更新を怠っているうちにもうすぐ「先週」の話になってしまいそうなので、慌てて。(と書いて、書きかけのまま週末のほほんと小旅行に行っているうちにまんまと「先週」の話になってしまいました。ははは。)
シカゴで中国系の人が沢山住んでいる地域と言うと、ダウンタウンの南のいわゆるチャイナタウンと、小さめでヴェトナム系が多いようですがアーガイルとブロードウェイの交差点を中心とするエリアが有名です。移民のパターンとして、低賃金の仕事に就かざるを得ない人が多い移民第一世代では都市部に住み、それが学位を取ってプロフェッショナルな仕事に就く人が増えだす第二世代になると、「安全性」と整った教育環境を求めて郊外に流出する、というのが一般的だと、アメリカでは言われています。中国系の移民に関してもそれは同じで、あまり知られていませんが、シカゴ西部の郊外にかなりの数の中国系アメリカ人が住んでいるそうです。
特にダウンタウンからほぼ一直線に西に行ったウェストモント(Westmont)には、60年代に移民して来た台湾系の人たちが沢山住んでいるらしく、中国・台湾系のスーパーや食料品店が集まったインターナショナル・プラザなるものがあります。そこのフードコートで、かなり本格的な台湾式朝ご飯が食べられるという話を最近聞き込んで、ずっとうずうずしていたのですが、ウェストモンとまではなにしろ遠い。レイクショア・ドライブから290に乗り換えて45分はかかります。そんなに遠いところまでただ朝ごはん食べに行くのもねぇ、というわけ。ところが、この間地図を見ていたパトリックが、ウェストモントから15分ほどのところに、こちらも前々から行ってみたかった植物園(Morton Arboretum)があるのを発見。何だそれならこの二つを合わせれば良いじゃん、というわけで、行ってきました。
十時半過ぎから準備を初めてのそのそと行ったので、着いた頃には朝ごはんの時間なんてとうに終わっていましたが、殺風景なフードコートを見回してみると、まだ朝ごはんらしきおかゆやらなにやらを食べている人ばかり。どうやらウェストモントの「朝」はまだまだ続いているようです。ほっと胸を撫で下ろして、とりあえずフードコートの隣のスーパーをうろつきました。普段行っているエスニックスーパーは、中華のものだけ、というわけではなくていろんな国のものをちょこちょこと売っているのですが、ここ(Whole Grain Fresh Foods)は基本的に中華のもののみ。日本のお菓子や韓国の海苔など多少はありましたが、かなりの大きさのスーパーが中華材料だけで埋め尽くされているのはかなり壮観でした。麺類だけで通路の片側が一列ずらりと埋まり、その反対側は中華の乾物だけでぎっしり、といった具合。普段あまり見かけない薬膳粥のセットや、デザート用に細かく挽いたアーモンドや胡麻の粉などもあって、なかなか面白かったです。噂によれば、周りに競争相手がいないからか、お値段は水増しされているようですが。
お腹が空いて来たところで、肝心のフードコートへ。もともとはオフィスビルだったものをフードコートに改装したらしく、なんとな〜く無機質なオフィスの雰囲気が残った建物でした。真ん中の吹き抜けから外の光が入るのがせめてもの救いですが、薄暗いし、照明は蛍光灯だし、それでも雰囲気が良いとは言いがたい感じ。雰囲気より味で勝負、ってことですかね。
台湾小吃やベトナムのフォーなど、それぞれ特定の地域の料理に特化したお店が四軒ほど入っていましたが、混み具合から判断して一番期待の持てそうな粉もの専門店の列に並んでみました。玉堂餃子館(Yu Ton Dumpling House)という、一番右端にあるお店です。「高級餐館的質和量!快餐店的値銭!」がキャッチフレーズのこのお店(笑)、とにかく大人気で、中国人と台湾人と思われるお客さんの列が途切れることがありませんでした。巨大な揚げパンやおかゆが、カウンターの後ろの小さな厨房から飛ぶように出てきます。私たちは、週末と祝日限定の朝ごはんメニューから、巨大揚げパン(twisted cruller)、豆腐花(soybean jello)、韮饅頭(chive bun)、海鮮粥(seafood congee)を、それに普通のメニューから厚揚げと豚肉のトウチジャン炒めを頼みました。美味しそうな匂いと「週末限定」に惹かれて、明らかに頼みすぎ(爆)。しかしトウチジャン炒めについてきたご飯以外は全部完食(さらに爆)。
だって美味しかったんだもん(笑)。厚揚げと豚肉のトウチジャン炒めは、想像通りの、コクがあってがつんと来る味。普通の中華料理屋さんで食べるよりもなんとなく家庭料理に近いような気がしましたが、それは「台湾人が大挙して押し寄せる朝ごはんの店で食べている」という雰囲気のなせる技だったかもしれません。トウチと聞くと目が輝くパトリックもご満悦でした。
