2007年09月11日

めちゃうま!バルカン半島のずっしりパン

まだ九月の半ばだというのに、今朝は起きたら11度。涼しいを通り越して早くも寒いシカゴです。まっさらな青空が広がっているのがまだしもの救い。それだけで、なんとなく暖かいような気がするから不思議です。

そんな寒い朝にはあったまるスープでも飲みたいところでしたが、起きてからそう思ったんではもう遅い。キャベツと人参をコンソメで煮るくらいならできたかもしれませんが、やっぱりコトコト煮るのが命のスープ、十分で作ったんじゃなぁ、(しかもソーセージもベーコンもないし...)というわけで「朝から贅沢にスープ」案は却下。その代わりと言ってはなんですが、昨日焼きたてを買ってきたコレ↓を、たっぷり切って暖めて食べました。

Round Balkan Bread

引っ越して近所になったDevon Marketという東欧系のスーパーで見つけた、大きくてどっしりしたバルカン半島のパンです。Round Balkan Breadという曖昧な名前のこのパン、とにかくとんでもなく美味しいのです。思い返してみれば、初めて見た時からインパクト大でした。まず、売っている量が半端じゃありません。文字通り、棚の上に山になっています。サイズも巨大。三十センチは優にある直径、そして高さも十五センチくらいありそうです。お店で焼いているらしく、ほかほか湯気が立つパンが入った茶色の紙袋は、湯気を逃すべく口が開いていて、そこから漂ってくる匂いがもう...。あぁ堪りませんわ。バターとイースト、小麦の香りが充満したパン売り場は、何も買わずには立ち去れない、バミューダ・トライアングル並みの魔の海域(なんのこっちゃ)。

せっかく買うんなら焼きたてが欲しい、ということで、いいタイミングを狙っていたのですが、その好機がついに昨日到来。お店の奥からバルカンパンを山ほど乗せたカートを押して、コロコロに太ったおばちゃんが出てくるところに遭遇したのです。確か冷凍庫のパンは全部消費したはず。ということで、まだ触れないくらいに熱々のバルカンパンを一つ、お買い上げ。あまりの重さに、持ち上げたパンを思わず落としそうになりましたが、危機はなんとか回避して、パンはリュックの中へ。この重さといい、暖かさといい、なんだか赤ちゃんを背負ってるみたい、などと思いつつ、アパートまで自転車を漕ぎ、熱々の赤ちゃんにパンに早速包丁を入れました。

写真を撮るのももどかしく頬張ったパンのおいしかったこと。外側はパリパリ、中はもちもち、と言うと芸がありませんが、本当にその通りの食感でした。薄くキツネ色に色づいた皮は、まるで薄いパイ皮を何層にもみっちり重ねたような、不思議な食感。もちもちしっとりの中身とまるで違う食感で、どうしたらこんな風に二種類の食感になるんだろう、と思います。(でもトウシロの考え休むに似たり、で、全くわかりません...ははは)バターから来るものなのか、薄く塩味がついていて、何も付けなくてもこれだけで十分おいしいパンでした。あんまりおいしいので、お昼はこれだけ。二切れも食べちゃった(汗)。パトリックに焼きたてを食べさせてあげられないのが残念でした。(会社から帰ってすぐ、夕飯の前に一切れご所望でしたが。)

そんなわけで、今朝はこのバルカンパンを真ん中に据えた朝ごはん。扇形に(もちろん)分厚く切ったバルカンパンを暖めて、バターと自家製アプリコットジャムを添えて出しました。それにコーヒーと、実家の庭でなった青リンゴを山ほど。笑っちゃうくらい手抜きな朝ごはんですが、笑っちゃうくらいおいしい朝ご飯でもありましたとさ。今日のお昼もあのパンかな。ひっひっひ。

--------------
Devon Market
1440 W. Devon Ave., Chicago, IL (ClarkとBroadwayの間のClark寄りです。小さいけれど駐車場あり。)
773.338.2572

Continue reading "めちゃうま!バルカン半島のずっしりパン"

Posted by Yu at 10:19 | Comments (831)

