まだ九月の半ばだというのに、今朝は起きたら11度。涼しいを通り越して早くも寒いシカゴです。まっさらな青空が広がっているのがまだしもの救い。それだけで、なんとなく暖かいような気がするから不思議です。
そんな寒い朝にはあったまるスープでも飲みたいところでしたが、起きてからそう思ったんではもう遅い。キャベツと人参をコンソメで煮るくらいならできたかもしれませんが、やっぱりコトコト煮るのが命のスープ、十分で作ったんじゃなぁ、(しかもソーセージもベーコンもないし...)というわけで「朝から贅沢にスープ」案は却下。その代わりと言ってはなんですが、昨日焼きたてを買ってきたコレ↓を、たっぷり切って暖めて食べました。
引っ越して近所になったDevon Marketという東欧系のスーパーで見つけた、大きくてどっしりしたバルカン半島のパンです。Round Balkan Breadという曖昧な名前のこのパン、とにかくとんでもなく美味しいのです。思い返してみれば、初めて見た時からインパクト大でした。まず、売っている量が半端じゃありません。文字通り、棚の上に山になっています。サイズも巨大。三十センチは優にある直径、そして高さも十五センチくらいありそうです。お店で焼いているらしく、ほかほか湯気が立つパンが入った茶色の紙袋は、湯気を逃すべく口が開いていて、そこから漂ってくる匂いがもう...。あぁ堪りませんわ。バターとイースト、小麦の香りが充満したパン売り場は、何も買わずには立ち去れない、バミューダ・トライアングル並みの魔の海域(なんのこっちゃ)。
せっかく買うんなら焼きたてが欲しい、ということで、いいタイミングを狙っていたのですが、その好機がついに昨日到来。お店の奥からバルカンパンを山ほど乗せたカートを押して、コロコロに太ったおばちゃんが出てくるところに遭遇したのです。確か冷凍庫のパンは全部消費したはず。ということで、まだ触れないくらいに熱々のバルカンパンを一つ、お買い上げ。あまりの重さに、持ち上げたパンを思わず落としそうになりましたが、危機はなんとか回避して、パンはリュックの中へ。この重さといい、暖かさといい、なんだか赤ちゃんを背負ってるみたい、などと思いつつ、アパートまで自転車を漕ぎ、熱々の赤ちゃんにパンに早速包丁を入れました。
写真を撮るのももどかしく頬張ったパンのおいしかったこと。外側はパリパリ、中はもちもち、と言うと芸がありませんが、本当にその通りの食感でした。薄くキツネ色に色づいた皮は、まるで薄いパイ皮を何層にもみっちり重ねたような、不思議な食感。もちもちしっとりの中身とまるで違う食感で、どうしたらこんな風に二種類の食感になるんだろう、と思います。(でもトウシロの考え休むに似たり、で、全くわかりません...ははは)バターから来るものなのか、薄く塩味がついていて、何も付けなくてもこれだけで十分おいしいパンでした。あんまりおいしいので、お昼はこれだけ。二切れも食べちゃった(汗)。パトリックに焼きたてを食べさせてあげられないのが残念でした。(会社から帰ってすぐ、夕飯の前に一切れご所望でしたが。)
そんなわけで、今朝はこのバルカンパンを真ん中に据えた朝ごはん。扇形に(もちろん)分厚く切ったバルカンパンを暖めて、バターと自家製アプリコットジャムを添えて出しました。それにコーヒーと、実家の庭でなった青リンゴを山ほど。笑っちゃうくらい手抜きな朝ごはんですが、笑っちゃうくらいおいしい朝ご飯でもありましたとさ。今日のお昼もあのパンかな。ひっひっひ。
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Devon Market
1440 W. Devon Ave., Chicago, IL (ClarkとBroadwayの間のClark寄りです。小さいけれど駐車場あり。)
773.338.2572
ちょっと前になるけれど、インド・パキスタン系の人が沢山住んでいるDevon Avenueにある国際マーケット見かけて買ってみたモロッコのオイルサーディン。(今、「老いるサーディン」って出たぞ...それは食べたくないかも。)昔から鯖味噌とか鰯の梅煮とか、缶詰の魚にはあまり食指が動かなかったんだけれど、なんともレトロでエキゾチックなターバンのおじさんの絵柄に惹かれて、ふらふらとかごに入れてしまいました。普通のオイル漬けと、唐辛子入りのものがあったので、辛い物好きの私は迷わず唐辛子バージョンを買いました。
