2007年09月17日

西の彼方へ遥々と...ウェストモントで台湾式朝ごはん

更新を怠っているうちにもうすぐ「先週」の話になってしまいそうなので、慌てて。(と書いて、書きかけのまま週末のほほんと小旅行に行っているうちにまんまと「先週」の話になってしまいました。ははは。)

Abalone (!) Cookie

シカゴで中国系の人が沢山住んでいる地域と言うと、ダウンタウンの南のいわゆるチャイナタウンと、小さめでヴェトナム系が多いようですがアーガイルとブロードウェイの交差点を中心とするエリアが有名です。移民のパターンとして、低賃金の仕事に就かざるを得ない人が多い移民第一世代では都市部に住み、それが学位を取ってプロフェッショナルな仕事に就く人が増えだす第二世代になると、「安全性」と整った教育環境を求めて郊外に流出する、というのが一般的だと、アメリカでは言われています。中国系の移民に関してもそれは同じで、あまり知られていませんが、シカゴ西部の郊外にかなりの数の中国系アメリカ人が住んでいるそうです。

特にダウンタウンからほぼ一直線に西に行ったウェストモント(Westmont)には、60年代に移民して来た台湾系の人たちが沢山住んでいるらしく、中国・台湾系のスーパーや食料品店が集まったインターナショナル・プラザなるものがあります。そこのフードコートで、かなり本格的な台湾式朝ご飯が食べられるという話を最近聞き込んで、ずっとうずうずしていたのですが、ウェストモンとまではなにしろ遠い。レイクショア・ドライブから290に乗り換えて45分はかかります。そんなに遠いところまでただ朝ごはん食べに行くのもねぇ、というわけ。ところが、この間地図を見ていたパトリックが、ウェストモントから15分ほどのところに、こちらも前々から行ってみたかった植物園(Morton Arboretum)があるのを発見。何だそれならこの二つを合わせれば良いじゃん、というわけで、行ってきました。

十時半過ぎから準備を初めてのそのそと行ったので、着いた頃には朝ごはんの時間なんてとうに終わっていましたが、殺風景なフードコートを見回してみると、まだ朝ごはんらしきおかゆやらなにやらを食べている人ばかり。どうやらウェストモントの「朝」はまだまだ続いているようです。ほっと胸を撫で下ろして、とりあえずフードコートの隣のスーパーをうろつきました。普段行っているエスニックスーパーは、中華のものだけ、というわけではなくていろんな国のものをちょこちょこと売っているのですが、ここ(Whole Grain Fresh Foods)は基本的に中華のもののみ。日本のお菓子や韓国の海苔など多少はありましたが、かなりの大きさのスーパーが中華材料だけで埋め尽くされているのはかなり壮観でした。麺類だけで通路の片側が一列ずらりと埋まり、その反対側は中華の乾物だけでぎっしり、といった具合。普段あまり見かけない薬膳粥のセットや、デザート用に細かく挽いたアーモンドや胡麻の粉などもあって、なかなか面白かったです。噂によれば、周りに競争相手がいないからか、お値段は水増しされているようですが。

お腹が空いて来たところで、肝心のフードコートへ。もともとはオフィスビルだったものをフードコートに改装したらしく、なんとな〜く無機質なオフィスの雰囲気が残った建物でした。真ん中の吹き抜けから外の光が入るのがせめてもの救いですが、薄暗いし、照明は蛍光灯だし、それでも雰囲気が良いとは言いがたい感じ。雰囲気より味で勝負、ってことですかね。

Food Court at the International Mall

台湾小吃やベトナムのフォーなど、それぞれ特定の地域の料理に特化したお店が四軒ほど入っていましたが、混み具合から判断して一番期待の持てそうな粉もの専門店の列に並んでみました。玉堂餃子館(Yu Ton Dumpling House)という、一番右端にあるお店です。「高級餐館的質和量!快餐店的値銭!」がキャッチフレーズのこのお店(笑)、とにかく大人気で、中国人と台湾人と思われるお客さんの列が途切れることがありませんでした。巨大な揚げパンやおかゆが、カウンターの後ろの小さな厨房から飛ぶように出てきます。私たちは、週末と祝日限定の朝ごはんメニューから、巨大揚げパン(twisted cruller)、豆腐花(soybean jello)、韮饅頭(chive bun)、海鮮粥(seafood congee)を、それに普通のメニューから厚揚げと豚肉のトウチジャン炒めを頼みました。美味しそうな匂いと「週末限定」に惹かれて、明らかに頼みすぎ(爆)。しかしトウチジャン炒めについてきたご飯以外は全部完食(さらに爆)。