2007年07月05日

バクラヴァだけじゃない、レバノンのお菓子屋さん

シカゴ市内の北西にあたるアルバニーパークは、私の地元ロジャースパークに似て、様々な民族の人たちが混在する地域です。アルバニーパークの北部を東西に横切るローレンス・アベニュー(Lawrence)は、そんな他民族な地域を反映して、まるで国連の代表団みたい。イラン料理店から数軒おいてメキシコのスーパーマーケットがあり、そこからもう少し行くとグアテマラのパン屋さん、さらに西に向かうと中華料理店、はたまたお隣は韓国の食器店、という具合に、とにかくいろんな国のことどもが雑多に混在しています。ロジャースパークと違うのは、「混在」という点。ロジャースパークでは、だいたい民族ごとに居住区域が何となく分かれているのですが、アルバニーパークではみんな一緒くたに住んでいる、という感じ。ロジャースパークほど詳しく知っているわけではないので間違っているかもしれませんが、通りを歩いている限りではそんな感じがします。

お店を覗いて歩くだけでも面白いローレンスから、ケズィー(Kedzie)沿いに南に一ブロックほど下がったところに、最近になってとてもおいしいレバノンのベーカリーを見つけました。緑の日よけが目印のこのお店、ベーカリーと食料品店、さらにはちょっとしたレストランまで兼業しています。薄暗い店内には、スパイスやオリーブ、フェタチーズ、ブドウの葉っぱやセモリナ粉など、中近東の食材がぎっしり。粉ものなどは直接輸入しているらしく、誇りっぽい棚にお店の名前のついた袋が山のようになっています。胡麻の粉を固めてナッツやチョコレートを足した、香ばしいハルヴァなど、包装済みのお菓子も色々ありました。奥のカウンターでは、イスラム教の戒律(ザビハ・ハラル、と言うそうです)に従って屠殺したラムや牛肉なども売っています。日本にいたころには、ユダヤ教やイスラムに屠殺の仕方の決まりがあるなんて知りませんでした。何も進歩していない(汗)ようで、多文化国家アメリカで学んだことも結構あるんだな、と思ったりして。

さて、お目当てのベーカリーカウンターは、通りからすぐ見える窓側。年季の入った大きな鉄のオーブンが、これ見よがし(?)に飾ってある、その隣に、ガラスのショーケースが二つ並んでいます。ベーカリーと言っても、ここアル・カイヤーム(Al-Khyam Bakery & Grocery)はパンよりもお菓子が主流。中近東のお菓子というと、ごく薄く、パリパリに焼いたパイ皮のような「ファイロ」と呼ばれるタネ(philo dough)を使ったものが有名ですが、アル・カイヤームにも沢山の種類が揃っています。シカゴではよく見かける、ファイロ生地とはちみつ、クルミやピスタチオなどのナッツ類を層にして重ねたバクラヴァから、同じ形で中身をカスタード風のクリームに変えたもの、さらに春雨のように細く切ったファイロ生地でナッツやドライフルーツをくるんだものなど、とにかく色々あって目移りしてしまいます。

Knafe and Cream-filled Baklava

そんな中で私が気になったのが、巨大なアルミのお皿に載った巨大パンケーキのようなもの。カウンターの後ろのおじさんに「あれは何?」と聞くと、拙い英語で「クナフェ、と言うんだよ。中にチーズが入ってて、蜂蜜がかかってるんだ」と教えてくれました。英語のほうのブログに書くためにスペルを聞いたら、「フランス語なら分かるけど、英語ではどう書くのか分からん」とのこと。私はフランス語がだめだし、こりゃお手上げ、というわけで、家に帰ってからせっせとGoogleして、なんとかそれらしきもの(knafe)を見つけました。それによると、レバノン特産のフレッシュチーズを台にして、セモリナ粉がベースの生地を上に流して焼いたものに蜂蜜をたっぷり含ませたお菓子、とのこと。実際食べてみると、もっちりしたチーズにセモリナ粉の香ばしさがぴったりで、なかなかおいしかったです。蜂蜜に爽やかな、ほとんどレモンみたいな、花の香りがするのにもびっくり。かなり甘いし、乳製品なのでたっぷり食べたいものではありませんが、濃く入れたコーヒーに合わせてほんの少し食べたら、おいしそう。(<--早く食べてみたくてコーヒーも入れなかった人、だ〜れだ)写真の左側に移っているのがそれです。右側は、カスタード風クリームのバクラヴァ(カウンターのおじさん曰く、バクラヴァとは呼ばないそうなのですが、名前を聞くのを忘れました)。