(長くなって来たので、続きは次回。)
まだ九月の半ばだというのに、今朝は起きたら11度。涼しいを通り越して早くも寒いシカゴです。まっさらな青空が広がっているのがまだしもの救い。それだけで、なんとなく暖かいような気がするから不思議です。
そんな寒い朝にはあったまるスープでも飲みたいところでしたが、起きてからそう思ったんではもう遅い。キャベツと人参をコンソメで煮るくらいならできたかもしれませんが、やっぱりコトコト煮るのが命のスープ、十分で作ったんじゃなぁ、(しかもソーセージもベーコンもないし...)というわけで「朝から贅沢にスープ」案は却下。その代わりと言ってはなんですが、昨日焼きたてを買ってきたコレ↓を、たっぷり切って暖めて食べました。
引っ越して近所になったDevon Marketという東欧系のスーパーで見つけた、大きくてどっしりしたバルカン半島のパンです。Round Balkan Breadという曖昧な名前のこのパン、とにかくとんでもなく美味しいのです。思い返してみれば、初めて見た時からインパクト大でした。まず、売っている量が半端じゃありません。文字通り、棚の上に山になっています。サイズも巨大。三十センチは優にある直径、そして高さも十五センチくらいありそうです。お店で焼いているらしく、ほかほか湯気が立つパンが入った茶色の紙袋は、湯気を逃すべく口が開いていて、そこから漂ってくる匂いがもう...。あぁ堪りませんわ。バターとイースト、小麦の香りが充満したパン売り場は、何も買わずには立ち去れない、バミューダ・トライアングル並みの魔の海域(なんのこっちゃ)。
せっかく買うんなら焼きたてが欲しい、ということで、いいタイミングを狙っていたのですが、その好機がついに昨日到来。お店の奥からバルカンパンを山ほど乗せたカートを押して、コロコロに太ったおばちゃんが出てくるところに遭遇したのです。確か冷凍庫のパンは全部消費したはず。ということで、まだ触れないくらいに熱々のバルカンパンを一つ、お買い上げ。あまりの重さに、持ち上げたパンを思わず落としそうになりましたが、危機はなんとか回避して、パンはリュックの中へ。この重さといい、暖かさといい、なんだか赤ちゃんを背負ってるみたい、などと思いつつ、アパートまで自転車を漕ぎ、熱々の赤ちゃんにパンに早速包丁を入れました。
写真を撮るのももどかしく頬張ったパンのおいしかったこと。外側はパリパリ、中はもちもち、と言うと芸がありませんが、本当にその通りの食感でした。薄くキツネ色に色づいた皮は、まるで薄いパイ皮を何層にもみっちり重ねたような、不思議な食感。もちもちしっとりの中身とまるで違う食感で、どうしたらこんな風に二種類の食感になるんだろう、と思います。(でもトウシロの考え休むに似たり、で、全くわかりません...ははは)バターから来るものなのか、薄く塩味がついていて、何も付けなくてもこれだけで十分おいしいパンでした。あんまりおいしいので、お昼はこれだけ。二切れも食べちゃった(汗)。パトリックに焼きたてを食べさせてあげられないのが残念でした。(会社から帰ってすぐ、夕飯の前に一切れご所望でしたが。)
そんなわけで、今朝はこのバルカンパンを真ん中に据えた朝ごはん。扇形に(もちろん)分厚く切ったバルカンパンを暖めて、バターと自家製アプリコットジャムを添えて出しました。それにコーヒーと、実家の庭でなった青リンゴを山ほど。笑っちゃうくらい手抜きな朝ごはんですが、笑っちゃうくらいおいしい朝ご飯でもありましたとさ。今日のお昼もあのパンかな。ひっひっひ。
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Devon Market
1440 W. Devon Ave., Chicago, IL (ClarkとBroadwayの間のClark寄りです。小さいけれど駐車場あり。)
773.338.2572
シカゴから車で一時間ちょっとのところにあるVoloという街に巨大アンティークモールがある、と聞き込んできて、ちょうどパトリックの持っているガタガタのダイニングテーブルの後釜を探しているところだったので、行ってきました。郊外に住んでいる私の母も誘って、もろアジア人の母娘に紅毛碧眼のパトリック、という妙なトリオで。(実はこの凸凹トリオでアラスカにも行っていたりします。母の参加に嫌な顔一つしないパトリックに、本当に感謝です。)日曜日は混むに違いない、ということで、朝八時に実家に集合し、実家の近くのウォーカーブラザーズ・パンケーキハウスで腹ごしらえ、そのままVoloに向かうことにしました。
