するのが、「フィンガーリング・ポテト」という小さくて細長いじゃがいもたち。大規模な農業会社は見向きもしない品種ばかりですが、色から歯触りまでそれぞれに個性があって、味もそんじょそこらのじゃがいもとは比べ物にならないくらい濃くて、とてもおいしいじゃがいもです。(しかも可愛い!)今回は濃い紫のパープル・ペルヴィアン、淡い赤のフレンチ、それに黄色い実に薄茶色の皮のロシアンなどを取り混ぜて買ってみました。(一ポンド四ドルなので、一キロ百円弱くらいです。)とにかく色がきれいなので、薄切りにしてバターでソテーしても、サラダにしても、プレゼンテーションのインパクトは最高。それ自体でおいしいし、見た目は良いし、へなちょこシェフにはもってこいのじゃがいもです。
じゃがいもの隣にあるのは「ファイアリー・フュリー(炎のごとく燃え盛る怒り)」という何とも物騒な名前の桃。この桃、赤みの強い皮の色からついたという名前は凄まじいですが、ごりごり固くて何の味もしないような桃ばかりのアメリカ中西部で、ひょっとしたら一番おいしい桃かも知れません。皮を剥いていると肘まで果汁が伝ってしまうくらいジューシーで、しっかり桃の味がして、一昨年この桃を買って以来、うちでは他の桃に文字通り全く食指が動きません。グリーンシティ・マーケットに行くことがあったら、ぜひ試してみてください。マーケットの南東の角(ダウンタウン側の湖に近い側)に、いつもお店を出している農家の人たちが売っています。
両親の家の裏庭に生えている青リンゴが熟すのはまだまだ三ヶ月くらい先、母の誕生日の頃の話ですが、ファーマーズマーケットにはもう気の早いリンゴが少し出ていました。この間もちょっと触れたバーバラ・キングソルヴァーのAnimal, Vegetable, Miracleに、トマト農家の話として、「夏中トマトを食べていた消費者は十月まで収穫できる遅いトマトに高いお金を出そうとはしないけれど、長い冬のあと、四月の終わりに取れる早いトマトには二ドルでも三ドルでも余分に払ってくれる。消費者が新鮮な野菜を待ちこがれている時にそれを提供するのが、利益率を高めるには一番」ということが出ていましたが、野菜でも果物でも、農家同士で競争なのでしょうね。
そんな、ファーマーズマーケットに行った日の、野菜たっぷりの夕飯です(残り物も入ってますが...汗)。てっぺんが、ルッコラと新タマネギのサラダ。真ん中は言わずと知れた夏の味、とうもろこし。パトリックが皮を剥いてホヨホヨの毛を取ってくれたのをさっと茹でて、フライパンで空焼き。バター醤油で香ばしく。下の左側は、いつぞやの残りのラタトゥイユにクミン、カルダモン、マスタードシードを加えてカレー風味にしたものに、ソテーした鶏肉をあわせて。右側は瑞々しいインゲンをベーコンの油で炒めたもの。新タマネギも少し入っています。ダウンタウンにあるベーカリーカフェ・チェーンのAu Bon Painのサラダバーにあるインゲンのサラダをまねして、スライスしたアーモンドも少し。ほとんど野菜ばっかりだったけれど、満足感があるのはやっぱり一つ一つの素材がおいしいから。トウモロコシにはこれがないとね、ということでビールも飲みました。あ〜幸せ、な夏の夜。
昨日うまくできなかった塩漬け鱈のブランダーデ、再生ミッションは成功裡に終わりました。北欧の、じゃがいもとイワシに似た青魚を重ね、生クリームとチーズをかけてオーブンで焼く「ヤンソンの誘惑」という料理を真似て、ゆでて粉ふきいもにしたじゃがいもと、昨日の似非ブランダーデを三層に重ね、プランターで瀕死の状態のローズマリーから血も涙もなく毟ってきた(笑)葉っぱをぱらり、さらに魚の臭み消しのためにガーリックパウダーもぱらり、さらにさらに冷蔵庫の奥で眠っていたパルメザンチーズもぱらり。雲突くような高カロリーのなんちゃってヤンソンの誘惑完成です。
本当は、仕事から帰ってきたパトリックと二人で、ミシガン湖のビーチまでひとっ走りしてピクニックにしようと思っていたのです。冷蔵庫で冷やしたラタトゥイユに、これもしっかり冷やしたシャブリを一本、それにこのヤンソンの誘惑があれば、なんだかリッチなピクニックじゃない、という私の目論見はしかし、「ビーチで飲酒禁止」というなんとも無粋なパークディストリクトの方針により、もろくも崩れ去ったのでした。あーあ。