Fried Tofu in Black Bean Sauce & Fried Dough

だって美味しかったんだもん(笑)。厚揚げと豚肉のトウチジャン炒めは、想像通りの、コクがあってがつんと来る味。普通の中華料理屋さんで食べるよりもなんとなく家庭料理に近いような気がしましたが、それは「台湾人が大挙して押し寄せる朝ごはんの店で食べている」という雰囲気のなせる技だったかもしれません。トウチと聞くと目が輝くパトリックもご満悦でした。

(長くなって来たので、続きは次回。)

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2007年08月22日

なんちゃってキャラメルでお手軽フロランタン

日本ではもう「そう言えばそんなものも流行っていたっけ」というくらい昔の話かもしれませんが、私はつい最近知った、なんちゃってキャラメルの作り方があります。普通ならお鍋で溶かして焦げ目をつけたお砂糖に生クリームをジャッと入れて、バチバチはねるのを鍋蓋で防戦しつつ戦々恐々と混ぜて作るキャラメルですが、このやり方だと恐いこと一切無し。なんと、コンデンスミルクを缶ごと2〜3時間茹でるんだそうで。考えてみれば、牛乳と砂糖でできたコンデンスミルクを加熱するわけなので、材料的にはキャラメルができてもおかしくはないのですが、なんとも眼からウロコなアイディア。面白そうなので(暇だし)、やってみました。

ラベルを剥がした缶を熱湯に入れてグツグツすること二時間半。取り分け用の大きなスプーンで缶ごと取り出し、しばらく冷ましてから開けてみると...

Miracle Caramel

なんと驚き、中身はしっかりキャラメル色になっていました。鼻を近付けると、ほんのりキャラメルの香りも漂ってきます。味の方は、もう少しキャラメル特有の香ばしい香りがしてもいいかな、というマイルドなキャラメル味でしたが、2ドル弱の缶をことこと茹でるだけでできるんなら儲けもの。なにしろ一缶あるので、パンに塗ってバナナのスライスをトッピングしたバナナキャラメルトースト、なんて、普段なら絶対にやらない(一見)手のかかった朝ご飯を三日続けて食べてしまいました。それはそれでおいしかったのだけれど、パトリックと二人でトーストに載せて食べているだけではいつまで経ってもなくなりません。で、風呂ランタン...じゃない、フロランタンを作りました。

Sables Florentin

一番手の掛かるキャラメル部分はもうできているので、生地を混ぜて二度焼きするだけ。手際の悪い私でも30分ちょっとで出来上がりです。子供の頃から、母が時々作ってくれたり、近所のケーキ屋さんで買って来てくれたりしたフロランタンは大好きでしたが、こんなに簡単にできるなら自分でもちょこちょこ作ろう、と思ったりして。出来上がりをつまみ食いしたり、今日の朝ごはんに食べたりして、残りのほとんどは今晩からフィラデルフィアの実家に帰るパトリックに、お土産に持って行ってもらいました。むこうに着く頃には半分くらいになっていたりして(笑)。

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ちょっと粉について。普段はバーモント州に本拠地のあるKing Arthurというブランドのなんでも粉(All Purpose Flour)を使っているのですが、なんでも粉は日本の薄力粉に比べるとグルテンが多いということを最近知り、納得。ちょっと混ぜすぎるとすぐにさざれ石が巌になったごとくの焼き上がりになってしまうのはそのせいだったのか。で、なんでも粉より少しグルテンの少ないペイストリー・フラワー(Pastry Flour)というのを買って来て、それで焼いてみました。ふわふわさくさくのパイ生地を作るための粉らしいのですが、サブレにもばっちりでした。これよりさらにグルテンの少ないケーキ専用粉(Cake Flour)もありますが、少なくともサブレ・フロランタンにはペイストリー・フラワーがいいようです。アメリカでケーキやクッキーを焼いていてうまくいかない方、試してみてください。

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2007年07月30日

あっ!詰めちゃったんだった...

いよいよ今週の木曜に本引っ越しが迫り、土日はせっせと箱詰め&愛車のフォーカス君で新しいアパートと今のアパートの間を行ったり来たり、でした。つくづくうんざりするのは、生きているうちに知らず知らず溜まるガラクタ。無くても生きていけるものがほとんどでも、妙な愛着があって捨てられなかったり、五年に一回あるかないかくらいのレア〜な状況で必要かも、で、やっぱり捨てられなかったり。それでも私は結構な量を処分したのですが、問題はパトリック。二十年は遡りそうな壊れたモニターから、一つ一つに「由来」のある埃をかぶった石ころに、この先一体読むのか読まないのかかなり怪しいアニメ雑誌までたんまり溜め込んでいて、捨てろ捨てろと言ってもなかなか捨てません。意外と男の人の方が捨てられないんですかねぇ。やれやれ。ま、こんなところで愚痴っていてもしょうがないんですが...。