箱を裏返すとアラビア語の表記になっていて、なんだかモロッコの砂漠の中の小さな街に一軒しかない食料品屋の薄暗い片隅に、埃をかぶって置いてありそうな雰囲気。日干し煉瓦でできた、窓もない建物の中には外の息苦しいような熱気も届かず、店主のおじさん(私のイメージではでっぷり系)と近所のおじさん(こちらは痩せぎす)が、一番奥のカウンターに肘をついて、ミントティーをすすりつつ、低い声でなにやらお喋りしていたりして。たかが鰯の缶詰一つでここまで想像の翼を伸ばすか!?って感じですが、ま、$1程度の缶詰でプチ旅行気分が味わえればいいかな、と。
どう食べるかしばらく思いつかず、食料庫に眠っていましたが、キャベツと合わせてペペロンチーノ風にしよう、ということでこの間めでたく発掘。缶を開けてみると、きっと小指くらいのサイズのちっぽけなのが沢山入っているんだろう、という私の予想を覆して、まるまる太った大きなのが二つ、缶からはみ出さんばかりになって入っていました。「犇(ひしめく)」という字を思い出す感じね。ウロコがかなり残っていたので、菜箸でこすって一通り取り除き、油を切って大まかに身をほぐしながら、恐る恐る一口つまんでみました。
そうしたらなんと驚き、美味しいじゃぁありませんか。(美味しくないと思うんならなんで買ったんだ、って感じですが...。)全然魚臭くないし、缶詰特有の変な味もしません。これがほんとに鰯?というくらい、風味はあるのに癖がないのです。これなら変にパスタなんかにしないで、大根おろしにお醤油でも美味しく食べられそう。さすがにこの日はメニュー変更には遅すぎたので予定通りパスタにしましたが、今度買ったら絶対に大根おろしで!と思っています。
スルタンのペペロンチーノ (モロッコサンオイルサーディンとキャベツのパスタ)
オイルサーディンは油を切って、身をほぐしておきます。キャベツはざく切り、ニンニクはみじん切り。パスタを茹でるお湯を湧かし始め、フライパンにオリーブオイルとバターを熱します。お湯が湧いたら、塩ひとつまみとスパゲティーを投入し、フライパンでニンニクと唐辛子を炒めます。
時々スパゲティーをかき混ぜつつ、キャベツを炒め、少し火が通って来たらオイルサーディンを入れます。キャベツの歯ごたえを残した状態の時にパスタがゆであがるのが理想。スパゲティーをフライパンに移し、オリーブオイルと絡め、塩・胡椒して出来上がり。
オイルサーディンの塩気が思ったより薄かったので、もう少しパンチがあってもいいかな、という味になりましたが、キャベツの甘みが引き立つ、ほっこり系のパスタになりました。意外とお醤油を一垂らししても合いそうです。そうなると、モロッコの鰯を和風にイタリアのパスタと合わせる(しかもアメリカ産のキャベツとともに)という、なんとも現代を象徴する、良くも悪くもグローバルな一皿になりますね。
Continue reading "スルタンのペペロンチーノ"ダウンタウンに用事があって行った帰りに、最近お気に入りのアーガイルへ。かなり前からご飯を炊く土鍋が欲しかった(しばらく実家の母のを借用していたが、取り返されてしまったため)ので、食器や調理器具も置いてある大きなベトナム系スーパー、ブロードウェイマーケットに行ってみた。このマーケット、生鮮食品の鮮度には当たり外れが大きい。今回は大外れもいいところで、楽しみにしていた新生姜は半分腐りかかっているし、蓮根は黒ずんでるし、しめじは黴が生えてるし、で撃沈。でもお目当ての土鍋はちゃんと発見。
こちら。外側は素焼き、中の食材が触れる部分には取っ手と同じ焦げ茶色の釉薬をかけて、食べ物の味が鍋肌にしみ込まないようになっています。新しいアパートの台所には収納場所がまだ余っているので、大して迷わず購入。$5.95と、高級飯炊き土鍋を買うことを考えればかなりお買い得だったし。が。この素焼きの土鍋を浸水していて大失敗。それも、人生でこんな大失敗したことない!というくらいの。
