バナナ嫌いの私にバナナを一本遺してペンシルヴェニアの実家に帰ってしまったパトリック(いや、別に喧嘩をしたわけではなく)。台所のカウンターに一本だけ、日に日に忌まわしげな黒い斑点に覆われて行くバナナを見ながら悶々としていた私ですが、さすがにこのまま放っておいてもパトリックが帰ってくるまでには腐ってしまうだろうと観念して、バナナケーキにしてしまうことにしました。バナナケーキになっても「大好き!」というほど好きではありませんが、生のままよりは食べられるので。
この赤と青のなんとも愛国的なケーキカップ、シリコン製です。アメリカ人はなんでも赤白青の星条旗から取った色のものを使いたがりますが、これもどうやらその一例。(ケーキの型が赤白青ならともかく、ケーキそのものまでこの三色に染めてしまったりするので、日本人の私が見ると美味しくなさそうだったりもするんですよね...今時こんなに色紅ラブな人々も珍しいんじゃないかしら。)このシリコンカップ、何度も洗って使えるので使い捨てのアルミカップよりも地球に優しいし、一度に焼ける数の決まってしまうステンレス製のものに比べて使いやすいかな、と思い、買ってみました。サイズも、こちらでスタンダードらしきマフィンパンに比べて一回り小さめで、食べ過ぎの気になる私たちには最適。ところが!地球に優しいシリコンカップには裏がありました。
これ、めちゃくちゃ洗いにくいんです。紙のカップケーキの型みたいな雰囲気で細かく波打った縁の部分。かわいいポイントなんですが、ここに生地が詰まる!そして詰まった生地が生半可にスポンジでこすっただけでは取れない!よっぽど古い歯ブラシでも出してこようかと思いましたが、ゴムみたいに弾力のある型なので、これを表裏ひっくり返す感じで内側を外側に向けて洗うことでなんとか解決。しかしこのひっくり返す作業がまた曲者で、洗剤の混ざった水が撥ねる撥ねる。一体何度洗剤が眼に入ったことか。水鉄砲並みです。やっぱり表面がつるつるのシリコン型にしておけばよかった、と後悔。でも、こういうことって使ってみないと分からないんですよね。地球に優しいのはいいけど、私にも優しくしてくれー!と吠えたかった今日でした。
できたバナナケーキはおいしかったですよ。焦げたレーズンが(爆)。
Continue reading "シリコンカップの陰謀"ダウンタウンに用事があって行った帰りに、最近お気に入りのアーガイルへ。かなり前からご飯を炊く土鍋が欲しかった(しばらく実家の母のを借用していたが、取り返されてしまったため)ので、食器や調理器具も置いてある大きなベトナム系スーパー、ブロードウェイマーケットに行ってみた。このマーケット、生鮮食品の鮮度には当たり外れが大きい。今回は大外れもいいところで、楽しみにしていた新生姜は半分腐りかかっているし、蓮根は黒ずんでるし、しめじは黴が生えてるし、で撃沈。でもお目当ての土鍋はちゃんと発見。
こちら。外側は素焼き、中の食材が触れる部分には取っ手と同じ焦げ茶色の釉薬をかけて、食べ物の味が鍋肌にしみ込まないようになっています。新しいアパートの台所には収納場所がまだ余っているので、大して迷わず購入。$5.95と、高級飯炊き土鍋を買うことを考えればかなりお買い得だったし。が。この素焼きの土鍋を浸水していて大失敗。それも、人生でこんな大失敗したことない!というくらいの。
土鍋を置いたシンクに水を張り始め、ちょっと眼を離してリビングに行ったのが運の尽き。英語で"Out of sight, out of mind"と言いますが、まさにその通りで、シンクの水が出ているのをすっかり忘れること十数分(おいおい)。階下に住む大家さんが真っ青な顔で階段を駆け上がって来てやっと気付いた(汗)。台所へ駆けていくと(当たり前だが)床は水浸し、シンク周りの引き出しの中でもチャプンチプンと平和な音が...(涙)。パニックになりつつもとりあえず床にバスタオルを投げ、だいたい綺麗になったところでそのタオルはシンクに放り投げて階下へ。
なぜか大家さんの住む一階はほぼ素通りで、溢れた水は地下室へ直行したらしく、何かの配管と地下室の天井の継ぎ目辺りからぼたぼた落ちてくる水をモップで拭き取り、おっとその前に、と水滴の直撃を受けている近所の大工さんの電気工事系の器具を(感電しやしないかとヒヤヒヤしつつ、濡れた手で)どけ...とやっていると、二人いる大家さんのうちの階段を駆け上がって来たほうの、いつも激情に身を揉まれているタイプの人が(もう一人の、いつもクールなほうの大家さんは私と一緒にモップで後始末をしていた)フガフガの止まらない愛パグとともに様子を見に登場。さっきどけた電気工事の器具はきっと高いはずだ、とか、水が乾くと体積の変化で濡れた壁の中がだめになるかもしれない、とか、私の頭の中のレジのチーン!チーン!が止まらなくなるようなことを散々言って、退場。引っ越して来て一ヶ月も経たないのにこんなとんでもない大事件を引き起こしてしまって一体どうなることやら...。6ドルで買った土鍋が5000ドルくらいにふくれあがって帰って来たりした日には、笑おうにも笑えんぞ...。はぁやれやれ。パトリックは借家人保険には入っているんだろうか?