ウォーカーブラザーズは、シカゴ北部に支店がいくつかあるパンケーキ専門店で、いつも朝は早くから家族連れで大盛況。それもそのはず、ここのパンケーキはチョコチップからブルーベリーまで、どれを食べてもふわふわで、ほんのり卵の味がして、おいしいんです。オムレツやクレープもありますが、ここのお勧めはなんと言ってもこのアップルパンケーキ。洗面器に入れて焼いたんじゃないの?というくらい巨大なパンケーキの中には甘酸っぱいリンゴがたっぷり、上にはシナモンの利いたカラメルソースがこれまたたっぷりかかっています。(カロリー高そ...)かなり分厚いのに、卵の優しい味のする生地はふんわりと軽くて、ついつい食べ過ぎてしまいます。今回は、このアップルパンケーキ以外にスモークしたハラペーニョ(チポトレ・チリ、と言います)がぴりりと辛いクリームソースのかかった鶏肉とピーマンのクレープと、たっぷりのほうれん草にポーチド・エッグの載ったものを頼んで、三人で分けました。アップルパンケーキを半分お持ち帰りにしましたが、やっぱりそれでも食べ過ぎ感は否めず(笑)。お腹がいっぱいになったところで、いざ北進です。
ウィスコンシンとイリノイを結ぶ州間高速(interstate)のI-94に乗ったほうが早いのは分かっていましたが、高速に乗ってしまうと景色のほうがつまらないので、今回は一般道で行きました。超のつくお金持ちが大挙して(?)住んでいるという噂のレイク・フォレストなどを過ぎ、一時間ほどのんびりとドライブしていくと、新興住宅地の間にぽつりぽつりとトウモロコシ畑が現れだしました。朝方の風に吹かれて揺れる葉っぱが涼しげです。そのあたりで120に乗り換え、今度はひたすら西へ。ここまで来ると時折背の高いサイロや大きな納屋のある農家があったりして、郊外のベッドタウンに浸食されつつはあっても、まだまだ田舎の雰囲気が残っていました。問題のアンティークモールも、その雰囲気を残して、昔の納屋を改装したらしき作りになっていました。
さてこのモール、大きいとは聞いていましたが、実際行ってみると、いやはや聞きしに勝る大きさでした。アンティークを売っている建物だけで三つ、それ以外に(私たちは行きませんでしたが)自動車博物館が併設されていて、さらに「アンティークというほど古くはないけど、でもコレクターアイテム」的なものを売っている建物がもう一つ。個人の骨董屋さんが棚やブースをひと月いくらで借り、そこに並べた商品をモールの従業員に委託して売るというシステムになっているようで、小さなものは指ぬきや香水瓶から大きなものはタンスやベッドまで、とにかく古めかしいものがこれでもかっっ!というくらいギッシリ並んでいました。おばあちゃんの家の押し入れのような、古いもの特有の匂いがして、ああ、この匂いって洋の東西を問わないんだなぁ、なんて妙に感じ入ってしまったりして。最初は面白がって見ていた私たちも、二つ目の建物の最初の数部屋を回ったあたりで疲れきってしまいました。とりあえずアイスティーを飲んで木陰で休憩し、眼をつけておいたものを数点買って、車に戻ると、それもそのはず、もう二時間以上もうろうろしていたのでした。
これは私の戦利品。小ぶりな急須と、お猪口より一回り大きいくらいの小さなお茶碗のセットです。ぼってり分厚い食器ばかりのアメリカで、日本風の薄い焼き物を見つけて嬉しくなって、急須の持ち手も掛けているし、蓋は行方不明だし、さらにはお茶碗の一つにひびも入っているのに、つい買ってしまいました。もともとこれでお茶を入れる気はないんです。お茶碗はソースを入れたり、ちょこっとおつまみを盛ったりするのに使うつもりで、こちらがメイン。急須のほうは、秋になったら菊でも飾ったら素敵かな、と思って。セットで$3.95というお買い得なお値段だったので、ほとんど考えずにお買い上げ。どんな料理とあわせようかと考える楽しみだけで、値段の元は十分取れそうなくらいです。
お茶碗を裏返すと、「九谷造」なんて怪しげな銘が入っていました。柄になった平安貴族の顔もなんだか微妙だし、ほんとに九谷かねぇ、と思いますが、字の形は漢字を知っている人が書いた感じです。九谷焼ではなくても、日本か中国で作られたものだろうな、と思います。いつ頃、どこで作られて、どんな経路でアメリカに来たんだろうと思うと、骨董品とは呼べないようなへなちょこアンティークでも、面白いですよね。母はと言うと、ほっこりした雰囲気のぶどうの模様のついたティーカップとソーサーのセットを二客、それにお揃いの砂糖つぼを買っていました。私の趣味からするとちょっと可愛らしすぎるけれど、母は嬉しそうだったので、一緒に行った甲斐があったというものです。あれだけ沢山あっても、これ!という物がなかなかありませんでしたが、だからこそ面白い物を見つけた時の嬉しさは倍増。ちょっと今は骨董はしばらくいいよ、という気分ですが、またしばらくしたら行ってみようと思います。