1930年代には禁酒法まで制定してしまったような国なので分からなくもないですが、アメリカって意外と飲酒に関してはうるさいのです。ビールかっ喰らってバーベキューするのがお国柄かと思いきや、建国当初のピューリタン的なところはアルコールを巡る法制度の中に健在。未成年の飲酒に関しては、見て見ぬ振りの(っていうか、ある意味大人が後押ししちゃうような)日本とは比べ物にならないくらい厳しいんです。他にも、公共の場所でお酒飲んじゃだめ、とか、町によっては日曜日にはお酒買えません、とか(安息日に飲酒とは何事か、ということらしいです)。満開の桜の下とか、ススキのゆれる満月の下とかで宴会なんかしちゃう日本人からすると、ちょっと寂しいんですよね、こういうの。公園の近所に住んでいる人にとっては、怪しい男どもが集まって、酔っぱらってわいわい騒がれては困る、というのは分からないでもないですが...なんせ、普通の人が鉄砲持っていたりする国ですから、酔っぱらってそんな物振り回されちゃ大変ですよね。
で、仕方なくビーチで飲んだくれ乾杯計画は中止(飲んだくれって...私はグラス一杯以上飲めないし、パトリックはいくら飲んでも酔っぱらわないので、飲んだくれにはなかなかなれない二人なんですがね)。裏階段の踊り場に椅子と折りたたみ式の小さなテーブルを持ち出して、気分だけピクニックにしました。(背景はアパートの外壁...)
参考までに、ブランダーデの作り方です。この量で、上に書いたヤンソンの誘惑もどきが二人分強できます。
塩漬けの鱈は、冷たい水を時々換えながら、冷蔵庫で24時間以上戻します。鱈によって塩気も乾燥度合いも違うので、ちょうど良い頃合いを見るには、端っこを切って焼いて食べてみるしかないそうですが、私はめんどくさいので一晩と二日戻してそのまま使ってしまいました。鱈が戻ったら、お湯を沸かし、8分ほど茹でて、ざるに揚げて水気を切っておきます。別のお鍋にオリーブオイルを入れ、煙が出てくるまで熱します。細かく裂いた鱈をこの鍋に入れ、木か竹のスプーンなどでせっせと鱈の身を崩します。最初の数十秒は油がはねますが、そのあとは落ち着くはず。手で崩すだけでは大変なので、スティック式のミキサーを使ってもOKです。鱈の身がだいたい細かくなったら、今度は暖めておいた牛乳を少しずつ加え、オリーブオイルと乳化させます。レシピによってはじゃがいもを入れたり、ニンニクで香りをつけたりするようですが、私が参考にしたレシピは本当にこれだけ。昨日も書いた通り、レストランで食べたブランダーデのようにはクリーミーになりませんでしたが、ヤンソンの誘惑風のグラタンにして食べる分にはこれで十分以上でした。
ちなみにワタクシ式似非ヤンソンの誘惑は、と言いますと...
じゃがいもは3ミリほどの薄切りにして、塩ゆでにする。耐熱容器に、茹でて水気を切ったじゃがいもとブランダーデを交互に重ね、最後にパルメザンチーズ、ガーリックパウダー、それにローズマリーのみじん切りをたっぷり振って、180度(華氏なら350度)のオーブンで焦げ目がつくまで焼く。出来損ないブランダーデが手元になければ作りたくないような、コロッケ並みに手のかかるレシピですが、出来上がったジョンソンの誘惑(アメリカで作った偽ヤンソンの誘惑、ということで...笑)はかなり満足度高し。ほくほくのじゃがいもに塩漬けの鱈の旨味と牛乳のコクが加わり、さらにローズマリーとガーリックが利いて、なんだか心の底からほっとする味になりました。ヨーロッパの田舎のおっかさんが作ってくれそうな料理です。幸い今日は風もあって、そんなに気温も高くない爽やかな日だったので、きーんと冷やした白ワインと一緒においしくいただきました。
ゆっくりと西の空に広がっていく夕暮れの黄金色、南のほうにむくむくと湧き立つ入道雲。近所の家の庭にそびえる大木たちの葉摺れの音を聞きながら舌鼓を打っていると、すぐそばの電線に喉の赤いハウスフィンチのつがいが来て、ひとしきり鳴き交わしてから飛んでいきました。なんて贅沢な時間だろう、と、酔いの回った頭で思います。大事な人と、おいしいものを分け合い、同じ景色を見て感動できるって、素晴らしく幸せなこと。(全く、こんな歯の浮くようなこと書いちゃって、まだちょっと酔っぱらってるかな...でもほんとのことですよね。笑)
先週の土曜日、南支部と合流してRatatouille観てきました。(これ、日本では「レミーのおいしいレストラン」っていうんですね。小林レミさん関係の映画かと思いましたよ、私は。) 主人公のねずみは可愛いし、料理はおいしそうだし、とにかく画面の隅々まで凝ってるし、これはDVD購入決定です。って、観る前から決定していたという噂も...。
で、そんな映画を観てしまったせいで、ラタトゥイユが作りたくなってしまい、夏野菜をごっそり買い込んできました。ズッキーニみたいなサマー・スクワッシュに、ちょっと瓢箪型のイエロー・スクワッシュ、ミニトマト、茄子、それにオレンジ色のパプリカ。まな板の上にカラフルな野菜が並ぶだけで、灰色の冬が何ヶ月も続くシカゴ難民はうきうきしてしまいます。今日の夕飯は、このラタトゥイユを冷たく冷やして、それに塩漬けの鱈を使ったブランダーデ、あとは田舎風のパンで良いかな、っと。
って、え?これカレーじゃないの?