Grhybe

おいしいレバノンの焼き菓子はフランス菓子にも劣らない」と言う人がいますが、これが本当にそうだな、と思わされたのが、このレバノン版バタークッキー。グライビ(grhybe)、とかゴライビ(ghoraibi)、とかいう名前のこのクッキー、外側は文字通り、口に入れたらその瞬間にほの甘い後味だけを残して溶けてしまうような繊細な生地でできています。内側には、もう少しかりかりと歯ごたえのある、ナッツをベースにした(らしき)生地で、ナッツの香ばしさがとろける甘さと合って、もう最高。カウンターのおじさんに「あれは何?」と指差して聞いたら、一つを二つに割って試食用にくれたのですが、パトリックも私も、一口食べて顔を見合わせて唸ってしまうくらいのおいしさでした。早速6個、お買い上げ。スペインだったか、ヨーロッパのどこかのお菓子で、同じような柔らかい繊細な生地で細かく砕いたアーモンドをくるんだスノードロップクッキーというのがありますが、それに近い感じでした。こちらはしっかり、コーヒーを入れてゆっくり味わいました(笑)。しばらくは日持ちするし、上に載ったピスタチオが剥がれてくる以外はかなり丈夫なので、日本へのお土産にも良いかも。アル・カイヤームでは常に大きな(小学校の机サイズの)トレーに一杯焼いてあるので、急に行って買い占めても大丈夫(なはず)です。

----------------
Al-Khyam Bakery and Grocery
4746 N. Kedzie Ave., Chicago, IL
773.583.3099
CTAのブラウン・ラインの、ケズィー駅から北に向かって徒歩一分の左側です。

Posted by Yu at 14:13 | Comments (0)

2007年06月14日

シカゴで一番おいしいアップルパイ。ほんとです。

アメリカにはおいしいパン屋さんがない、というのは、アメリカ在住の日本人には定番の不満ですが、シカゴにはなかなかおいしいパン屋さんが少なくともいくつかはあります。パン好きの私としては、ほっ。Red Hen Bakeryについては以前に書きましたが、郊外にも一軒、アップルパイの物凄くおいしいお店があります。アップルパイと言っても、丸く大きく焼いたのではなくて、正方形の生地をぱたんと二つに折って、一人分サイズで焼いたもので、生地も中身も同じようなものですが、こちらではターンオーバー(turnover)、と呼びます。

Rolf's Patisserieに初めて行った時は、これがほんとにパン屋なの?と言う実用一点張りの外観にたじたじとしながらドアを開けました。隣はだだっ広い敷地に街路灯のような電気が立ち並ぶ車屋だし、交通量が多くて殺伐とした大通りに面していて、とてもおいしいパン屋さんがあるような雰囲気ではありません。Whole Foods Marketで買ったRolf'sのバタークッキーが、まるで日本かヨーロッパの高級店で買ったようなおいしさだったので、勇気を奮い起こして工場の一部をお店にして販売もしているという本店に行ってみたのです。ショーケースの中には、アメリカ風の大味そうな巨大ケーキがあるかと思えば、ヨーロピアンテイストのプチフールが何十種類も並んでいたりして、品揃えはかなり豊富。でもここのお勧めは、なんと言ってもパイ系。

Apple Turnover

入って右手のショーケースの中に、アップルとチェリーの二種類のターンオーバーは並んでいます。(おいしそうでしょう!)他にも、チョコレートクロワッサンや、パイ生地をくるくるとねじってアーモンドを散りばめたものなどもお勧めです。(こういうものは、アメリカ人にとっては朝ごはんなので、朝のうちに行かないと、売り切れてしまう可能性大。)棚の下に置いてある袋に、好きなものを取ってレジに持って行くと、「いくつ?」と聞かれ、いくつペストリーを取ったかを伝えると、いくらになるか計算してくれます。使っているバターが良いのか、とにかく生地がおいしいのです。サクサクしているけれど、こちらのパイ類でよくあるパサパサ感は全くありません。バターの香りが馥郁として、それが甘酸っぱいリンゴのフィリングと絶妙なカップリング。上にはほんの少しお砂糖のグレーズがかかっていて、甘過ぎないところも嬉しいのです。ここのアップル・ターンオーバーは、私が27年の人生で食べた中でも三本の指に入るおいしさです。(いったいどういう関係なのか、デニッシュ系はいまいちです。マフィン類と共に、避けたほうが無難。)