そんなわけで、うちには今調味料も調理器具も一切ありません。みんな次のアパートの一間で、段ボールに詰まって出番を待っています。お昼を作って食べようにも包丁も無いので、近所の中華料理のビュッフェに行ってきました。炒め物から揚げ物、蒸し餃子までいろんな種類のものがどっさりあって、テイクアウトにすると量り売りになります。大きな発泡スチロールのテイクアウト用の箱に結構入れて、お値段$3.76(税込み)でした。味もそこそこおいしいし、何より野菜がたくさん摂れるのが嬉しい中華のビュッフェ、この値段なら本引っ越しまで毎日これでもいいかも(笑)。ビュッフェでは初めて見る桃饅まであって、桃饅大好きの面食いな私はホクホクでした。

ところが...いざ家に帰ってきてみると、お箸もフォークも無い!考えてみれば、みんな詰めてしまったのです。あぁなんてバカ。しょうがないので、昨日の夕飯(近所のホットドッグ屋からテイクアウト)についてきたプラスチックのフォークを油の染みた袋から探し出して(うへぇ)、それで食べました。フライヤーから出たての熱々フライドポテトの上に無造作に載せられて、哀れにも持ち手の曲がってしまったフォークでしたが、ないよりは数段マシ。助かりました。今週いっぱいくらいは、こんな間抜けな状態が続きそうです。

Posted by Yu at 14:28 | Comments (2)

2007年07月05日

バクラヴァだけじゃない、レバノンのお菓子屋さん

シカゴ市内の北西にあたるアルバニーパークは、私の地元ロジャースパークに似て、様々な民族の人たちが混在する地域です。アルバニーパークの北部を東西に横切るローレンス・アベニュー(Lawrence)は、そんな他民族な地域を反映して、まるで国連の代表団みたい。イラン料理店から数軒おいてメキシコのスーパーマーケットがあり、そこからもう少し行くとグアテマラのパン屋さん、さらに西に向かうと中華料理店、はたまたお隣は韓国の食器店、という具合に、とにかくいろんな国のことどもが雑多に混在しています。ロジャースパークと違うのは、「混在」という点。ロジャースパークでは、だいたい民族ごとに居住区域が何となく分かれているのですが、アルバニーパークではみんな一緒くたに住んでいる、という感じ。ロジャースパークほど詳しく知っているわけではないので間違っているかもしれませんが、通りを歩いている限りではそんな感じがします。

お店を覗いて歩くだけでも面白いローレンスから、ケズィー(Kedzie)沿いに南に一ブロックほど下がったところに、最近になってとてもおいしいレバノンのベーカリーを見つけました。緑の日よけが目印のこのお店、ベーカリーと食料品店、さらにはちょっとしたレストランまで兼業しています。薄暗い店内には、スパイスやオリーブ、フェタチーズ、ブドウの葉っぱやセモリナ粉など、中近東の食材がぎっしり。粉ものなどは直接輸入しているらしく、誇りっぽい棚にお店の名前のついた袋が山のようになっています。胡麻の粉を固めてナッツやチョコレートを足した、香ばしいハルヴァなど、包装済みのお菓子も色々ありました。奥のカウンターでは、イスラム教の戒律(ザビハ・ハラル、と言うそうです)に従って屠殺したラムや牛肉なども売っています。日本にいたころには、ユダヤ教やイスラムに屠殺の仕方の決まりがあるなんて知りませんでした。何も進歩していない(汗)ようで、多文化国家アメリカで学んだことも結構あるんだな、と思ったりして。

さて、お目当てのベーカリーカウンターは、通りからすぐ見える窓側。年季の入った大きな鉄のオーブンが、これ見よがし(?)に飾ってある、その隣に、ガラスのショーケースが二つ並んでいます。ベーカリーと言っても、ここアル・カイヤーム(Al-Khyam Bakery & Grocery)はパンよりもお菓子が主流。中近東のお菓子というと、ごく薄く、パリパリに焼いたパイ皮のような「ファイロ」と呼ばれるタネ(philo dough)を使ったものが有名ですが、アル・カイヤームにも沢山の種類が揃っています。シカゴではよく見かける、ファイロ生地とはちみつ、クルミやピスタチオなどのナッツ類を層にして重ねたバクラヴァから、同じ形で中身をカスタード風のクリームに変えたもの、さらに春雨のように細く切ったファイロ生地でナッツやドライフルーツをくるんだものなど、とにかく色々あって目移りしてしまいます。