そうなんです。ブランダーデがうまくいかず、急遽ラタトゥイユの一部をカレーに変更。ブランダーデというのは、この前ダウンタウンのAvecで食べて以来作ってみたかった、フランスのディップのようなもの。一日以上掛けて塩抜きした塩漬けの鱈を、たっぷりのオリーブオイルの中で滑らかになるまで潰し、そこに牛乳を少しずつ加えて作るという恐怖の高カロリー食品なのですが、どうも頑固な鱈君が滑らかになってくれない。最初は竹べらでゴンゴンやっていたのですが埒があかないのでバーミックスまで持ち出し、それでもなんだか繊維が残った感じで、お店で食べたようなリッチで滑らかなクリーム状にはなりそうもありません。うーむ。塩胡椒をしたら味のほうは何とかしまりましたが、これはちとメインディッシュにはならないかも...。で、仕方なく路線変更。冷蔵庫にあった豚挽き肉の残りを炒めて、ラタトゥイユの一部を足し、そこに水とカレールウを入れて、おしゃれなフランス田舎料理が何とも地に足のついた日本のオッカサンの味に華麗なる(?)変貌。あーあ。
とは言うものの、カレー大好きパトリックは「今日カレーだよ」と言ったら非常に嬉しそうでした。紅毛碧眼で毛むくじゃらで、立派なアメリカ人のふりしてるけど、ひょっとして君、本当は日本のおっさんなんじゃないの?この間は「煮物は煮返した二日目がおいしい」とか言ってたし。最近はサラダもお箸で食べてるし。ま、こうやってだんだん日本人化していくパトリックを見ていると、余計に愛おしくなってしまったりするわけですが...。次なるゴールは、椅子の上であぐらをかいて新聞読みながら朝ごはん、かな(笑)。
使えなかったブランダーデは、今日じゃがいもと合わせてグラタンにでもしてみます。北欧の「ヤンソンの誘惑」という面白い名前のグラタン風の料理に使えそうなので。なんとか食べられるようになれば良いんだけど。
先々週の土曜日にグリーンシティ・マーケットでごっそり買い込んで冷凍してあったタート・チェリー(製菓用の酸っぱいサクランボ)で、サクランボのクラフティを作りました。日本でならそのへんのスーパーでも手に入るアーモンドプードルが見つからなくて、スライスしたアーモンドを包丁で細かく刻み、さらにはすり鉢まで持ち出してアーモンド粉から手作りする羽目になってしまいましたが、努力の甲斐あって(?)かなりおいしくできたので満足です。(考えてみれば、一山あったサクランボの種を取るのも一仕事だった...)