土鍋を置いたシンクに水を張り始め、ちょっと眼を離してリビングに行ったのが運の尽き。英語で"Out of sight, out of mind"と言いますが、まさにその通りで、シンクの水が出ているのをすっかり忘れること十数分(おいおい)。階下に住む大家さんが真っ青な顔で階段を駆け上がって来てやっと気付いた(汗)。台所へ駆けていくと(当たり前だが)床は水浸し、シンク周りの引き出しの中でもチャプンチプンと平和な音が...(涙)。パニックになりつつもとりあえず床にバスタオルを投げ、だいたい綺麗になったところでそのタオルはシンクに放り投げて階下へ。
なぜか大家さんの住む一階はほぼ素通りで、溢れた水は地下室へ直行したらしく、何かの配管と地下室の天井の継ぎ目辺りからぼたぼた落ちてくる水をモップで拭き取り、おっとその前に、と水滴の直撃を受けている近所の大工さんの電気工事系の器具を(感電しやしないかとヒヤヒヤしつつ、濡れた手で)どけ...とやっていると、二人いる大家さんのうちの階段を駆け上がって来たほうの、いつも激情に身を揉まれているタイプの人が(もう一人の、いつもクールなほうの大家さんは私と一緒にモップで後始末をしていた)フガフガの止まらない愛パグとともに様子を見に登場。さっきどけた電気工事の器具はきっと高いはずだ、とか、水が乾くと体積の変化で濡れた壁の中がだめになるかもしれない、とか、私の頭の中のレジのチーン!チーン!が止まらなくなるようなことを散々言って、退場。引っ越して来て一ヶ月も経たないのにこんなとんでもない大事件を引き起こしてしまって一体どうなることやら...。6ドルで買った土鍋が5000ドルくらいにふくれあがって帰って来たりした日には、笑おうにも笑えんぞ...。はぁやれやれ。パトリックは借家人保険には入っているんだろうか?
などと考えつつ二階のアパートに戻って来たころにはかなり夕飯の支度をする気力も失せてしまっていたのだけれど、せっかく買った土鍋でこんな大騒動を起こした上には使わずばなるまい、と、お米と餅米半々のおこわにすることに。中華ソーセージがあったので、それを一本細かく刻み、生姜のみじん切りと合わせ、醤油とごま油を垂らして普通に炊きました。飾りに、瀕死のほぼ全体に茶色くなったシラントロー(香菜)から、辛うじてまだ緑の部分を切り取って載せて。合わせたのはチャイニーズブロッコリー(タイに住んでいた頃によく食べた、パッカナというぱきぱきした歯ごたえの野菜に近い感じ)の生姜炒めと、豚肉をオイスターソース、醤油とニンニクに漬けておいて焼いたもの。
この豚肉、本当はナンプラーも入れて東南アジア風にする予定だったのに、引っ越し前に開催した(?)「中途半端に残った調味料は使ってしまえキャンペーン」の犠牲になったナンプラーをまだ補充していなかったことに気付き、魚っぽい味のもの...う〜ん、そうだ!あれがある!と思いついたのは「ほんだし」。ほんだしに醤油で、考えてみれば東南アジアというより純日本な組み合わせになってしまいましたが、どういう具合かお肉はお箸で切れるくらいに柔らかく焼けて、それなりにおいしかったです。オイスターソースで中華っぽい味になったしね。次回はちゃんとナンプラーでやろっと(笑)。おこわはちょっと柔らかめだったけれど、普段使いの薄手の鍋で炊いたものよりずっとふんわりしておいしかったです。さすがは土鍋、6ドルでもちゃんと働いてくれます。明日は普通にご飯を炊いてみようかな。
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怪しい中国食器(と調理器具)の品揃えはかなり優秀なブロードウェイマーケットは、ローレンスからブロードウェイを北上して一ブロックほどのモールの中、北東の角にあります。ベトナム語の名前をメモしてこなくて、簡単にgoogleしただけでは見つけられなかったので、今度行ったらちゃんと場所やホームページ(あれば)をUPしますね。
CTAのレッドラインの駅のあるアーガイル通りを挟んで南北に二ブロックほどの「新中華街」とかヴェトナミーズ・タウンかと呼ばれているあたりには、名前に違わずかなりの数の中国系やヴェトナム系、さらにはタイ系の食料品店が並んでいます。このあたりに来ると、いつもアーガイルのヴェト・ホア市場に行くのですが、いつも同じスーパーではつまらないので、今日はブロードウェイを南に一ブロックほど下がったところにあるモールの中のタイナム(大南)・フードマーケットを覗いてみました。このモール、駐車場の入り口に、中華街によくあるゴテゴテ門をちょっとトーンダウンした感じのアジアンな門を建てて、アジア系のモールだということを誇らかにアピールしていました。横浜の中華街にある門の、眼の回るような豪華絢爛さと比べると手も足も出ませんが、こういうのが一つあるだけで、なんだか楽しくなるのは観光客根性丸出しです。
レッドラインの車窓(って言うほど豪勢な電車じゃありませんが)から見えるタイナム市場はそんなに大きく見えないのですが、中に入ってみると意外と奥が深くて、怪しい缶詰や乾物をあれこれ手に取って見ているとすぐに一時間くらい経ってしまいます。中国製のスモークした牡蠣の缶詰とか、タイ製のお買得カニ缶(なんと一缶$1.65ですよ、奥さん)とか、妙なものを色々仕入れてきましたが、その中で笑ってしまったのがこちら。
ドリーム・アニマルズって...動物型の薄焼きクッキーになにやらアルファベットでCOWとかRABBITとか...これ、たべっ○どうぶつじゃありませんか!「ギンビス」って書いてあるし。バター風味とココナツ風味があって、思わず懐かしさのあまり二箱お買い上げ。(どうしても二箱欲しくて、すでにかごに入れていた、こちらも懐かしの味グリコのコロンを棚に戻した私...ケチなんだか、親の躾がよくできているんだか。)よく見ると、ココナツ風味のほうは動物たちがアロハシャツを着たり、ウクレレ弾いたりして、ちゃんとそこはかとなく南国な雰囲気のデザインになっています。なかなかやります、ギンビス。でも...家に帰ってしっかり箱を眺めて、また笑ってしまいました。
小さい頃からお勉強漬けのニッポンの伝統を守り(?)、アメリカ向けのビスケットの箱にもしっかり英語とフランス語もしくは英語とスペイン語のボキャブラリーが載っているではありませんか(笑)。パトリックが帰るのを待ちつつココナツ味でも試してみるか、と箱を開けてみて、さらに笑ったのは、中身の袋は日本語だったこと。マンガチックでかわいい動物の絵がちらほらある中に、「外国語教室」と題してPOLAR-BEAR......ほっきょくぐまなんて書いてあります。英語名の上には、ご丁寧にカタカナのルビ付き。でも、これを買ってもらったヴェトナム系アメリカ人の子供にしてみれば、POLAR-BEARよりもほっきょくぐまの方に発音記号がいりそうです。
ほらね。でも、ギンビスのサイトによると、ココナツ風味は日本では発売されていないみたいです。表面にココナツの細かいフレークがまぶしてあるのですが、ちょっと試食してみた(これも食べながら書いてます)感じでは、ココナツの風味はかなり抑えめ。バターの風味のほうが勝ってしまっています。もうちょっとココナツの味を強くしたら日本でも人気が出そうなのに、と思うのですが、余計なお世話かしらん。余計なお世話ですね。でも、シカゴのヴェトナム人向けのスーパー、なんていうとんでもないところで出会った輸出用包装のたべっ子どうぶつ、グルメじゃないけど、なんだかほっこりする味でした。これがあるから、エスニックスーパー巡りはやめられないのです。
Continue reading "ふと出会う、懐かしの味"シカゴ市内の北西にあたるアルバニーパークは、私の地元ロジャースパークに似て、様々な民族の人たちが混在する地域です。アルバニーパークの北部を東西に横切るローレンス・アベニュー(Lawrence)は、そんな他民族な地域を反映して、まるで国連の代表団みたい。イラン料理店から数軒おいてメキシコのスーパーマーケットがあり、そこからもう少し行くとグアテマラのパン屋さん、さらに西に向かうと中華料理店、はたまたお隣は韓国の食器店、という具合に、とにかくいろんな国のことどもが雑多に混在しています。ロジャースパークと違うのは、「混在」という点。ロジャースパークでは、だいたい民族ごとに居住区域が何となく分かれているのですが、アルバニーパークではみんな一緒くたに住んでいる、という感じ。ロジャースパークほど詳しく知っているわけではないので間違っているかもしれませんが、通りを歩いている限りではそんな感じがします。