などと考えつつ二階のアパートに戻って来たころにはかなり夕飯の支度をする気力も失せてしまっていたのだけれど、せっかく買った土鍋でこんな大騒動を起こした上には使わずばなるまい、と、お米と餅米半々のおこわにすることに。中華ソーセージがあったので、それを一本細かく刻み、生姜のみじん切りと合わせ、醤油とごま油を垂らして普通に炊きました。飾りに、瀕死のほぼ全体に茶色くなったシラントロー(香菜)から、辛うじてまだ緑の部分を切り取って載せて。合わせたのはチャイニーズブロッコリー(タイに住んでいた頃によく食べた、パッカナというぱきぱきした歯ごたえの野菜に近い感じ)の生姜炒めと、豚肉をオイスターソース、醤油とニンニクに漬けておいて焼いたもの。
この豚肉、本当はナンプラーも入れて東南アジア風にする予定だったのに、引っ越し前に開催した(?)「中途半端に残った調味料は使ってしまえキャンペーン」の犠牲になったナンプラーをまだ補充していなかったことに気付き、魚っぽい味のもの...う〜ん、そうだ!あれがある!と思いついたのは「ほんだし」。ほんだしに醤油で、考えてみれば東南アジアというより純日本な組み合わせになってしまいましたが、どういう具合かお肉はお箸で切れるくらいに柔らかく焼けて、それなりにおいしかったです。オイスターソースで中華っぽい味になったしね。次回はちゃんとナンプラーでやろっと(笑)。おこわはちょっと柔らかめだったけれど、普段使いの薄手の鍋で炊いたものよりずっとふんわりしておいしかったです。さすがは土鍋、6ドルでもちゃんと働いてくれます。明日は普通にご飯を炊いてみようかな。
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怪しい中国食器(と調理器具)の品揃えはかなり優秀なブロードウェイマーケットは、ローレンスからブロードウェイを北上して一ブロックほどのモールの中、北東の角にあります。ベトナム語の名前をメモしてこなくて、簡単にgoogleしただけでは見つけられなかったので、今度行ったらちゃんと場所やホームページ(あれば)をUPしますね。
シカゴから車で一時間ちょっとのところにあるVoloという街に巨大アンティークモールがある、と聞き込んできて、ちょうどパトリックの持っているガタガタのダイニングテーブルの後釜を探しているところだったので、行ってきました。郊外に住んでいる私の母も誘って、もろアジア人の母娘に紅毛碧眼のパトリック、という妙なトリオで。(実はこの凸凹トリオでアラスカにも行っていたりします。母の参加に嫌な顔一つしないパトリックに、本当に感謝です。)日曜日は混むに違いない、ということで、朝八時に実家に集合し、実家の近くのウォーカーブラザーズ・パンケーキハウスで腹ごしらえ、そのままVoloに向かうことにしました。
ウォーカーブラザーズは、シカゴ北部に支店がいくつかあるパンケーキ専門店で、いつも朝は早くから家族連れで大盛況。それもそのはず、ここのパンケーキはチョコチップからブルーベリーまで、どれを食べてもふわふわで、ほんのり卵の味がして、おいしいんです。オムレツやクレープもありますが、ここのお勧めはなんと言ってもこのアップルパンケーキ。洗面器に入れて焼いたんじゃないの?というくらい巨大なパンケーキの中には甘酸っぱいリンゴがたっぷり、上にはシナモンの利いたカラメルソースがこれまたたっぷりかかっています。(カロリー高そ...)かなり分厚いのに、卵の優しい味のする生地はふんわりと軽くて、ついつい食べ過ぎてしまいます。今回は、このアップルパンケーキ以外にスモークしたハラペーニョ(チポトレ・チリ、と言います)がぴりりと辛いクリームソースのかかった鶏肉とピーマンのクレープと、たっぷりのほうれん草にポーチド・エッグの載ったものを頼んで、三人で分けました。アップルパンケーキを半分お持ち帰りにしましたが、やっぱりそれでも食べ過ぎ感は否めず(笑)。お腹がいっぱいになったところで、いざ北進です。
ウィスコンシンとイリノイを結ぶ州間高速(interstate)のI-94に乗ったほうが早いのは分かっていましたが、高速に乗ってしまうと景色のほうがつまらないので、今回は一般道で行きました。超のつくお金持ちが大挙して(?)住んでいるという噂のレイク・フォレストなどを過ぎ、一時間ほどのんびりとドライブしていくと、新興住宅地の間にぽつりぽつりとトウモロコシ畑が現れだしました。朝方の風に吹かれて揺れる葉っぱが涼しげです。そのあたりで120に乗り換え、今度はひたすら西へ。ここまで来ると時折背の高いサイロや大きな納屋のある農家があったりして、郊外のベッドタウンに浸食されつつはあっても、まだまだ田舎の雰囲気が残っていました。問題のアンティークモールも、その雰囲気を残して、昔の納屋を改装したらしき作りになっていました。