レシピは、私の苦手なチマチマした作業がないのにびっくりするほどおいしくできるものが多い「男の料理」の土屋敦さんのもの。(前に作ってみて今や我が家の定番になった豚バラのトウチ蒸しも土屋さんのだったな、と思い出して彼の名前で検索したら、なんと258ものレシピが出てきました。この人、凄い!)もとのレシピは「低脂肪で体に優しい」という名前の通り、生クリームの入らないレシピになっていますが、どうせ食べるんならリッチでおいしいのを少しだけ、が信条の私は、牛乳250mlのうち100mlを生クリームに変更。桃はサクランボに変更。
サクランボのクラフティ(直径25cmの型1個分)
恥ずかしながら果物を冷凍したのって初めてだったのですが、お菓子にしてしまうんなら全く問題ないことが分かりました。つい一昨日まで読んでいたバーバラ・キングソルヴァーのAnimal, Vegetable, Miracleに、夏の収穫期に冷凍しておいた野菜や果物で冬を乗り切る、という話が出てきて、昔母が生協でよく買っていた水っぽいスポンジみたいなミックスヴェジタブルなんかを思い出してゲンナリしていたんですが、同じ冷凍でも使い方によってはちゃんとおいしく食べられるですね。
キングソルヴァーの本は、半径百マイル以内でとれる地元の食材だけで一年間暮らしてみよう、という実験の記録。最近アメリカで関心の高いlocavore運動の一端を担っている本です。巨大企業がその大半をコントロールするアメリカの食、そのひずみが輸送における石油依存、肥満や消えゆく家族経営の農場、さらには化学肥料による土壌破壊といった形で表面化している昨今、地元の農家をサポートしつつ、かつ新鮮で安全な農産物を食べよう、というlocavore運動には、うなずけるところも沢山あります。近所のファーマーズマーケットで野菜を買う以上のことが、実際私たちにどこまで実践できるかは別として、どこで取れた何を食べるかは、社会的かつ倫理的な選択である、というキングソルヴァーの考え方にははっとさせられました。サクランボのクラフティも、なぁ〜んにも考えずにおいしい、おいしいって食べていてはイカンのですね。
日本の料理ブログ界では人気者とお見受けするzazamaruさんの迷わず並べよ食べれば分かるさにあったベーコンごはんがおいしそうだったので、やってみました。ちょうど先週Whole Foodsで買ってきた胡椒たっぷりのベーコンが冷蔵庫に眠っていたのでこれ幸い。オリジナルのレシピではなんと炊きたてのご飯に生(?)のベーコンをそのまま混ぜてしまうのですが、さすがにそれはちょっと怖かったので、炊き込みごはんにしました。しかも炊き込む前に油を落とすべくベーコンを空焼き。どうせレシピ通りにしないんなら、ええい、ままよ、中途半端に残ったゴボウのしっぽも入れちゃえ、というわけで、出来上がるころにはオリジナルからは程遠いものになってしまいましたが、ベーコンの旨味たっぷりの油に胡椒、お醤油の焦げた香ばしさとゴボウの土臭い甘みで、かなりいける炊き込みご飯になりました。
仕上げに葱も混ぜてみたけれど、やっぱりちょっと沢山食べるとしつこかったかも(小どんぶり一杯は多過ぎ?)。ばりばりアメリカ人のパトリックはおいしいおいしいって食べていたけれど、これは改良の余地あり、です。うぅむ。でもベーコンのスモーク&豚々しい味に合うさっぱり系の材料って思いつかないなぁ...
杉浦日向子のそば道楽本を読んでいたら、そば屋の酒のつまみに「焼き味噌」というのがたくさん出てきました。なんか塩っぱそうだけど、香ばしくておいしいかも...。だいたいそば屋がお酒を飲むところだということすら知らなかった無学なワタシ、しゃもじに塗って炭火で焼いた焼き味噌とか、合鴨の炙ったのとか、出汁たっぷりの卵焼きに大根おろしとか聞いてはもうヨダレが止まりません。あ〜あ、日本にいる間に知ってたらなぁ、と後悔してももう後の祭り。食べてみたかったら自分でつくるっきゃない。で、やってみました、焼き味噌。アルミホイルにお味噌を塗り付けて(しかもバターナイフで...汗)、トースターにポン。端っこがいい具合に焦げてくるころには、お味噌のコクが凝縮されたようないいにおいが漂ってきます。期待は膨らむばかり。ところが。やっぱりしょっぱい。う〜ん、これはちょっとこのままでは食べられない。このお味噌全部消費するほど日本酒飲んだら、ワタシは天国行きです。