骨董疲れしたあとは、モールから車で二十分くらいのケトル・モレイン・ステートパーク(Kettle Moraine State Park)に行き、一周二マイルのループになったトレイルを、のんびりバードウォッチングをしながら散歩してきました。湿地帯を抜け、森に入り、今度は夏の花の咲き乱れる大草原をかすって、と変化のあるトレイルは小鳥の宝庫で、バードウォッチング大好きの母もパトリックも大喜びでした。インディゴ・バンティングやスカーレット・タネジャー、レッド・ヘッディッド・ウッドペッカーなど、見たことはあっても普段なかなかお目にかかれない小鳥がいるかと思えば、見たこともない色とりどりな小鳥も沢山いて、いつもはバードウォッチング狂とは言えない私も興奮してしまいました。湿地帯ではなんとビーバーまで目撃(なにやらものすごい水音を立てて、お昼ごはんの後を追っていました...笑)。野生のビーバーを見るなんて初めてです!
あっちで止まり、こっちで止まり、とのろのろ歩いていたら、たった二マイルのコースに一時間も掛かってしまい、駐車場に戻ってくるころには三人とも腹ぺこ。途中で見かけたカルヴァーズ(Culver's)というソフトクリームのおいしいファーストフード店で遅いお昼にしました。朝あんなにコッテリしたものを山ほど食べたのにお昼もこれではなぁ、と思いつつも、アメリカの田舎のこととて気の利いたものをちょこっと出してくれるようなお店は見つかるはずもなく、ファーストフードにしてはおいしいこのお店へ。もちろん、ソフトクリームも食べましたよ(爆)。
三人で一番小さいのを一つ買って分けたので、罪悪感も三分の一(なのか?)。カシューナッツの塩味が利いていて、アメリカ人の好きなスィート&ソルティーの絶妙な組み合わせで、結構おいしかったです。お腹は一杯だし、一日フルに稼働した疲れもあって、帰りの運転は睡魔との戦いでしたが、久しぶりに遠出して楽しかったぁ〜。
食いしん坊の私にとって、シカゴの短い夏は地元の野菜や果物がたっぷり食べられる至福の時。この時ばかりはスーパーから足が遠のき、五月の半ばから十月の半ばまで開かれるファーマーズマーケットに、毎週のように通います。いくつもあるシカゴ近郊のファーマーズマーケットの中で、私たちが特によく行くのが、エヴァンストンのものと、リンカーンパークで開かれるグリーンシティ・マーケット。エヴァンストンは近いのと、日本の野菜を無農薬で栽培しているHenry's Farmのスタンドがあるのでよく行くのですが、やはり(出たがりシカゴ市長のリチャード・デイリーが全面的にバックアップしている)グリーンシティ・マーケットには品揃えの点で遠く及ばないようです。夏真っ盛りだからなのか、ここ数週間グリーンシティ・マーケットにも大根や茄子などの日本の野菜が出回るようになってきて、私にとっては嬉しい限り。昨日も、パトリックを引き連れて朝っぱらから買い出しでした。
色々買った中から、今朝使ったのはこの真っ赤な人参。日本の金時人参のような、深みのある赤い皮をしていますが、それを剥いた内側は、普通の人参よりはちょっと濃いめかな、という程度の橙色。白から黄色、オレンジ、深紅まで、色とりどりの人参が山積みになったお店から買いました。切りながら一口食べてみると、物凄い人参の味で、生の人参が苦手な私はちょっと後ずさりしてしまうくらいでした。さすが産地直送、ということでしょうか。この人参に、白玉団子を作った時の残りのジュウェル・ヤムと、野菜室に一人残って寂しそうなじゃがいも君、さらにタマネギと万能ネギを合わせて、根菜ごろごろのハッシュにします。
週末の朝ごはんにはやたら気合いの入るアメリカ、朝ごはん(もしくはブランチ)に力を入れているレストランやカフェで卵料理を注文すると、このハッシュがよく一緒についてきます。基本的には、じゃがいもとタマネギにコーンビーフかベーコンをあわせて、細かく切ったものを焦げ目がつくように焼いた料理なのですが、じゃがいもを大きめにごろごろ切ったものもよく見かけます。このごろごろ版ハッシュはブレックファスト・ポテト、と呼ばれることが多いようです。じっくり焼いて甘みが出て、さらにタマネギが焦げた所が最高。どちらもおいしいけれど、油を吸いすぎない、という意味ではごろごろバージョンのほうが健康的な(ような気がする)ので、うちではいつもこっちを作ります。切る手間も省けて楽だし(笑)。
根菜ごろごろハッシュ(二人分、根菜の種類は手元にあるもので適当に...)
根菜類は一口サイズに切ります。タマネギと万能ネギは荒みじん。ニンニクはみじん切り。根菜類が重ならずに並ぶサイズのフライパンにバターを熱し、ニンニクを炒めます。良い香りがしてきたら、根菜類とタマネギを投入、根菜を重ならないように並べ、火を弱めて焼き色がつくように焼きます。焦げた所がおいしいので、炒めるというより焼く感じで。両面に焦げ目がつくように一度全体をひっくり返す以外、基本的には放っておけばよい料理なので、そのあいだに卵を焼いたり、果物を切ったりします。根菜類にほぼ火が通ったら、万能ネギを加え、塩とチリパウダーで味をつけます。万能ネギがしんなりして焦げ目がついたら完成。
生で試食した時にはあんなに人参臭かった(失礼!)人参が、じっくりゆっくり火を通したことで信じられないくらい甘くなっていました。ヤム芋と同等か、それ以上に甘みがあって、まるで焼芋みたい。人参嫌いの子供でも、言わなければ分からずに食べてしまいそうです。チリパウダーの辛みとバターのコクに、根菜類の自然な甘みが加わって、さらに焦げたタマネギの香ばしい香りがおいしくて、朝からしっかり食べてしまいました。(今日の卵は、これもグリーンシティ・マーケットで調達したヒラタケ入りのスクランブル。)ごろごろハッシュは、じっくり焼くので時間がかかります。忙しい朝や、起きた時点ですでに腹ペコ、という日には向きませんが、のんびり待てる週末には最高の朝ごはんです。
アメリカにはおいしいパン屋さんがない、というのは、アメリカ在住の日本人には定番の不満ですが、シカゴにはなかなかおいしいパン屋さんが少なくともいくつかはあります。パン好きの私としては、ほっ。Red Hen Bakeryについては以前に書きましたが、郊外にも一軒、アップルパイの物凄くおいしいお店があります。アップルパイと言っても、丸く大きく焼いたのではなくて、正方形の生地をぱたんと二つに折って、一人分サイズで焼いたもので、生地も中身も同じようなものですが、こちらではターンオーバー(turnover)、と呼びます。
Rolf's Patisserieに初めて行った時は、これがほんとにパン屋なの?と言う実用一点張りの外観にたじたじとしながらドアを開けました。隣はだだっ広い敷地に街路灯のような電気が立ち並ぶ車屋だし、交通量が多くて殺伐とした大通りに面していて、とてもおいしいパン屋さんがあるような雰囲気ではありません。Whole Foods Marketで買ったRolf'sのバタークッキーが、まるで日本かヨーロッパの高級店で買ったようなおいしさだったので、勇気を奮い起こして工場の一部をお店にして販売もしているという本店に行ってみたのです。ショーケースの中には、アメリカ風の大味そうな巨大ケーキがあるかと思えば、ヨーロピアンテイストのプチフールが何十種類も並んでいたりして、品揃えはかなり豊富。でもここのお勧めは、なんと言ってもパイ系。
入って右手のショーケースの中に、アップルとチェリーの二種類のターンオーバーは並んでいます。(おいしそうでしょう!)他にも、チョコレートクロワッサンや、パイ生地をくるくるとねじってアーモンドを散りばめたものなどもお勧めです。(こういうものは、アメリカ人にとっては朝ごはんなので、朝のうちに行かないと、売り切れてしまう可能性大。)棚の下に置いてある袋に、好きなものを取ってレジに持って行くと、「いくつ?」と聞かれ、いくつペストリーを取ったかを伝えると、いくらになるか計算してくれます。使っているバターが良いのか、とにかく生地がおいしいのです。サクサクしているけれど、こちらのパイ類でよくあるパサパサ感は全くありません。バターの香りが馥郁として、それが甘酸っぱいリンゴのフィリングと絶妙なカップリング。上にはほんの少しお砂糖のグレーズがかかっていて、甘過ぎないところも嬉しいのです。ここのアップル・ターンオーバーは、私が27年の人生で食べた中でも三本の指に入るおいしさです。(いったいどういう関係なのか、デニッシュ系はいまいちです。マフィン類と共に、避けたほうが無難。)
さらに嬉しいのが、ターンオーバーなどのペストリーを買うと、無料でコーヒーをサービスしてくれること。窓際に椅子とテーブルが三組ほどあって、そこで食べることもできます。(窓の外の景色は、単なる駐車場と、その向こうは殺風景に車が行き交う大通りですけどね。)近所の東欧系のおじいちゃんおばあちゃんが、コーヒーをすすりながらの長い雑談で土曜の朝を過ごしていたりして、ちょっとココロも和みます。ここでターンオーバーにかぶりついていると、誕生日のケーキを受け取りに来る若いお母さんや、職場に持って行くのか、大きなトレーに一杯プチフールを買って行くおばさんが三々五々やってきて、皆さんおいしいものを知っているんだな、と思います。(この間は、ウェディングケーキの相談に来たカップルを見かけました。)
ロルフス・パティスリーは周りに何もないところにあるので、このためだけに足を運ぶことになります。でも、その価値はあり。(車がないと行けないので、旅行で来ている方にはちょっと厳しいかも...)我が家からは車で十五分くらいなので、月に一度は週末の朝ごはんを食べに行きます。郊外にお住まいの方なら、車でダウンタウンに行く途中に寄るのが一番良いかもしれません。(ロルフスは、ミルウォーキーとシカゴを結ぶI-94のトゥーイの出口から二分ほど東に行ったところにあります。)ついでに、何種類もあるバタークッキーをお土産に買ったりして。ちょっと重いですが、日本へのお土産にも良いと思います。
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Rolf’s Patisserie
4343 Touhy Ave., Lincolnwood, IL
847.675.6565
旅行の話をちょっと中断して、今日はゴボウの話です。アジア系のスーパーがあって本当に嬉しい!と思うのが、ゴボウを買うとき(他にもいろいろ手に入って便利なものはありますが)。子供の頃はゴボウなんて何がおいしいんだかさっぱり分かりませんでしたが、やはり年を重ねると、この土臭い独特の味は病み付きになります。きんぴらにしたり豚汁に入れたり、これでゴボウがなかったら毎日の食卓がさぞかし寂しいことだろう、と思うと、ややもすると鮮度に疑問符がつくような日本スーパーや、品揃えに波のある韓国スーパーにも感謝の手を合わせたくなります。パトリックも、ばりばりアメリカ人のくせにゴボウは大好物で、きんぴらなど「おいしい、おいしい」といってもりもり食べてくれます。(へんなの。)
そんな我が家で唯一困るのが、ゴボウを一本ずつ買えない、ということ。日本でもだいたいゴボウは二本一組で売っていますが、こちらのゴボウ君はさらに大きな三本一組や四本一組、なんてこともざらで、毎日料理をしない二人家族の我が家では使い切れないくらい。しかしアメリカのゴボウは高級食材なので、無駄にする訳にはいきません。そんなわけで、なんだか端の方がしなびてきたなぁ、なんていう時には、まとめてきんぴらにしてしまいます。味を少し濃いめにしておけば、白いご飯に混ぜて混ぜご飯にしたり、朝の卵に混ぜて和風スクランブルエッグにしたり、で、結構使いでがあります。
これは少し前に作ったきんぴら入りスクランブルエッグ。万能ネギの刻んだのをたっぷり入れて、さっぱり感を出すのがポイントです。きんぴらで十分卵にも味が回るので、それ以外には何も入れません。付け合わせには、これも冷蔵庫の中で若干わびしげな姿になりつつあったさやえんどうを塩炒めにしました。今アメリカでは日本食ブームで、ちょっと小洒落たフュージョン系のレストランなんかにいくと、ソースに椎茸を使ったアメ食が出てきたりしますが、次のクールな食材はゴボウなのでは?と一人静かに思う今日この頃です。(でもまだレストランでゴボウが出てくるのを見たことはないですが。)このブログの英語版が、ゴボウブームの火付け役になって...なんてことはないかしら。
なんだかベーカリーのことばかり書いているような気がしますが、このベーカリーは絶対外せないので、載せてしまいます。
アルバニー・パークにあるトレ・コロノァー(Tre Kronor、スウェーデン語で「三つの王冠」)は、朝御飯どきは開店十分で満員になってしまうくらいの人気店です。そんなに人気があると知っていたわけではなかったのですが、私たちは開店十五分ほど前に着いてラッキーでした。九時開店で、九時十分には本当にテーブル一つしか開いていない、という状態で、それからも来るわ来るわ、お客さんの流れが途切れません。お店に入ったときにあまりにウェイトレスさんがたくさんいるので驚いたのですが、あれだけ込み合うのなら納得。
ラッシュ時と空腹が重なってしまったので、メインが出てくるまでに不機嫌にならないように、パトリックがシナモンロールを頼みました。(お腹が空くと不機嫌になるのは私、不当にもそのターゲットになってしまうのがパトリック。汗)特に期待して頼んだわけではなかったのですが、いざ一口食べてみると、おいしくてびっくり。シナモンを間に塗り込んだ生地をころころと丸めた上に溶かしたお砂糖がかかっているのですが、そのグレーズにレモンが入っていたのです。甘さが強くなりがちなシナモンロールにさわやかな酸味が加わって実に結構。シカゴでシナモンロール、と言うとアン・サザー(Ann Sather)のものが有名ですが、お砂糖がお皿から溢れ出すぐらいにどっさりかかっているアン・サザーのより、私はこちらのほうがおいしいと思いました。
メインには、私は「季節のフルーツのベルギーワッフル」、パトリックは「ブルーチーズとほうれん草のオムレツ」を頼みました。季節のフルーツは苺とバナナだったのですが、これがまた苺ひとパック全部に、バナナ一本丸ごと使ったのでは?というくらいのすごい量。その上にさらに泡立てた生クリームがどかっと乗っかって、なんだか昔渋谷の西村フルーツパーラーに行った時のことを思い出してしまいました。おじいちゃんが連れて行ってくれたのですが、ショーウィンドウに飾ってある、真っ赤な苺に生クリームがたっぷり載ったフルーツサンデーがとても魅力的に見えても、なんだかそのきらびやかなサンデーを食べるのは意地汚い気がして、千載一遇のチャンスだったのに結局なにか他のものを頼んだような記憶があります。あんなお砂糖たっぷりの体に悪そうなものを食べたら、ママがなんて言うかしら、なんて思ったりして。でも今はそんなことは気にしないでいいので(いいのか、私!?)、パトリックの広大な胃袋の助けも借りつつ、しっかり完食してしまいました。
パトリックのチョイスはなにやら健康的なオムレツでしたが、溶けたブルーチーズの香りが卵全体に広がってとてもおいしかった、とのこと。私はブルーチーズが大の苦手なので、手は出しませんでした。ところどころにはみ出したほうれん草が、どうやら生から直接炒めたようで、まだ緑が青々として新鮮そうでした。トレ・コロノァーの人気の源は、新鮮な材料やひねりの利いた料理、それにかわいらしい北欧風のインテリア、ということもありますが、さらにお手頃価格なのが決め手です。ワッフルがほぼ7ドル、パトリックのオムレツは8ドルでした。前回来たときに食べたオレンジ・ヴァニラ風味のフレンチトーストは、オレンジの香りの効いたふわふわのおいしさで、たったの6ドル。甘いもので朝ご飯はちょっと、という人には、スウェーデン伝統のじゃがいもの入ったソーセージや、子牛のソーセージを使ったオムレツなどもあります。
お店の周りは緑がいっぱいの住宅地と大学(North Park University)のキャンパスで、食べ過ぎてしまったら春の空気を吸いつつお散歩にも最適です。今日は道端のタンポポの花をくんくんしている犬がいたり、桜満開の小道があったりして、私たちも春を満喫してしまいました。(といっても、あれだけあった生クリームのカロリーを全部消費するのは到底無理だろうなぁ...)
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Tre Kronor
3258 W. Foster Ave. Chicago, IL
773.267.9888
フォスターにはI-94の出口があるので、遠くから来る方にもおすすめです。高速を降りたら2マイルほど東に行った、Kedzieとの角の北側にある白いペンキとレンガの建物です。
アメリカに来たことのある方ならご存知でしょうが、アメリカでおいしいパンを見つけるのは一苦労です。シカゴも例外ではありません。シカゴ郊外のアーリントンハイツにある日本スーパーに、一応日本のパン屋さんはあるのですが、品揃えを見ると、ややっ、80年代にタイムスリップしたか?!と錯覚を起こしそうなものばかり。アンパンとカレーパンにメロンパン、極めつけにコロッケパン、というノスタルジーな面々を見ていると、日本のちょっとおしゃれなベーカリーが懐かしくなってしまいます。嗚呼ドンク、嗚呼アンデルセン...そんなに高級じゃないベーカリーでもいろんな種類の、しかもおいしくて上質のパンを売っている日本って、やっぱりすごい!
これもニューヨークやサンフランシスコのような、おしゃれさんが群れをなして住んでいる町なら話は違うのでしょうが、シカゴはよく言えば地に足のついた中西部らしい街で、おしゃれなベーカリーが乱立するような風土はあまりないみたいです。(流行に流されないで自分の行き方をかたくなに守っている、という意味ではある種かっこいいですよね。)そんな中で、最近になってシカゴにも数軒、これはおいしい!というベーカリーができてきました。ここのところのアメリカはヨーロッパ仕込みのパン工房がブームだそうで、その(嬉しい)余波が押し寄せてきたようです。その中で私たちが最初に行ってみたのが、ウィッカーパークにあるレッドヘン・ベーカリー。シカゴ美術学校(Art Institute of Chicago)の若い卒業生が数人集まって立ち上げたという、フランス仕込みのベーカリーです。ここに最初に来たのはまだ付き合いだしてすぐだったなぁ...ヲモヘバトホクヘキタモンダ、などと柄にもなく感傷に浸りつつ(笑)、先週行って参りました。
このレッドヘン・ベーカリー、さすがにアーティストの卵たちが開いたお店だけあって、とにかく何もかもかわいい!(考えてみると、お店の人たちもみんな超がつくほどかわいいかも...)お店の屋根には、名前にちなんだ赤い鶏の看板が高々と掲げてあり、小さなお店の中に入ると、手作り風の白いカウンターがぐるりと奥の壁越しにのびています。壁際には天井までの高い棚(これもフランス農村風)に、外側が何ともいい具合にひびが入って粉を吹いたパンがぎっしり。カウンターの上にはこれまたかわいいかごの中に、きつね色のバゲットや、ザラメの粒が輝くアプリコット・デニッシュ、プロシュートの入ったクロワッサンにピーカン・ナッツが顔をのぞかせるスコーンなどがひしめいています。どれも目移りして困るほどおいしそうなのですが、ここのおすすめはクロワッサンとデニッシュ系。発酵バターを使って、その日の気温に合わせて配合も変えているというだけあって、生地が違います。
でもパイじゃないものも試してみたい!という人にお勧めなのは、その名もかわいいパフィン・マフィン。外側がデニッシュ生地で、内側がマフィン、という、一粒で二度おいしい的なスグレモノです。リンゴとラズベリーの二種類があって、自家製のジャムとクリームチーズが一番真ん中に詰まっています。中の生地が溢れて焦げているあたりがおいしそうでしょ。アメリカ製だけあってかなり巨大です。持ち上げると、重みずっしり。一個食べるのが精一杯です。(もう少し小さければ他のものも試せるのに、と恨めしげなのは私、もりもり二つ食べてしまうのは胃袋も大きいパトリック。)
レッドヘンはパンを並べたカウンターだけでぎっしり、というくらいにチッポケなお店なので、私たちはいつもお店から歩いて五分ほどの公園(Damen沿いに南に行ったWicker Parkという公園です)に行って、そこのベンチでパンを食べます。お天気がいいと、犬を散歩させている人や子供を遊ばせている若いカップル、ホームレス風のおじさんたちなどで大にぎわいの公園です。(ウィッカーパークは、十年ほど前から人気が出てきて高級化しつつある地域なので、元々ここに住んでいた人たちには貧しい移民や差別されている黒人が多いのです。高級化のせいで家賃が高くなりすぎて、元々の住人がコミュニティーを追い出されるようなことが多々あるようです。おしゃれなお店やレストランがたくさんできて、見て歩くのは楽しいけれど、その裏で何が起きているかを考えるとちょっと悲しくなる地域ではあります。)そんなことを考えつつ、私たちはまだ一部咲きくらいの桜の下のベンチを占拠。珈琲をすすりつつ、パフィン・マフィンをかじりました。
普段なら大きなローフを一つ、奥の棚から選んで買って帰るのですが、この日は、冷凍庫の中に半分くらい残ったトスカン・ブレッドがあったので、涙をのんで小さめのバゲットだけにしました。本物のバゲットは日持ちがしない、とよく言いますが、このバゲットは本当に全く日持ちがしないので、翌日の午後にはそのままでは食べられないくらい固くなってしまいます。今回も例によって食べ頃を逃してしまったので、固くなった分はツナメルト風のフレンチトースト(お砂糖を入れないフレンチトーストに、ツナサラダとチーズをのせて暖めただけ)にして、おいしく二日後の朝ご飯にいただきました。
Red Hen Bakery
1623 N. Milwaukee Avenue, Chicago, IL.
773.342.6823
ダウンタウンからなら、CTAのブルーラインで一本です。トンネルからでてすぐのデーメン(Damen)で降りて、ミルウォーキーを北西に向かって徒歩一分。
ディヴァーシー(Diversy)沿いにも支店があります。リンカーンパークに遊びに行った時なら、こちらが便利。
500 W. Diversy Parkway, Chicago, IL.
773.248.6025
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