お店を覗いて歩くだけでも面白いローレンスから、ケズィー(Kedzie)沿いに南に一ブロックほど下がったところに、最近になってとてもおいしいレバノンのベーカリーを見つけました。緑の日よけが目印のこのお店、ベーカリーと食料品店、さらにはちょっとしたレストランまで兼業しています。薄暗い店内には、スパイスやオリーブ、フェタチーズ、ブドウの葉っぱやセモリナ粉など、中近東の食材がぎっしり。粉ものなどは直接輸入しているらしく、誇りっぽい棚にお店の名前のついた袋が山のようになっています。胡麻の粉を固めてナッツやチョコレートを足した、香ばしいハルヴァなど、包装済みのお菓子も色々ありました。奥のカウンターでは、イスラム教の戒律(ザビハ・ハラル、と言うそうです)に従って屠殺したラムや牛肉なども売っています。日本にいたころには、ユダヤ教やイスラムに屠殺の仕方の決まりがあるなんて知りませんでした。何も進歩していない(汗)ようで、多文化国家アメリカで学んだことも結構あるんだな、と思ったりして。
さて、お目当てのベーカリーカウンターは、通りからすぐ見える窓側。年季の入った大きな鉄のオーブンが、これ見よがし(?)に飾ってある、その隣に、ガラスのショーケースが二つ並んでいます。ベーカリーと言っても、ここアル・カイヤーム(Al-Khyam Bakery & Grocery)はパンよりもお菓子が主流。中近東のお菓子というと、ごく薄く、パリパリに焼いたパイ皮のような「ファイロ」と呼ばれるタネ(philo dough)を使ったものが有名ですが、アル・カイヤームにも沢山の種類が揃っています。シカゴではよく見かける、ファイロ生地とはちみつ、クルミやピスタチオなどのナッツ類を層にして重ねたバクラヴァから、同じ形で中身をカスタード風のクリームに変えたもの、さらに春雨のように細く切ったファイロ生地でナッツやドライフルーツをくるんだものなど、とにかく色々あって目移りしてしまいます。
そんな中で私が気になったのが、巨大なアルミのお皿に載った巨大パンケーキのようなもの。カウンターの後ろのおじさんに「あれは何?」と聞くと、拙い英語で「クナフェ、と言うんだよ。中にチーズが入ってて、蜂蜜がかかってるんだ」と教えてくれました。英語のほうのブログに書くためにスペルを聞いたら、「フランス語なら分かるけど、英語ではどう書くのか分からん」とのこと。私はフランス語がだめだし、こりゃお手上げ、というわけで、家に帰ってからせっせとGoogleして、なんとかそれらしきもの(knafe)を見つけました。それによると、レバノン特産のフレッシュチーズを台にして、セモリナ粉がベースの生地を上に流して焼いたものに蜂蜜をたっぷり含ませたお菓子、とのこと。実際食べてみると、もっちりしたチーズにセモリナ粉の香ばしさがぴったりで、なかなかおいしかったです。蜂蜜に爽やかな、ほとんどレモンみたいな、花の香りがするのにもびっくり。かなり甘いし、乳製品なのでたっぷり食べたいものではありませんが、濃く入れたコーヒーに合わせてほんの少し食べたら、おいしそう。(<--早く食べてみたくてコーヒーも入れなかった人、だ〜れだ)写真の左側に移っているのがそれです。右側は、カスタード風クリームのバクラヴァ(カウンターのおじさん曰く、バクラヴァとは呼ばないそうなのですが、名前を聞くのを忘れました)。
「おいしいレバノンの焼き菓子はフランス菓子にも劣らない」と言う人がいますが、これが本当にそうだな、と思わされたのが、このレバノン版バタークッキー。グライビ(grhybe)、とかゴライビ(ghoraibi)、とかいう名前のこのクッキー、外側は文字通り、口に入れたらその瞬間にほの甘い後味だけを残して溶けてしまうような繊細な生地でできています。内側には、もう少しかりかりと歯ごたえのある、ナッツをベースにした(らしき)生地で、ナッツの香ばしさがとろける甘さと合って、もう最高。カウンターのおじさんに「あれは何?」と指差して聞いたら、一つを二つに割って試食用にくれたのですが、パトリックも私も、一口食べて顔を見合わせて唸ってしまうくらいのおいしさでした。早速6個、お買い上げ。スペインだったか、ヨーロッパのどこかのお菓子で、同じような柔らかい繊細な生地で細かく砕いたアーモンドをくるんだスノードロップクッキーというのがありますが、それに近い感じでした。こちらはしっかり、コーヒーを入れてゆっくり味わいました(笑)。しばらくは日持ちするし、上に載ったピスタチオが剥がれてくる以外はかなり丈夫なので、日本へのお土産にも良いかも。アル・カイヤームでは常に大きな(小学校の机サイズの)トレーに一杯焼いてあるので、急に行って買い占めても大丈夫(なはず)です。
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Al-Khyam Bakery and Grocery
4746 N. Kedzie Ave., Chicago, IL
773.583.3099
CTAのブラウン・ラインの、ケズィー駅から北に向かって徒歩一分の左側です。
アメリカに住んでいて日本が恋しくなるとき。まぁ色々ありますが(温泉とか、デパ地下とか)、実用的なところで行くと、スーパーのお惣菜売り場は、かなり恋しいです。何が良いって、買い物をした後でちょこっとずつおいしい気の利いたものを買えて、それを帰ってすぐに食べられる、というのがすばらしい。アメリカのスーパーにも、デリカウンターというものはありますが、マヨネーズこってりのマカロニサラダに衣がテラテラと油で輝くフライドチキンなど、どうも食欲をそそられず。Whole Foods Marketなどの高級店に行けば、それなりに凝ったサラダやお肉が買えますが、日本のお惣菜にはやっぱり負けます。(それは私が純ジャパだから?)
そんなお惣菜砂漠のシカゴですが、最近シカゴ在住の日本人はみんな行っているという(噂の)H Martには、日本のスーパーで言うところのお惣菜コーナーみたいなものがあります。H Martは韓国資本のスーパーなので、基本的には韓国のお惣菜なのですが、Whole Foodsみたいにレストラン風のものではなく、家庭で普通に作っていそうなナムルやチヂミを売っているあたりは、まさに「お惣菜」売り場。白身魚をてんぷら風に揚げたものに甘酢あんをかけて、なんていう、なんだか給食が懐かしくなるような一品も時々見かけます。最近私がはまっているのが、チャプチェ。
言わずと知れた、韓国のさつまいもから作った透明な麺を、すき焼き風の甘辛い味で炒めた一皿ですが、これが何ともほっとする味なのです。やっぱりお砂糖とお醤油の組み合わせは、ニッポン人にはたまらない!人参に法蓮草、玉葱に椎茸と、野菜もたっぷり入って、お昼用なら軽く二人分ある量で、お値段たったの$3.49。レストランで食べるよりずっと安いし、何せお手軽だし、で、最近はチャプチェが食べたくなるとH Martに行っています。これでイカのてんぷらとか置いてくれたら、完璧なんだけどなぁ、と思いますが、それは欲張り過ぎってもんでしょうか。(一体どういうわけか、スーパーのお惣菜売り場のイカのてんぷらが大好物な私。あの、あるかなきかの薄い塩味が好きなんです。変なの。)そういえば、日本にいた頃には、スーパーでてんぷらを買ってきて即席天丼、とかやっていたっけ。懐かしや。
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H Mart
801 Civic Center Dr., Niles, IL
847-581-1212
物凄い調味料を見つけてしまいました。
Hマートの東南アジアのソース類を売っている通路で、何気なく手に取ったCoconut Thin Sauce。原材料を見ると、「ココナツジュース、水」とあくまでもシンプルで、ココナツ風味のソースなら面白そう、と買ってみました。(私はバンコクに住んでいた子供の頃からココナツ大好き人間なので、ココナツと見るとついよだれが...。)300グラムで$1.19でした。
家に帰って早速封を開けて、舐めてみると、残念ながらココナツの味は全くしませんでした。Thin Sauceというわりにはかなりどろっとしたソースで、お砂糖の焦げたような、ちょっと癖になりそうな味がします。いったいどんな料理に使うのやら、とインターネットで調べてみると、南ベトナムでよく使われるカラメルソースだ、ということが判明。パトリックの好物で、鶏肉を生姜をきかせたソースの中で土鍋で煮たヴェトナム料理があるのですが、どうやらその独特の風味は、このソースから出るもののようです。さて、これをどう使うか。
冷蔵庫にあった紫キャベツで、野菜たっぷりの汎アジア風チャーハンにすることにしました。まずはこのココナツ・カラメルソースとナンプラーを合わせて、ちょうどいい味のソースを作っておきました。(この時点で既に激うま!)ニンニク一かけを炒めたところに、紫キャベツを入れて、パリパリ感を残す程度に炒めます。そこに、このソースを小さじ一杯くらい入れて味を付けた卵を炒め、ごはんを投入。ネギの小口切りと、細かくきったパクチー(コリアンダー、シラントロー)も入れて、ソースを回しかけます。ごはんが暖まり、ソースの味が全体に絡んだところで出来上がり。
本当なら干しエビも入れたいところでしたが、それは在庫がなかったのでパス。ピーナツもなかったので、まぁこれで良かろう、と、ローストした大豆をすり鉢で適当に砕いてぱらりとかけました。窮余の一策でしたが、これがなかなかアクセントになって正解でした。味のほうはというと、(自分で言うのもなんですが)「えっ、これ私が作ったの?」と思うくらい本場の味で、パトリックともども驚いてしまいました。カラメルの苦みがきいていて、どうしてもお砂糖とナンプラーでは出せなかった深みがあるのです。これって、ひょっとしてアジアン・レストランの秘密兵器だったのかしら、と思いつつ、かなり量のあったチャーハンを二人で完食(半分はキャベツですけどね)。おいしかったぁ〜。パトリックは、これは「アジアン・フードのアトミックボムだ」なんて、物騒なことを言っていました(笑)。
簡単だし(なんと言っても、ナンプラーと混ぜるだけですから)、安いし、家庭料理とは思えない複雑な味が出せるし、このCoconut Thin Sauce、我が家の常備調味料になるのは間違いなしです。シカゴ在住の方なら、アジア系のスーパーに行けば、ナンプラーなどがある棚で見つかると思います。日本では手に入るのかしら?
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ヴェトナム名:Nuoc Mau Dua (Ben Tre)
製造元:My Thanh Co., Ltd.
H Mart
801 Civic Center Drive, Niles, IL
847.581.1212
旅行の話をちょっと中断して、今日はゴボウの話です。アジア系のスーパーがあって本当に嬉しい!と思うのが、ゴボウを買うとき(他にもいろいろ手に入って便利なものはありますが)。子供の頃はゴボウなんて何がおいしいんだかさっぱり分かりませんでしたが、やはり年を重ねると、この土臭い独特の味は病み付きになります。きんぴらにしたり豚汁に入れたり、これでゴボウがなかったら毎日の食卓がさぞかし寂しいことだろう、と思うと、ややもすると鮮度に疑問符がつくような日本スーパーや、品揃えに波のある韓国スーパーにも感謝の手を合わせたくなります。パトリックも、ばりばりアメリカ人のくせにゴボウは大好物で、きんぴらなど「おいしい、おいしい」といってもりもり食べてくれます。(へんなの。)
そんな我が家で唯一困るのが、ゴボウを一本ずつ買えない、ということ。日本でもだいたいゴボウは二本一組で売っていますが、こちらのゴボウ君はさらに大きな三本一組や四本一組、なんてこともざらで、毎日料理をしない二人家族の我が家では使い切れないくらい。しかしアメリカのゴボウは高級食材なので、無駄にする訳にはいきません。そんなわけで、なんだか端の方がしなびてきたなぁ、なんていう時には、まとめてきんぴらにしてしまいます。味を少し濃いめにしておけば、白いご飯に混ぜて混ぜご飯にしたり、朝の卵に混ぜて和風スクランブルエッグにしたり、で、結構使いでがあります。
これは少し前に作ったきんぴら入りスクランブルエッグ。万能ネギの刻んだのをたっぷり入れて、さっぱり感を出すのがポイントです。きんぴらで十分卵にも味が回るので、それ以外には何も入れません。付け合わせには、これも冷蔵庫の中で若干わびしげな姿になりつつあったさやえんどうを塩炒めにしました。今アメリカでは日本食ブームで、ちょっと小洒落たフュージョン系のレストランなんかにいくと、ソースに椎茸を使ったアメ食が出てきたりしますが、次のクールな食材はゴボウなのでは?と一人静かに思う今日この頃です。(でもまだレストランでゴボウが出てくるのを見たことはないですが。)このブログの英語版が、ゴボウブームの火付け役になって...なんてことはないかしら。
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