で、考えました。焼き味噌...焼き味噌...そうだ!冷や汁!食べたことないんですけど、宮崎名物冷や汁って、確か焼いたお味噌と干物に香味野菜どっさり、それにきゅうりかなんか入っていたような。さっき買ったばかりのきゅうりがあるし、やってみようかな。でもゴハンに冷たい味噌汁掛けるってちょっと腰が引ける...のは私が宮崎県民じゃないからでしょうが、なんかちょっと怖い。ええい、そういうことなら汁なし冷や汁じゃ、ということで、きゅうりの即席・汁なし冷や汁、でございます。純粋冷や汁党の方には眉をひそめられそうですが、おいしかったです、これ。
きゅうりの即席冷や汁(二人分)
お味噌は、アルミホイルに塗り付けてオーブントースターで焦げ目をつけます。お味噌が焼ける間にきゅうりを1ミリくらいの薄切りにし、ジップロックの袋に入れて昆布茶で軽くもんでおきます。塩の代わりに昆布茶を使うのは、冷や汁に海の香りをプラスする干物も出汁も使っていないから。胡麻はすり鉢で摺っておきます。お味噌が焼けたら、すり鉢に移して胡麻と一緒に少し摺り、きゅうりの入ったジップロックに投入。生姜も入れて、全体を一混ぜ、一揉みし、冷蔵庫で十分ほど冷やしたら出来上がり。
お味噌とごまのコク、昆布茶の旨味、それにさっぱりした生姜の香りで、簡単なのにすごくおいしい偽冷や汁になりました。夏の夕飯にぴったり。先日も作った明太スパをパトリック用にもう一度作り、それとあわせて簡単に夕飯にしました(あ、あとビールも)。あ〜ニッポンの味。和らぎます。冷や汁の作り方は、宮崎の海産物を扱っている「くま屋」さんの作り方を参考にしました。干物やらちりめんじゃこやら、みんなおいしそうで、日本にいたらお取り寄せしてしまいそうです。
なんだか本日、この方のブログを読んでいたためか、口調がちょっとベランメエ。
今更何も真新しいものではありませんが、明太子スパを作りました。どこかのブログでどなたかが作っていたのを見て、ムラムラと食べたくなって(笑)。日本にいた頃は、明太子スパなんて滅多に食べなかったのに、シカゴに来て「外では食べられない!」と思うと、なんだか無性においしそうに思えてしまういい加減な私です。ちょうど韓国スーパー(いつものH Mart)で買った不揃い明太子が冷凍庫に入っていたので、それを使いました。明太子って、そもそも韓国が発祥の地だったんですね。Wikipediaによれば、江戸時代には韓国から少量ですが輸入していたとか。戦後になって、韓国から引き上げてきた人たちが、韓国で慣れ親しんだ庶民の味を日本人向けに改良して売り出したのが、日本製明太子の発祥なんだそうです。韓国からはフェリーですぐの福岡が明太子の大生産地なのもうなずけますよね。
ともあれ。明太スパ、久しぶりに食べて涙が出るほどおいしかったです。スパゲティーを茹でて、バターと生の明太子を絡め、お醤油をちょっと垂らしたところにのりと紫蘇を刻んで載せるだけなのに、何ともまろやかかつ複雑な味。これってこんなにおいしいものだったっけ、とか思ったりして。パトリックにも作ってあげなくちゃ。(お昼に作って一人で食べたので...笑)
シカゴ市内の北西にあたるアルバニーパークは、私の地元ロジャースパークに似て、様々な民族の人たちが混在する地域です。アルバニーパークの北部を東西に横切るローレンス・アベニュー(Lawrence)は、そんな他民族な地域を反映して、まるで国連の代表団みたい。イラン料理店から数軒おいてメキシコのスーパーマーケットがあり、そこからもう少し行くとグアテマラのパン屋さん、さらに西に向かうと中華料理店、はたまたお隣は韓国の食器店、という具合に、とにかくいろんな国のことどもが雑多に混在しています。ロジャースパークと違うのは、「混在」という点。ロジャースパークでは、だいたい民族ごとに居住区域が何となく分かれているのですが、アルバニーパークではみんな一緒くたに住んでいる、という感じ。ロジャースパークほど詳しく知っているわけではないので間違っているかもしれませんが、通りを歩いている限りではそんな感じがします。
お店を覗いて歩くだけでも面白いローレンスから、ケズィー(Kedzie)沿いに南に一ブロックほど下がったところに、最近になってとてもおいしいレバノンのベーカリーを見つけました。緑の日よけが目印のこのお店、ベーカリーと食料品店、さらにはちょっとしたレストランまで兼業しています。薄暗い店内には、スパイスやオリーブ、フェタチーズ、ブドウの葉っぱやセモリナ粉など、中近東の食材がぎっしり。粉ものなどは直接輸入しているらしく、誇りっぽい棚にお店の名前のついた袋が山のようになっています。胡麻の粉を固めてナッツやチョコレートを足した、香ばしいハルヴァなど、包装済みのお菓子も色々ありました。奥のカウンターでは、イスラム教の戒律(ザビハ・ハラル、と言うそうです)に従って屠殺したラムや牛肉なども売っています。日本にいたころには、ユダヤ教やイスラムに屠殺の仕方の決まりがあるなんて知りませんでした。何も進歩していない(汗)ようで、多文化国家アメリカで学んだことも結構あるんだな、と思ったりして。