Knafe and Cream-filled Baklava

そんな中で私が気になったのが、巨大なアルミのお皿に載った巨大パンケーキのようなもの。カウンターの後ろのおじさんに「あれは何?」と聞くと、拙い英語で「クナフェ、と言うんだよ。中にチーズが入ってて、蜂蜜がかかってるんだ」と教えてくれました。英語のほうのブログに書くためにスペルを聞いたら、「フランス語なら分かるけど、英語ではどう書くのか分からん」とのこと。私はフランス語がだめだし、こりゃお手上げ、というわけで、家に帰ってからせっせとGoogleして、なんとかそれらしきもの(knafe)を見つけました。それによると、レバノン特産のフレッシュチーズを台にして、セモリナ粉がベースの生地を上に流して焼いたものに蜂蜜をたっぷり含ませたお菓子、とのこと。実際食べてみると、もっちりしたチーズにセモリナ粉の香ばしさがぴったりで、なかなかおいしかったです。蜂蜜に爽やかな、ほとんどレモンみたいな、花の香りがするのにもびっくり。かなり甘いし、乳製品なのでたっぷり食べたいものではありませんが、濃く入れたコーヒーに合わせてほんの少し食べたら、おいしそう。(<--早く食べてみたくてコーヒーも入れなかった人、だ〜れだ)写真の左側に移っているのがそれです。右側は、カスタード風クリームのバクラヴァ(カウンターのおじさん曰く、バクラヴァとは呼ばないそうなのですが、名前を聞くのを忘れました)。

Grhybe

おいしいレバノンの焼き菓子はフランス菓子にも劣らない」と言う人がいますが、これが本当にそうだな、と思わされたのが、このレバノン版バタークッキー。グライビ(grhybe)、とかゴライビ(ghoraibi)、とかいう名前のこのクッキー、外側は文字通り、口に入れたらその瞬間にほの甘い後味だけを残して溶けてしまうような繊細な生地でできています。内側には、もう少しかりかりと歯ごたえのある、ナッツをベースにした(らしき)生地で、ナッツの香ばしさがとろける甘さと合って、もう最高。カウンターのおじさんに「あれは何?」と指差して聞いたら、一つを二つに割って試食用にくれたのですが、パトリックも私も、一口食べて顔を見合わせて唸ってしまうくらいのおいしさでした。早速6個、お買い上げ。スペインだったか、ヨーロッパのどこかのお菓子で、同じような柔らかい繊細な生地で細かく砕いたアーモンドをくるんだスノードロップクッキーというのがありますが、それに近い感じでした。こちらはしっかり、コーヒーを入れてゆっくり味わいました(笑)。しばらくは日持ちするし、上に載ったピスタチオが剥がれてくる以外はかなり丈夫なので、日本へのお土産にも良いかも。アル・カイヤームでは常に大きな(小学校の机サイズの)トレーに一杯焼いてあるので、急に行って買い占めても大丈夫(なはず)です。

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Al-Khyam Bakery and Grocery
4746 N. Kedzie Ave., Chicago, IL
773.583.3099
CTAのブラウン・ラインの、ケズィー駅から北に向かって徒歩一分の左側です。

Posted by Yu at 14:13 | Comments (0)

2007年07月03日

アメリカの味、フライドチキン

今はだいぶ角が取れてきました(?)が、私が子供の頃、うちの母は反ファーストフードの権化でした。そんなわけで、「あんなものは体に悪い!」と息巻く母を説き伏せてごくたまに連れて行ってもらったマクドナルドのハンバーガーや、KFCのフライドチキンなどは、私の中では「ごちそう」のステータスを占めていました。「ファーストフードが世界を食い尽くす」Omnivore's Dilemmaを読んでファーストフードがアメリカのみならず世界の食文化や農業にいかに壊滅的な影響を与えてきたかを憂えている今から思えば笑ってしまいますが、子供の味覚って油と砂糖には弱いんですよね。

...と、偉そうに書いてはみたものの、実は二十ウン歳の今になってもたまに食べたくなるんですよね、スパイシーなフライドチキンとか、出所の怪しいハンバーガーとか。マクドナルドやKFCに行ってもいいんですが、アメリカにはローカルチェーンのファーストフード店が色々あって、全国(もしくは国際)チェーンのファーストフードよりかなりおいしかったりします。そんな中の一つが、ハロルズ・チキン・シャック(Harold's Chicken Shuck)。ハロルドの鶏小屋、という程度の意味のこのチェーン、シカゴのサウスサイドに本拠地があるフライドチキンのお店です。揚げ物狂のアメリカ南部から移住してきた黒人の多いシカゴのサウスサイドが発祥の地だけあって、ハロルズのフライドチキンはなかなかのおいしさ。サウスサイドは治安が悪い、という(現実に基づいた)イメージがあって、ハロルズの噂は聞いたことがあってもずっと足が向かなかったのですが、去年になってパトリックのアパートのすぐそばに一軒支店ができました。ロジャースパークでも、パトリックのアパートがあるモース・アベニュー以北はかなり黒人の人口が多いので、きっと需要があると踏んだんでしょうね。

Harold's Chicken

で、早速行きました(笑)。ホワイトミート(胸肉)かダークミート(腿肉、脚など)かが選べて、ディナーセットにすると、これにフライドポテト、小さなパックに入ったコールスロー、食パンがついて、$5くらいです(安っ!)。コールスローはべたべた甘いし、食パンは安物の代名詞のワンダーブレッドだし、で、フライドチキン以外は大したことがないんですが、さすがに専門店だけあってチキンのおいしさはピカ一。適度な厚さの衣はサクサク、中のチキンはあくまでもジューシー、ぴりっとした胡椒の利いたシーズニングが味を引き締めます。バーベキューソースをちょこっと付けて食べる太めのフレンチフライも、癖になるおいしさ。何より嬉しいのが、注文を取ってから揚げる、というファーストフードには珍しい調理システム。その分時間はかかりますが、揚げたてのおいしさ関しては保温ランプの下に何時間も座っていたKFCのフライドチキンとは比べ物になりません。ハロルズの鶏は皮がパリパリになるまで揚げてあるのも、KFCの柔らかい、脂ぎった皮がちょっと苦手な私には嬉しいところ。

揚げたてを出してくれる以外に、ハロルズはチェーン店には珍しく、それぞれの支店のオーナーの裁量に任せる部分が多いことでも知られています。例えば、(私はロジャースパーク店にしか行ったことがないので、実体験からは言えませんが)、内装はお店によって相当違うそうです。ニワトリ柄のカーテンがかかったロジャースパーク店では、小さな棚に剥製の鶏が鎮座ましましています。何となく田舎風で落ち着く感じ。支店を番号で、しかも一体どういうロジックなのか、ランダムな番号で、呼んでしまうようなエキセントリックさが幸いして、ハロルズにはカルト的なファンがたくさんいます。単なるシカゴのローカル・フライドチキンのお店にも関わらず、ウィキペディアに記事があるくらい(笑)。

大規模なファーストフードチェーンのほとんどが最近の健康志向に追随して植物油で揚げているところを、ハロルズでは植物油と牛脂を半々に混ぜたものでチキンを揚げています。その分コクがあっておいしいのですが、不健康なことは確か。それでも試してみたい、という方は、ウィッカーパークから数ブロック南東に下がったミルウォーキー沿いのお店(1361 N. Milwaukee Ave.)か、ダウンタウンのループから少し西に行ったウェルズ沿いのお店(39 N. Wells St.)が便利(かつ比較的コワくない・笑)と思います。私もルイジアナ・スタイルのフライドチキン・ミックスを買ってきて家で揚げてみたこともありますが、やっぱり揚げ物は外でプロが揚げたのを食べるのがおいしいみたい。とはいえあんまり食べ過ぎるのも良くないので、ハロルズの脇を通る時はあの香ばしくてスパイシーな香りで(ただでさえ旺盛な)食欲が刺激されないように、早足で通り過ぎる私たちです。

Posted by Yu at 16:12 | Comments (0)

2007年06月04日

徒歩五分のメキシコ

パトリックのアパートのあるロジャースパークは、シカゴ市の一番北の端にあたる区域。ダウンタウンから遠いのと、最近まで治安が悪かった(今も麻薬の売人が駅の周りにうろついていたりしますが...)のが影響して、シカゴ市内で、まあまあの環境のところとしてはかなり家賃の安いエリアです。そのせいもあってか、ロジャースパークは移民の宝庫。統計によればなんでも90以上の言語が犇めき合っているんだとか。そんな多様さはレストランにも表れていて、ペルー料理からコロンビア料理、パキスタン料理から果てはグルジア料理店まで、これでもかっ!というくらい色んな国のレストランがあります。その多くが、既に社会に同化した移民二世三世(いわゆる「アメリカ人」)向けではなくて、まだ家庭では母国の言葉を話し、母国の料理を食べているような移民一世向けに営業しているところが、ロジャースパークのエスニックレストランの楽しいところ。その分、いわゆるアメリカ人向けに営業しているエスニックレストランに比べると、あまりアメリカでは知られていない料理がよく見つかります。味付けも、本物に近いようです。

西のほうはユダヤ人、南はインド・パキスタン系など、同じロジャースパークでも区域によって人種・民族の構成はかなり違うのですが、パトリックのアパートのあるあたりにはメキシコ人がごっそり住んでいます。(うちのお隣も、下の階の人も、みんなメキシコ人です。)そんなわけで、アパートから歩いて五分ほどのクラーク・ストリートには、メキシカンレストランが軒を連ねています。パトリックはここにもう五年以上も住んでいるので、当然安くておいしいお気に入りがあるのですが、このあいだは、ちょっと違うところにも行ってみようよ、というわけで、敢えて行ったことのないレストランに行ってみました。

Steak!Quesadillas y Mariscos Doña Lolisは、トウモロコシの粉(マサ)を使った料理を得意とするレストラン。毎朝トウモロコシを挽くところから始まって、トルティーヤからソペ(トウモロコシ粉を丸く整形して焼いたコロッケのようなもの)に至るまで、みんな手作りなんだそうです。パトリックのステーキにも、私のチポトレ・ソースのミートボールにも、この手作り感溢れるトルティーヤが付いてきました。ミートボールにほんのり辛みのあるソースをたっぷりつけて、フリホーレスとともに包んで食べると最高です。パトリックのステーキも、安かったのに($10)牛の旨味たっぷりで、なかなか。一緒に付いてきた、これも自家製のワカモーレ(アヴォカドのディップ)の玉葱がさっぱりで、おいしかったです。雰囲気としては、メキシコのおふくろの味、というところです。

Meatballs in Chipotle Sauceこのレストランでは、アステカ時代に遡るという製法でいまだにホットココアを作っているそうです。ココアパウダーを牛乳に溶かしたところに、シナモンなどのスパイスを入れ、それになんと例のマサ(トウモロコシ粉)でとろみをつけるんだとか。メキシコでは冬の朝、仕事に行く途中に道の屋台で買って、ふうふういいながら飲むのが風物詩なのだそうです。たぁ〜っぷりの夕飯を食べたらお腹いっぱいになってしまって試せなかったのですが、次回は必ず、とココロに決めて帰ってきました。(あんまりお腹いっぱいだったので、近所をお散歩してから帰りましたが、あれっぱかりじゃ大して助けにもならなさそう...汗)

クラーク・ストリートには、まだまだ行ったことのないメキシカンレストランが山ほどあるので、これからぼちぼち試してみようと思っています。みんな家族経営の小さなレストランばかりですが、それぞれにオーナーの出身地の料理を出していたりして、面白そう。壁の張り紙はほとんどスペイン語、店の奥のテレビではスペイン語放送のソープオペラをやっていたりして、家から歩いて五分なのに、なにやら異国の雰囲気です。次回の記事に乞うご期待。

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Quesadillas y Mariscos Doña Lolis
6924 N. Clark St., Chicago, IL
773.761.5677

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2007年05月24日

ヴェトナム料理の秘密兵器発見!

物凄い調味料を見つけてしまいました。

Coconut Thin Sauce

Hマートの東南アジアのソース類を売っている通路で、何気なく手に取ったCoconut Thin Sauce。原材料を見ると、「ココナツジュース、水」とあくまでもシンプルで、ココナツ風味のソースなら面白そう、と買ってみました。(私はバンコクに住んでいた子供の頃からココナツ大好き人間なので、ココナツと見るとついよだれが...。)300グラムで$1.19でした。

家に帰って早速封を開けて、舐めてみると、残念ながらココナツの味は全くしませんでした。Thin Sauceというわりにはかなりどろっとしたソースで、お砂糖の焦げたような、ちょっと癖になりそうな味がします。いったいどんな料理に使うのやら、とインターネットで調べてみると、南ベトナムでよく使われるカラメルソースだ、ということが判明。パトリックの好物で、鶏肉を生姜をきかせたソースの中で土鍋で煮たヴェトナム料理があるのですが、どうやらその独特の風味は、このソースから出るもののようです。さて、これをどう使うか。

冷蔵庫にあった紫キャベツで、野菜たっぷりの汎アジア風チャーハンにすることにしました。まずはこのココナツ・カラメルソースとナンプラーを合わせて、ちょうどいい味のソースを作っておきました。(この時点で既に激うま!)ニンニク一かけを炒めたところに、紫キャベツを入れて、パリパリ感を残す程度に炒めます。そこに、このソースを小さじ一杯くらい入れて味を付けた卵を炒め、ごはんを投入。ネギの小口切りと、細かくきったパクチー(コリアンダー、シラントロー)も入れて、ソースを回しかけます。ごはんが暖まり、ソースの味が全体に絡んだところで出来上がり。

The Best Fried Rice I've Ever Made (Seriously!) 本当なら干しエビも入れたいところでしたが、それは在庫がなかったのでパス。ピーナツもなかったので、まぁこれで良かろう、と、ローストした大豆をすり鉢で適当に砕いてぱらりとかけました。窮余の一策でしたが、これがなかなかアクセントになって正解でした。味のほうはというと、(自分で言うのもなんですが)「えっ、これ私が作ったの?」と思うくらい本場の味で、パトリックともども驚いてしまいました。カラメルの苦みがきいていて、どうしてもお砂糖とナンプラーでは出せなかった深みがあるのです。これって、ひょっとしてアジアン・レストランの秘密兵器だったのかしら、と思いつつ、かなり量のあったチャーハンを二人で完食(半分はキャベツですけどね)。おいしかったぁ〜。パトリックは、これは「アジアン・フードのアトミックボムだ」なんて、物騒なことを言っていました(笑)。

簡単だし(なんと言っても、ナンプラーと混ぜるだけですから)、安いし、家庭料理とは思えない複雑な味が出せるし、このCoconut Thin Sauce、我が家の常備調味料になるのは間違いなしです。シカゴ在住の方なら、アジア系のスーパーに行けば、ナンプラーなどがある棚で見つかると思います。日本では手に入るのかしら?

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ヴェトナム名:Nuoc Mau Dua (Ben Tre)
製造元:My Thanh Co., Ltd.

H Mart
801 Civic Center Drive, Niles, IL
847.581.1212

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2007年05月08日

アメリカ人のおふくろの味、マカロニ&チーズ

女性の社会進出が進んでいて、外食産業が猛威を振るっている(というのも変ですが)アメリカでは、日本で言うような「おふくろの味」を知らない子供も(大人も?)たくさんいます。とある統計によると、現代アメリカの子供の三人に一人はファーストフードを一日に一度は食べているとか。私の周りの学生たちを見ていると、一日一度どころじゃないんじゃないの?と思うくらい、みんなファーストフードをもりもり食べています。(そもそも大学構内にある食堂がファーストフード以外ほとんど何も売ってない!)

そんなアメリカで、「おふくろの味」と言ってまず思いつくのがマカロニ&チーズ。(皆さんマッカンチーズ、と略していますが...)かつては手作りするのが一般的だったのでしょうが、今はインスタントのものが山ほど売られています。乾燥パスタに粉末状のソースが付いたものがあるかと思えば、真空パックのカップに入っていて、電子レンジでチンするだけで食べられるようなものもあります。「レンジでチン」バージョンは恐ろしくて手を出したことがありませんが、乾燥パスタバージョンは冷凍ピザとともにパトリックの非常食用に常に常備してあるので、忙しいときにはよく頼りにさせてもらっています。(しかも安い!)

パトリックはパスタを茹でてチーズソースと牛乳を混ぜ込むだけの怠けものシェフですが、私が作る時はいろいろ具を入れます。炭水化物だけではバランスが悪いし、なんといっても具なしのパスタでは食いしん坊の私には物足りないので...

今夜は、近所のスーパーで買ってきたオーガニックのマカロニ&チーズに、やはり同じスーパーで買ったポーリッシュソーセージ(私の手のひらを一周しても余るくらいに巨大なU字型のが、たった1ドルでした)の残りと、ブロッコリーに赤ピーマンとマッシュルームを足して彩りを良くしました。野菜を炒める前のバターに、ローズマリーのみじん切りも入れて、ちょっと大人の味に。

今回使ったのはオーガニックのインスタント食品、というなんだか矛盾したようなものを作っているAnnie'sというブランドのマカロニ&チーズです。単なるチーズ風味、というのではなくて、パルメザンチーズとローストしたニンニクが入った、アダルトなマカロニ&チーズ。本来子供が食べるようなものだと思うのですが、大きくなっても子供の頃に食べたものは忘れられないんでしょうね。

以前、興味があって手作り用のレシピを探したことがあります。単にチーズと生クリームのソースをマカロニに絡めただけかと思いきや、実はこれ卵黄が入るんです。言われてみれば、だいたいどのメーカーのマカロニ&チーズもどぎついオレンジ色をしています(写真のはそうでもないですが)。着色料で染めているんでしょうが、きっともとは卵黄のオレンジ色を再現した、ということだったんですね。卵黄が入る、というところからして、カルボナーラがアメリカ人の口に合うように徐々に改造された、というのが起源かな、などと思いつつ、日本人の私が作った、アメリカ版イタリアンをおいしくいただきました。そう言えば今回使った赤ピーマンはメキシコから来ていたような。いやー、インターナショナル(笑)。