さらに嬉しいのが、ターンオーバーなどのペストリーを買うと、無料でコーヒーをサービスしてくれること。窓際に椅子とテーブルが三組ほどあって、そこで食べることもできます。(窓の外の景色は、単なる駐車場と、その向こうは殺風景に車が行き交う大通りですけどね。)近所の東欧系のおじいちゃんおばあちゃんが、コーヒーをすすりながらの長い雑談で土曜の朝を過ごしていたりして、ちょっとココロも和みます。ここでターンオーバーにかぶりついていると、誕生日のケーキを受け取りに来る若いお母さんや、職場に持って行くのか、大きなトレーに一杯プチフールを買って行くおばさんが三々五々やってきて、皆さんおいしいものを知っているんだな、と思います。(この間は、ウェディングケーキの相談に来たカップルを見かけました。)

ロルフス・パティスリーは周りに何もないところにあるので、このためだけに足を運ぶことになります。でも、その価値はあり。(車がないと行けないので、旅行で来ている方にはちょっと厳しいかも...)我が家からは車で十五分くらいなので、月に一度は週末の朝ごはんを食べに行きます。郊外にお住まいの方なら、車でダウンタウンに行く途中に寄るのが一番良いかもしれません。(ロルフスは、ミルウォーキーとシカゴを結ぶI-94のトゥーイの出口から二分ほど東に行ったところにあります。)ついでに、何種類もあるバタークッキーをお土産に買ったりして。ちょっと重いですが、日本へのお土産にも良いと思います。

-------------------
Rolf’s Patisserie
4343 Touhy Ave., Lincolnwood, IL
847.675.6565

Posted by Yu at 22:25 | Comments (0)

2007年05月06日

さっぱりシナモンロールと苺ごっそりワッフル

なんだかベーカリーのことばかり書いているような気がしますが、このベーカリーは絶対外せないので、載せてしまいます。

アルバニー・パークにあるトレ・コロノァー(Tre Kronor、スウェーデン語で「三つの王冠」)は、朝御飯どきは開店十分で満員になってしまうくらいの人気店です。そんなに人気があると知っていたわけではなかったのですが、私たちは開店十五分ほど前に着いてラッキーでした。九時開店で、九時十分には本当にテーブル一つしか開いていない、という状態で、それからも来るわ来るわ、お客さんの流れが途切れません。お店に入ったときにあまりにウェイトレスさんがたくさんいるので驚いたのですが、あれだけ込み合うのなら納得。

Cinnamon Roll ラッシュ時と空腹が重なってしまったので、メインが出てくるまでに不機嫌にならないように、パトリックがシナモンロールを頼みました。(お腹が空くと不機嫌になるのは私、不当にもそのターゲットになってしまうのがパトリック。汗)特に期待して頼んだわけではなかったのですが、いざ一口食べてみると、おいしくてびっくり。シナモンを間に塗り込んだ生地をころころと丸めた上に溶かしたお砂糖がかかっているのですが、そのグレーズにレモンが入っていたのです。甘さが強くなりがちなシナモンロールにさわやかな酸味が加わって実に結構。シカゴでシナモンロール、と言うとアン・サザー(Ann Sather)のものが有名ですが、お砂糖がお皿から溢れ出すぐらいにどっさりかかっているアン・サザーのより、私はこちらのほうがおいしいと思いました。

Belgian Waffles with Whipped Cream and Seasonal Fruits メインには、私は「季節のフルーツのベルギーワッフル」、パトリックは「ブルーチーズとほうれん草のオムレツ」を頼みました。季節のフルーツは苺とバナナだったのですが、これがまた苺ひとパック全部に、バナナ一本丸ごと使ったのでは?というくらいのすごい量。その上にさらに泡立てた生クリームがどかっと乗っかって、なんだか昔渋谷の西村フルーツパーラーに行った時のことを思い出してしまいました。おじいちゃんが連れて行ってくれたのですが、ショーウィンドウに飾ってある、真っ赤な苺に生クリームがたっぷり載ったフルーツサンデーがとても魅力的に見えても、なんだかそのきらびやかなサンデーを食べるのは意地汚い気がして、千載一遇のチャンスだったのに結局なにか他のものを頼んだような記憶があります。あんなお砂糖たっぷりの体に悪そうなものを食べたら、ママがなんて言うかしら、なんて思ったりして。でも今はそんなことは気にしないでいいので(いいのか、私!?)、パトリックの広大な胃袋の助けも借りつつ、しっかり完食してしまいました。