さて、お目当てのベーカリーカウンターは、通りからすぐ見える窓側。年季の入った大きな鉄のオーブンが、これ見よがし(?)に飾ってある、その隣に、ガラスのショーケースが二つ並んでいます。ベーカリーと言っても、ここアル・カイヤーム(Al-Khyam Bakery & Grocery)はパンよりもお菓子が主流。中近東のお菓子というと、ごく薄く、パリパリに焼いたパイ皮のような「ファイロ」と呼ばれるタネ(philo dough)を使ったものが有名ですが、アル・カイヤームにも沢山の種類が揃っています。シカゴではよく見かける、ファイロ生地とはちみつ、クルミやピスタチオなどのナッツ類を層にして重ねたバクラヴァから、同じ形で中身をカスタード風のクリームに変えたもの、さらに春雨のように細く切ったファイロ生地でナッツやドライフルーツをくるんだものなど、とにかく色々あって目移りしてしまいます。
そんな中で私が気になったのが、巨大なアルミのお皿に載った巨大パンケーキのようなもの。カウンターの後ろのおじさんに「あれは何?」と聞くと、拙い英語で「クナフェ、と言うんだよ。中にチーズが入ってて、蜂蜜がかかってるんだ」と教えてくれました。英語のほうのブログに書くためにスペルを聞いたら、「フランス語なら分かるけど、英語ではどう書くのか分からん」とのこと。私はフランス語がだめだし、こりゃお手上げ、というわけで、家に帰ってからせっせとGoogleして、なんとかそれらしきもの(knafe)を見つけました。それによると、レバノン特産のフレッシュチーズを台にして、セモリナ粉がベースの生地を上に流して焼いたものに蜂蜜をたっぷり含ませたお菓子、とのこと。実際食べてみると、もっちりしたチーズにセモリナ粉の香ばしさがぴったりで、なかなかおいしかったです。蜂蜜に爽やかな、ほとんどレモンみたいな、花の香りがするのにもびっくり。かなり甘いし、乳製品なのでたっぷり食べたいものではありませんが、濃く入れたコーヒーに合わせてほんの少し食べたら、おいしそう。(<--早く食べてみたくてコーヒーも入れなかった人、だ〜れだ)写真の左側に移っているのがそれです。右側は、カスタード風クリームのバクラヴァ(カウンターのおじさん曰く、バクラヴァとは呼ばないそうなのですが、名前を聞くのを忘れました)。
「おいしいレバノンの焼き菓子はフランス菓子にも劣らない」と言う人がいますが、これが本当にそうだな、と思わされたのが、このレバノン版バタークッキー。グライビ(grhybe)、とかゴライビ(ghoraibi)、とかいう名前のこのクッキー、外側は文字通り、口に入れたらその瞬間にほの甘い後味だけを残して溶けてしまうような繊細な生地でできています。内側には、もう少しかりかりと歯ごたえのある、ナッツをベースにした(らしき)生地で、ナッツの香ばしさがとろける甘さと合って、もう最高。カウンターのおじさんに「あれは何?」と指差して聞いたら、一つを二つに割って試食用にくれたのですが、パトリックも私も、一口食べて顔を見合わせて唸ってしまうくらいのおいしさでした。早速6個、お買い上げ。スペインだったか、ヨーロッパのどこかのお菓子で、同じような柔らかい繊細な生地で細かく砕いたアーモンドをくるんだスノードロップクッキーというのがありますが、それに近い感じでした。こちらはしっかり、コーヒーを入れてゆっくり味わいました(笑)。しばらくは日持ちするし、上に載ったピスタチオが剥がれてくる以外はかなり丈夫なので、日本へのお土産にも良いかも。アル・カイヤームでは常に大きな(小学校の机サイズの)トレーに一杯焼いてあるので、急に行って買い占めても大丈夫(なはず)です。
----------------
Al-Khyam Bakery and Grocery
4746 N. Kedzie Ave., Chicago, IL
773.583.3099
CTAのブラウン・ラインの、ケズィー駅から北に向かって徒歩一分の左側です。