Posted by Yu at 15:45 | Comments (0)

2007年05月06日

さっぱりシナモンロールと苺ごっそりワッフル

なんだかベーカリーのことばかり書いているような気がしますが、このベーカリーは絶対外せないので、載せてしまいます。

アルバニー・パークにあるトレ・コロノァー(Tre Kronor、スウェーデン語で「三つの王冠」)は、朝御飯どきは開店十分で満員になってしまうくらいの人気店です。そんなに人気があると知っていたわけではなかったのですが、私たちは開店十五分ほど前に着いてラッキーでした。九時開店で、九時十分には本当にテーブル一つしか開いていない、という状態で、それからも来るわ来るわ、お客さんの流れが途切れません。お店に入ったときにあまりにウェイトレスさんがたくさんいるので驚いたのですが、あれだけ込み合うのなら納得。

Cinnamon Roll ラッシュ時と空腹が重なってしまったので、メインが出てくるまでに不機嫌にならないように、パトリックがシナモンロールを頼みました。(お腹が空くと不機嫌になるのは私、不当にもそのターゲットになってしまうのがパトリック。汗)特に期待して頼んだわけではなかったのですが、いざ一口食べてみると、おいしくてびっくり。シナモンを間に塗り込んだ生地をころころと丸めた上に溶かしたお砂糖がかかっているのですが、そのグレーズにレモンが入っていたのです。甘さが強くなりがちなシナモンロールにさわやかな酸味が加わって実に結構。シカゴでシナモンロール、と言うとアン・サザー(Ann Sather)のものが有名ですが、お砂糖がお皿から溢れ出すぐらいにどっさりかかっているアン・サザーのより、私はこちらのほうがおいしいと思いました。

Belgian Waffles with Whipped Cream and Seasonal Fruits メインには、私は「季節のフルーツのベルギーワッフル」、パトリックは「ブルーチーズとほうれん草のオムレツ」を頼みました。季節のフルーツは苺とバナナだったのですが、これがまた苺ひとパック全部に、バナナ一本丸ごと使ったのでは?というくらいのすごい量。その上にさらに泡立てた生クリームがどかっと乗っかって、なんだか昔渋谷の西村フルーツパーラーに行った時のことを思い出してしまいました。おじいちゃんが連れて行ってくれたのですが、ショーウィンドウに飾ってある、真っ赤な苺に生クリームがたっぷり載ったフルーツサンデーがとても魅力的に見えても、なんだかそのきらびやかなサンデーを食べるのは意地汚い気がして、千載一遇のチャンスだったのに結局なにか他のものを頼んだような記憶があります。あんなお砂糖たっぷりの体に悪そうなものを食べたら、ママがなんて言うかしら、なんて思ったりして。でも今はそんなことは気にしないでいいので(いいのか、私!?)、パトリックの広大な胃袋の助けも借りつつ、しっかり完食してしまいました。

パトリックのチョイスはなにやら健康的なオムレツでしたが、溶けたブルーチーズの香りが卵全体に広がってとてもおいしかった、とのこと。私はブルーチーズが大の苦手なので、手は出しませんでした。ところどころにはみ出したほうれん草が、どうやら生から直接炒めたようで、まだ緑が青々として新鮮そうでした。トレ・コロノァーの人気の源は、新鮮な材料やひねりの利いた料理、それにかわいらしい北欧風のインテリア、ということもありますが、さらにお手頃価格なのが決め手です。ワッフルがほぼ7ドル、パトリックのオムレツは8ドルでした。前回来たときに食べたオレンジ・ヴァニラ風味のフレンチトーストは、オレンジの香りの効いたふわふわのおいしさで、たったの6ドル。甘いもので朝ご飯はちょっと、という人には、スウェーデン伝統のじゃがいもの入ったソーセージや、子牛のソーセージを使ったオムレツなどもあります。

お店の周りは緑がいっぱいの住宅地と大学(North Park University)のキャンパスで、食べ過ぎてしまったら春の空気を吸いつつお散歩にも最適です。今日は道端のタンポポの花をくんくんしている犬がいたり、桜満開の小道があったりして、私たちも春を満喫してしまいました。(といっても、あれだけあった生クリームのカロリーを全部消費するのは到底無理だろうなぁ...)

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Tre Kronor
3258 W. Foster Ave. Chicago, IL
773.267.9888
フォスターにはI-94の出口があるので、遠くから来る方にもおすすめです。高速を降りたら2マイルほど東に行った、Kedzieとの角の北側にある白いペンキとレンガの建物です。

Posted by Yu at 21:47 | Comments (0)