パトリックのチョイスはなにやら健康的なオムレツでしたが、溶けたブルーチーズの香りが卵全体に広がってとてもおいしかった、とのこと。私はブルーチーズが大の苦手なので、手は出しませんでした。ところどころにはみ出したほうれん草が、どうやら生から直接炒めたようで、まだ緑が青々として新鮮そうでした。トレ・コロノァーの人気の源は、新鮮な材料やひねりの利いた料理、それにかわいらしい北欧風のインテリア、ということもありますが、さらにお手頃価格なのが決め手です。ワッフルがほぼ7ドル、パトリックのオムレツは8ドルでした。前回来たときに食べたオレンジ・ヴァニラ風味のフレンチトーストは、オレンジの香りの効いたふわふわのおいしさで、たったの6ドル。甘いもので朝ご飯はちょっと、という人には、スウェーデン伝統のじゃがいもの入ったソーセージや、子牛のソーセージを使ったオムレツなどもあります。

お店の周りは緑がいっぱいの住宅地と大学(North Park University)のキャンパスで、食べ過ぎてしまったら春の空気を吸いつつお散歩にも最適です。今日は道端のタンポポの花をくんくんしている犬がいたり、桜満開の小道があったりして、私たちも春を満喫してしまいました。(といっても、あれだけあった生クリームのカロリーを全部消費するのは到底無理だろうなぁ...)

-----------------------
Tre Kronor
3258 W. Foster Ave. Chicago, IL
773.267.9888
フォスターにはI-94の出口があるので、遠くから来る方にもおすすめです。高速を降りたら2マイルほど東に行った、Kedzieとの角の北側にある白いペンキとレンガの建物です。

Posted by Yu at 21:47 | Comments (0)

2007年05月03日

アイスクリーム屋さんで昼ごはん

French Traditional Sandwich 月曜日は私もパトリックも在宅勤務なので(って、私は授業がないのでパトリックのアパートで論文を書いているというだけですが)、一緒にお昼を食べます。私が家で簡単なものを作ることもありますが、気分転換も兼ねて外に出ることもよくあります。つい先日も、ラーメンを作る予定だったにもかかわらず、あまりにすばらしいお天気に誘われてふらふらと外に出てしまいました。冬が長いシカゴに住んでいると、花盛りの春の嬉しさが倍増してしまうのです。それで行ったのが、近くのアンダーソンヴィルにあるスウィート・オケイジョンというアイスクリーム屋さん。といってもアイスクリームをお昼に食べたわけではありません。でもその前に、アンダーソンヴィルそのものについて少し。

このアンダーソンヴィル、昔はスウェーデンからの移民がたくさん住んでいたとかで、スウェーデン文化を紹介する小さな美術館があります。(大きなスウィーディッシュ・ベーカリーもありますが、そこのパンはいまいち...)今はスウェーデン人以外の人もたくさん住んでいます。メインストリート沿いには、アメリカには珍しく個人経営のかわいい雑貨屋さんやアンティークショップ、家具屋さんや服屋さんが並び、同じく個人経営のベーカリーやカフェ、レストランもたくさんあって、ウィンドウショッピングをしながらうろうろ散歩するには絶好の街です。メインストリートから一本入ると打って変わって落ち着いた住宅街で、緑も豊富な、とても良いところ。政治的にはとてもリベラルな街で、ゲイをサポートするレインボーカラーの旗があちこちにはためいていたり、フェミニストの読書会を主催する書店(Women and Children First)があったりします。去年私がフェミニズム理論のコースを取った時も、十冊ほどあった教科書はここで買いました。チェーン店の浸食を地域全体でなんとか防ごうという努力もしているようで、地元のコーヒーショップに行くと、オーナーが反スターバックス理論を滔々と語っているのに出会ったりもします。こういうふうに、コミュニティーに密着した政治意識が、生活の一部のようにして存在するのって良いなぁ、と思います。コミュニティーの意識が希薄な都会に住んでいると、余計にそう思います。

とまあそんなわけで、アンダーソンヴィルは私とパトリックのお気に入りの街の一つなのです。それた話題を元に戻すとして、月曜のお昼にいただいたのは、アイスクリームならぬサンドウィッチ。スウィート・オケイジョンでは、ちょっと気の利いた、新鮮野菜たっぷりのヨーロッパ風のサンドイッチが食べられます。私がいただいたのは、フレンチ・トラディション。
半分に切ったバゲットに、ジューシーなトマトの薄切りとシャキシャキの葉もの野菜を敷き詰めて、その上にハムとクリーミーなブリーチーズがどんっ!と載っています。(バゲットの間には入りきらなくて、本当に「載って」いるのです。笑。)決めてはチーズの上にぱらりとかけた万能ネギの小口切りと、碾きたてのブラックペッパー。バゲット自体もかなりおいしくて、野菜もたっぷりで、大満足のお昼でした。ちょっと欲を言うなら、ハムとブリーをもう少し減らしてもらっても良いのだけれど(どちらも塩が強いので、たくさん食べるとしょっぱくなりすぎてしまいます)、そこはそれ、アメリカなので量が多いのはしょうがないのかも。

油もの大好きのアメリカ人たるパトリックは、パニーニをオーダーしました。恐るべきその名もクラーク・ストリート・メス(Clark Street Mess)。 Clark Street Mess 名前からしてどんな油っぽい、健康に悪そうなものが出てくるかと思いきや、出てきたパニーニは意外とあっさり。野菜が全く入っていなくて、ハムにコーンビーフにチーズ、というあたりはやっぱりアメリカなのですが、そこらのレストランで出てくる、かじると油がじゅっと染み出してくるようなパニーニに比べるとかなり許容範囲内でした。グリルしたパンはかりかりで、とろけたチーズとの相性は抜群。マヨネーズが小さなカップに入って出てくるので、使いたくない人は使わなくても良い、というのも嬉しいところ。(パトリックはちゃっかり使ってましたが...だから太るのに!)

このスウィート・オケイジョンは、おとなりのウィスコンシン州に本拠地のあるチョコレートショップ・アイスクリームという会社のアイスクリームを売っていて、夏になると朝から晩まで(ってこともないですが)家族連れや、子供なんかいないけどアイスクリームは大好き、というオトナコドモたちで大繁盛です。(アメリカでは大の男がアイスクリームをなめながら道を歩いていても平気です。マッチョなお国柄かと思いきや、意外とかわいいところもあるようで。)日本ではバスキンロビンスの31アイスクリームや、スーパーで買えるものになるとハーゲンダッツが有名ですが、私はこのチョコレートショップ・アイスクリームのほうがずっと好きです。変な着色料を使っていないところも好感が持てるし、なんといってもクリーミーさが全然違います。アンダーソンヴィルに行く機会があれば、ぜひここのサンドウィッチかアイスクリームを試してみてください。(アイスクリームは、味見OK。"Can I try this one?"と言って試したいのを指差すと、スプーンに取って渡してくれます。)

--------------------------------
Sweet Occasions
5306 N. Clark Street, Chicago, IL
773.275.5190

Posted by Yu at 12:50

2007年05月01日

赤い鶏パン工房

アメリカに来たことのある方ならご存知でしょうが、アメリカでおいしいパンを見つけるのは一苦労です。シカゴも例外ではありません。シカゴ郊外のアーリントンハイツにある日本スーパーに、一応日本のパン屋さんはあるのですが、品揃えを見ると、ややっ、80年代にタイムスリップしたか?!と錯覚を起こしそうなものばかり。アンパンとカレーパンにメロンパン、極めつけにコロッケパン、というノスタルジーな面々を見ていると、日本のちょっとおしゃれなベーカリーが懐かしくなってしまいます。嗚呼ドンク、嗚呼アンデルセン...そんなに高級じゃないベーカリーでもいろんな種類の、しかもおいしくて上質のパンを売っている日本って、やっぱりすごい!

これもニューヨークやサンフランシスコのような、おしゃれさんが群れをなして住んでいる町なら話は違うのでしょうが、シカゴはよく言えば地に足のついた中西部らしい街で、おしゃれなベーカリーが乱立するような風土はあまりないみたいです。(流行に流されないで自分の行き方をかたくなに守っている、という意味ではある種かっこいいですよね。)そんな中で、最近になってシカゴにも数軒、これはおいしい!というベーカリーができてきました。ここのところのアメリカはヨーロッパ仕込みのパン工房がブームだそうで、その(嬉しい)余波が押し寄せてきたようです。その中で私たちが最初に行ってみたのが、ウィッカーパークにあるレッドヘン・ベーカリー。シカゴ美術学校(Art Institute of Chicago)の若い卒業生が数人集まって立ち上げたという、フランス仕込みのベーカリーです。ここに最初に来たのはまだ付き合いだしてすぐだったなぁ...ヲモヘバトホクヘキタモンダ、などと柄にもなく感傷に浸りつつ(笑)、先週行って参りました。