今はだいぶ角が取れてきました(?)が、私が子供の頃、うちの母は反ファーストフードの権化でした。そんなわけで、「あんなものは体に悪い!」と息巻く母を説き伏せてごくたまに連れて行ってもらったマクドナルドのハンバーガーや、KFCのフライドチキンなどは、私の中では「ごちそう」のステータスを占めていました。「ファーストフードが世界を食い尽くす」やOmnivore's Dilemmaを読んでファーストフードがアメリカのみならず世界の食文化や農業にいかに壊滅的な影響を与えてきたかを憂えている今から思えば笑ってしまいますが、子供の味覚って油と砂糖には弱いんですよね。
...と、偉そうに書いてはみたものの、実は二十ウン歳の今になってもたまに食べたくなるんですよね、スパイシーなフライドチキンとか、出所の怪しいハンバーガーとか。マクドナルドやKFCに行ってもいいんですが、アメリカにはローカルチェーンのファーストフード店が色々あって、全国(もしくは国際)チェーンのファーストフードよりかなりおいしかったりします。そんな中の一つが、ハロルズ・チキン・シャック(Harold's Chicken Shuck)。ハロルドの鶏小屋、という程度の意味のこのチェーン、シカゴのサウスサイドに本拠地があるフライドチキンのお店です。揚げ物狂のアメリカ南部から移住してきた黒人の多いシカゴのサウスサイドが発祥の地だけあって、ハロルズのフライドチキンはなかなかのおいしさ。サウスサイドは治安が悪い、という(現実に基づいた)イメージがあって、ハロルズの噂は聞いたことがあってもずっと足が向かなかったのですが、去年になってパトリックのアパートのすぐそばに一軒支店ができました。ロジャースパークでも、パトリックのアパートがあるモース・アベニュー以北はかなり黒人の人口が多いので、きっと需要があると踏んだんでしょうね。
で、早速行きました(笑)。ホワイトミート(胸肉)かダークミート(腿肉、脚など)かが選べて、ディナーセットにすると、これにフライドポテト、小さなパックに入ったコールスロー、食パンがついて、$5くらいです(安っ!)。コールスローはべたべた甘いし、食パンは安物の代名詞のワンダーブレッドだし、で、フライドチキン以外は大したことがないんですが、さすがに専門店だけあってチキンのおいしさはピカ一。適度な厚さの衣はサクサク、中のチキンはあくまでもジューシー、ぴりっとした胡椒の利いたシーズニングが味を引き締めます。バーベキューソースをちょこっと付けて食べる太めのフレンチフライも、癖になるおいしさ。何より嬉しいのが、注文を取ってから揚げる、というファーストフードには珍しい調理システム。その分時間はかかりますが、揚げたてのおいしさ関しては保温ランプの下に何時間も座っていたKFCのフライドチキンとは比べ物になりません。ハロルズの鶏は皮がパリパリになるまで揚げてあるのも、KFCの柔らかい、脂ぎった皮がちょっと苦手な私には嬉しいところ。
揚げたてを出してくれる以外に、ハロルズはチェーン店には珍しく、それぞれの支店のオーナーの裁量に任せる部分が多いことでも知られています。例えば、(私はロジャースパーク店にしか行ったことがないので、実体験からは言えませんが)、内装はお店によって相当違うそうです。ニワトリ柄のカーテンがかかったロジャースパーク店では、小さな棚に剥製の鶏が鎮座ましましています。何となく田舎風で落ち着く感じ。支店を番号で、しかも一体どういうロジックなのか、ランダムな番号で、呼んでしまうようなエキセントリックさが幸いして、ハロルズにはカルト的なファンがたくさんいます。単なるシカゴのローカル・フライドチキンのお店にも関わらず、ウィキペディアに記事があるくらい(笑)。
大規模なファーストフードチェーンのほとんどが最近の健康志向に追随して植物油で揚げているところを、ハロルズでは植物油と牛脂を半々に混ぜたものでチキンを揚げています。その分コクがあっておいしいのですが、不健康なことは確か。それでも試してみたい、という方は、ウィッカーパークから数ブロック南東に下がったミルウォーキー沿いのお店(1361 N. Milwaukee Ave.)か、ダウンタウンのループから少し西に行ったウェルズ沿いのお店(39 N. Wells St.)が便利(かつ比較的コワくない・笑)と思います。私もルイジアナ・スタイルのフライドチキン・ミックスを買ってきて家で揚げてみたこともありますが、やっぱり揚げ物は外でプロが揚げたのを食べるのがおいしいみたい。とはいえあんまり食べ過ぎるのも良くないので、ハロルズの脇を通る時はあの香ばしくてスパイシーな香りで(ただでさえ旺盛な)食欲が刺激されないように、早足で通り過ぎる私たちです。