さてこのモール、大きいとは聞いていましたが、実際行ってみると、いやはや聞きしに勝る大きさでした。アンティークを売っている建物だけで三つ、それ以外に(私たちは行きませんでしたが)自動車博物館が併設されていて、さらに「アンティークというほど古くはないけど、でもコレクターアイテム」的なものを売っている建物がもう一つ。個人の骨董屋さんが棚やブースをひと月いくらで借り、そこに並べた商品をモールの従業員に委託して売るというシステムになっているようで、小さなものは指ぬきや香水瓶から大きなものはタンスやベッドまで、とにかく古めかしいものがこれでもかっっ!というくらいギッシリ並んでいました。おばあちゃんの家の押し入れのような、古いもの特有の匂いがして、ああ、この匂いって洋の東西を問わないんだなぁ、なんて妙に感じ入ってしまったりして。最初は面白がって見ていた私たちも、二つ目の建物の最初の数部屋を回ったあたりで疲れきってしまいました。とりあえずアイスティーを飲んで木陰で休憩し、眼をつけておいたものを数点買って、車に戻ると、それもそのはず、もう二時間以上もうろうろしていたのでした。
これは私の戦利品。小ぶりな急須と、お猪口より一回り大きいくらいの小さなお茶碗のセットです。ぼってり分厚い食器ばかりのアメリカで、日本風の薄い焼き物を見つけて嬉しくなって、急須の持ち手も掛けているし、蓋は行方不明だし、さらにはお茶碗の一つにひびも入っているのに、つい買ってしまいました。もともとこれでお茶を入れる気はないんです。お茶碗はソースを入れたり、ちょこっとおつまみを盛ったりするのに使うつもりで、こちらがメイン。急須のほうは、秋になったら菊でも飾ったら素敵かな、と思って。セットで$3.95というお買い得なお値段だったので、ほとんど考えずにお買い上げ。どんな料理とあわせようかと考える楽しみだけで、値段の元は十分取れそうなくらいです。
お茶碗を裏返すと、「九谷造」なんて怪しげな銘が入っていました。柄になった平安貴族の顔もなんだか微妙だし、ほんとに九谷かねぇ、と思いますが、字の形は漢字を知っている人が書いた感じです。九谷焼ではなくても、日本か中国で作られたものだろうな、と思います。いつ頃、どこで作られて、どんな経路でアメリカに来たんだろうと思うと、骨董品とは呼べないようなへなちょこアンティークでも、面白いですよね。母はと言うと、ほっこりした雰囲気のぶどうの模様のついたティーカップとソーサーのセットを二客、それにお揃いの砂糖つぼを買っていました。私の趣味からするとちょっと可愛らしすぎるけれど、母は嬉しそうだったので、一緒に行った甲斐があったというものです。あれだけ沢山あっても、これ!という物がなかなかありませんでしたが、だからこそ面白い物を見つけた時の嬉しさは倍増。ちょっと今は骨董はしばらくいいよ、という気分ですが、またしばらくしたら行ってみようと思います。
骨董疲れしたあとは、モールから車で二十分くらいのケトル・モレイン・ステートパーク(Kettle Moraine State Park)に行き、一周二マイルのループになったトレイルを、のんびりバードウォッチングをしながら散歩してきました。湿地帯を抜け、森に入り、今度は夏の花の咲き乱れる大草原をかすって、と変化のあるトレイルは小鳥の宝庫で、バードウォッチング大好きの母もパトリックも大喜びでした。インディゴ・バンティングやスカーレット・タネジャー、レッド・ヘッディッド・ウッドペッカーなど、見たことはあっても普段なかなかお目にかかれない小鳥がいるかと思えば、見たこともない色とりどりな小鳥も沢山いて、いつもはバードウォッチング狂とは言えない私も興奮してしまいました。湿地帯ではなんとビーバーまで目撃(なにやらものすごい水音を立てて、お昼ごはんの後を追っていました...笑)。野生のビーバーを見るなんて初めてです!
あっちで止まり、こっちで止まり、とのろのろ歩いていたら、たった二マイルのコースに一時間も掛かってしまい、駐車場に戻ってくるころには三人とも腹ぺこ。途中で見かけたカルヴァーズ(Culver's)というソフトクリームのおいしいファーストフード店で遅いお昼にしました。朝あんなにコッテリしたものを山ほど食べたのにお昼もこれではなぁ、と思いつつも、アメリカの田舎のこととて気の利いたものをちょこっと出してくれるようなお店は見つかるはずもなく、ファーストフードにしてはおいしいこのお店へ。もちろん、ソフトクリームも食べましたよ(爆)。
三人で一番小さいのを一つ買って分けたので、罪悪感も三分の一(なのか?)。カシューナッツの塩味が利いていて、アメリカ人の好きなスィート&ソルティーの絶妙な組み合わせで、結構おいしかったです。お腹は一杯だし、一日フルに稼働した疲れもあって、帰りの運転は睡魔との戦いでしたが、久しぶりに遠出して楽しかったぁ〜。
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