このレッドヘン・ベーカリー、さすがにアーティストの卵たちが開いたお店だけあって、とにかく何もかもかわいい!(考えてみると、お店の人たちもみんな超がつくほどかわいいかも...)お店の屋根には、名前にちなんだ赤い鶏の看板が高々と掲げてあり、小さなお店の中に入ると、手作り風の白いカウンターがぐるりと奥の壁越しにのびています。壁際には天井までの高い棚(これもフランス農村風)に、外側が何ともいい具合にひびが入って粉を吹いたパンがぎっしり。カウンターの上にはこれまたかわいいかごの中に、きつね色のバゲットや、ザラメの粒が輝くアプリコット・デニッシュ、プロシュートの入ったクロワッサンにピーカン・ナッツが顔をのぞかせるスコーンなどがひしめいています。どれも目移りして困るほどおいしそうなのですが、ここのおすすめはクロワッサンとデニッシュ系。発酵バターを使って、その日の気温に合わせて配合も変えているというだけあって、生地が違います。

Puffin Muffins

でもパイじゃないものも試してみたい!という人にお勧めなのは、その名もかわいいパフィン・マフィン。外側がデニッシュ生地で、内側がマフィン、という、一粒で二度おいしい的なスグレモノです。リンゴとラズベリーの二種類があって、自家製のジャムとクリームチーズが一番真ん中に詰まっています。中の生地が溢れて焦げているあたりがおいしそうでしょ。アメリカ製だけあってかなり巨大です。持ち上げると、重みずっしり。一個食べるのが精一杯です。(もう少し小さければ他のものも試せるのに、と恨めしげなのは私、もりもり二つ食べてしまうのは胃袋も大きいパトリック。)

レッドヘンはパンを並べたカウンターだけでぎっしり、というくらいにチッポケなお店なので、私たちはいつもお店から歩いて五分ほどの公園(Damen沿いに南に行ったWicker Parkという公園です)に行って、そこのベンチでパンを食べます。お天気がいいと、犬を散歩させている人や子供を遊ばせている若いカップル、ホームレス風のおじさんたちなどで大にぎわいの公園です。(ウィッカーパークは、十年ほど前から人気が出てきて高級化しつつある地域なので、元々ここに住んでいた人たちには貧しい移民や差別されている黒人が多いのです。高級化のせいで家賃が高くなりすぎて、元々の住人がコミュニティーを追い出されるようなことが多々あるようです。おしゃれなお店やレストランがたくさんできて、見て歩くのは楽しいけれど、その裏で何が起きているかを考えるとちょっと悲しくなる地域ではあります。)そんなことを考えつつ、私たちはまだ一部咲きくらいの桜の下のベンチを占拠。珈琲をすすりつつ、パフィン・マフィンをかじりました。

Tuna Melt French Toast: CRW_6102

普段なら大きなローフを一つ、奥の棚から選んで買って帰るのですが、この日は、冷凍庫の中に半分くらい残ったトスカン・ブレッドがあったので、涙をのんで小さめのバゲットだけにしました。本物のバゲットは日持ちがしない、とよく言いますが、このバゲットは本当に全く日持ちがしないので、翌日の午後にはそのままでは食べられないくらい固くなってしまいます。今回も例によって食べ頃を逃してしまったので、固くなった分はツナメルト風のフレンチトースト(お砂糖を入れないフレンチトーストに、ツナサラダとチーズをのせて暖めただけ)にして、おいしく二日後の朝ご飯にいただきました。


Red Hen Bakery
1623 N. Milwaukee Avenue, Chicago, IL.
773.342.6823
ダウンタウンからなら、CTAのブルーラインで一本です。トンネルからでてすぐのデーメン(Damen)で降りて、ミルウォーキーを北西に向かって徒歩一分。

ディヴァーシー(Diversy)沿いにも支店があります。リンカーンパークに遊びに行った時なら、こちらが便利。
500 W. Diversy Parkway, Chicago, IL.
773.248.6025

Posted by Yu at 09:50