食いしん坊の私にとって、シカゴの短い夏は地元の野菜や果物がたっぷり食べられる至福の時。この時ばかりはスーパーから足が遠のき、五月の半ばから十月の半ばまで開かれるファーマーズマーケットに、毎週のように通います。いくつもあるシカゴ近郊のファーマーズマーケットの中で、私たちが特によく行くのが、エヴァンストンのものと、リンカーンパークで開かれるグリーンシティ・マーケット。エヴァンストンは近いのと、日本の野菜を無農薬で栽培しているHenry's Farmのスタンドがあるのでよく行くのですが、やはり(出たがりシカゴ市長のリチャード・デイリーが全面的にバックアップしている)グリーンシティ・マーケットには品揃えの点で遠く及ばないようです。夏真っ盛りだからなのか、ここ数週間グリーンシティ・マーケットにも大根や茄子などの日本の野菜が出回るようになってきて、私にとっては嬉しい限り。昨日も、パトリックを引き連れて朝っぱらから買い出しでした。
色々買った中から、今朝使ったのはこの真っ赤な人参。日本の金時人参のような、深みのある赤い皮をしていますが、それを剥いた内側は、普通の人参よりはちょっと濃いめかな、という程度の橙色。白から黄色、オレンジ、深紅まで、色とりどりの人参が山積みになったお店から買いました。切りながら一口食べてみると、物凄い人参の味で、生の人参が苦手な私はちょっと後ずさりしてしまうくらいでした。さすが産地直送、ということでしょうか。この人参に、白玉団子を作った時の残りのジュウェル・ヤムと、野菜室に一人残って寂しそうなじゃがいも君、さらにタマネギと万能ネギを合わせて、根菜ごろごろのハッシュにします。
週末の朝ごはんにはやたら気合いの入るアメリカ、朝ごはん(もしくはブランチ)に力を入れているレストランやカフェで卵料理を注文すると、このハッシュがよく一緒についてきます。基本的には、じゃがいもとタマネギにコーンビーフかベーコンをあわせて、細かく切ったものを焦げ目がつくように焼いた料理なのですが、じゃがいもを大きめにごろごろ切ったものもよく見かけます。このごろごろ版ハッシュはブレックファスト・ポテト、と呼ばれることが多いようです。じっくり焼いて甘みが出て、さらにタマネギが焦げた所が最高。どちらもおいしいけれど、油を吸いすぎない、という意味ではごろごろバージョンのほうが健康的な(ような気がする)ので、うちではいつもこっちを作ります。切る手間も省けて楽だし(笑)。
根菜ごろごろハッシュ(二人分、根菜の種類は手元にあるもので適当に...)
根菜類は一口サイズに切ります。タマネギと万能ネギは荒みじん。ニンニクはみじん切り。根菜類が重ならずに並ぶサイズのフライパンにバターを熱し、ニンニクを炒めます。良い香りがしてきたら、根菜類とタマネギを投入、根菜を重ならないように並べ、火を弱めて焼き色がつくように焼きます。焦げた所がおいしいので、炒めるというより焼く感じで。両面に焦げ目がつくように一度全体をひっくり返す以外、基本的には放っておけばよい料理なので、そのあいだに卵を焼いたり、果物を切ったりします。根菜類にほぼ火が通ったら、万能ネギを加え、塩とチリパウダーで味をつけます。万能ネギがしんなりして焦げ目がついたら完成。
生で試食した時にはあんなに人参臭かった(失礼!)人参が、じっくりゆっくり火を通したことで信じられないくらい甘くなっていました。ヤム芋と同等か、それ以上に甘みがあって、まるで焼芋みたい。人参嫌いの子供でも、言わなければ分からずに食べてしまいそうです。チリパウダーの辛みとバターのコクに、根菜類の自然な甘みが加わって、さらに焦げたタマネギの香ばしい香りがおいしくて、朝からしっかり食べてしまいました。(今日の卵は、これもグリーンシティ・マーケットで調達したヒラタケ入りのスクランブル。)ごろごろハッシュは、じっくり焼くので時間がかかります。忙しい朝や、起きた時点ですでに腹ペコ、という日には向きませんが、のんびり待てる週末には最高の朝ごはんです。
| Sun | Mon | Tue | Wed | Thu | Fri | Sat |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
| 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
| 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
| 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
| 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |