2007年09月10日

出汁取り合戦、初戦は敗退。

スローフード協会のメキシカンな>シカゴツアーに参加してみたり、地元で取れたものだけで一年間生活する実験の本を読んでみたり、と、大企業が農薬も化学肥料もたっぷり使って生産して、遥か彼方から運んでくる食料品に疑問を覚えているわりには、私、行動が伴っていないんです。一番ダメなのが、出来合いのつゆの素と粉末出汁に頼りっきりなこと。前々から「食器棚の中の骸骨」的な感じ(アメリカではskeleton in the cupboardと言って、他人には見せられない家族の秘密をこう呼びます)で気になってはいたのです。アメリカのグルメ(?)の間でよく議論になるグルタミン酸ナトリウム(味の素)が健康に悪いかどうか、ということは私は大して気にならないのですが、日本の家庭料理を英語で紹介するブログをやっているのに出汁一つ取ったことないのは問題だよなぁ、と。なんせ和食の基礎ですからね。

で、やってみました。味噌汁用の出汁なので煮干しがあればよかったのですが、そんなものもちろんストックしていないので、鰹節と昆布の出汁をまず取ってみました。鰹節を投入したとたん、ふんわりと鰹のいい香りが立って、期待は膨らんだのですが、実際に味噌汁にしてみると今ひとつ。おばあちゃんの家で昔作っていたような、しっかりとパンチのある出汁とはほど遠い味です。そもそも一番出しは味噌汁用の出汁ではないので仕方ないのかもしれませんが、ちょっとがっくりでした。沸騰して鰹節を入れたあとすぐに火を止めず、ぐつぐつやってしまったことと、火を止めてから鰹節が沈むまで待たなかったのも敗因かもしれません。あとはやっぱり、ミツワで他と比べて安いからというだけの理由で買った鰹節と昆布を使ったのもまずかったか。

課題は山積ですが、鶏ガラスープなんかを作ることに比べたら遥かに手早いし簡単な出汁とり、これからもう少し研究してみようかな、という気になりました。今のところ、麺つゆにもだしの素にも全然かなわないヘナチョコ出汁しか取れないし、はっきり言って既製品のつゆやだしの素を買ったほうがコストも安いんですが...(おいしい出汁の出る鰹節や昆布にこだわりだしたら余計でしょうね)。でも、出汁の美味しさだけで味わえるような料亭の出汁はほんとにおいしいけれど、そんな素敵な出汁巻き卵や茶碗蒸しはシカゴでは食べられなさそうだし、こうなったら、料亭ふうの出汁を目指して、素人のくせに野望だけは天高くいきますか。(そう言えば、そろそろ馬肥ゆる秋ですね。)

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2007年08月31日

カボチャとセロリの豆板醤炒め

子供の頃からレシピ本を眺めるのが好きだった私は、母が持っていた数少ないレシピ本のページをめくっては、作ってほしいメニューにマルをつけたりしていたものです。母はなかなか新しいレシピには挑戦してくれず、ほとんどのマルはつけただけで終わってしまいましたが、大人になってからそんなレシピ本を見返してみると(成長してない!?)、自分の味覚が変わって来たのが分かって、面白かったりします。なんでこんなものが食べたいと思ったんだろう、とか。なんでこんな美味しそうなものにマルをつけなかったんだろう、とか。小学生の自分と、古いレシピ本を通して奇妙な再会です。

子供の頃には全く食欲をそそられなかったけれど、今見ると美味しそう!だったレシピの一つが、カボチャの豆板醤炒め。母が結婚した頃に買ったNHKの「きょうの料理」に出ていたような気が。一人暮らしのアパートから実家に帰った時に写したらしきレシピが、私のレシピノートに残っています。今私が作るものは(セロリが入ったりして)もとのレシピとはちょっと違いますが、大元はこれ。水曜日にグリーンシティ・マーケットで買ったカボチャが、今季初の豆板醤炒めになりました。

Pumpkin and Celery with Toban Djan

カボチャは種を取り、皮がついたまま薄切りにし、食べやすいサイズに切ります。セロリも斜めにざく切り。生姜と葱はみじん切りに。中華スープのもとと砂糖をカップ1/4くらいの水に溶いておきます。

鍋か小さめのフライパンに油を熱し、生姜と豆板醤を炒めます。(豆板醤の辛みがふわっと昇ってくるので注意!間違って吸い込むと咳き込みます。わたしはやった...汗)いい香りがして来たらセロリとカボチャを入れ、油を絡める感じでさっと炒めます。混ぜておいた残りの調味料と葱を加え、水気がなくなるまで煮詰めて出来上がり。次の日に冷えたものをそのまま食べても美味しいし、お弁当にもお勧め。今日もごはんがススムくんで困るおかずです。

セロリを入れるのは母のアイディアだったような気がします。セロリのあのちょっと癖のある味が豆板醤と合って最高です。カボチャだけだと、カボチャの甘みと豆板醤の辛みを繋ぐものがない感じ。その抜けた穴を、セロリの複雑な味が埋めてくれます。思い返してみればワタクシ、この料理がきっかけで二十歳を過ぎてからセロリが食べられるようになった(どころかセロリ大好きになった)のでした。

おまけは、調理前のカボチャ君たちです。

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2007年08月23日

怒濤のヒジキ生活

恥ずかしながらずっと作ったことのなかったヒジキの煮物に初挑戦したのは先週も半ば。結構うまくできたのは良かったんだけれど、水で戻したヒジキがどのくらい増えるもんか分かってないにも関わらず、一掴みバサッと戻したのが大失敗。(だって三十グラムなんて言われたって、うちには秤なんてありません!)三十分ほど経って台所に戻ってみたら、直径二十センチくらいのボールに一杯、なにやら黒いものがワッサリと...。それに人参、ごぼう、油揚げに椎茸まで加えて煮たので、できあがりの量はもう殺人的。「バケツ一杯のヒジキ」と呼んでもクレームがつかないくらい沢山できてしまいました。その晩から毎日せっせと食べていますが、まだなくならない。そのままも食べたし、炊き込みごはんにもしたし、あげくの果てはスクランブルエッグにまで入れて朝も食べたのに、まだある。(せっかくだから全部写真を撮って、ブログのネタにすれば良かったかも...ははは)今日は木曜日だから、もう一週間以上アレと戦っている計算に。おいしくっても、髪が黒々艶々でも、さすがにこれだけ毎日食べてると飽きてくる。

Lotus Root and Hijiki Salad

というわけで、一昨日の晩はサラダにしました。蓮根をサクサクな食感が残るようにさっと茹でて、これでもかっ!のヒジキに、マヨネーズ、それに麺つゆもちょこっと足して。葱のみじん切りと黒ごまも振りましたが、闇夜の黒牛状態でよくわかりませんね。でもコレ、なかなかいけました。蓮根のサクサクはもともと大好きだし、マヨネーズに麺つゆのコンビももともと大好き。ヒジキ地獄に陥ってなくても、時々作りたい味です。ヒジキ地獄に陥っている場合は、肝心のテキの消費量が少ないのが痛いところですが...。でもこれであと一食分くらいにまで減ったので、今晩私が一人で食べれば片付くはず。広い世界には日本食が食べられなくて寂しい思いをしている人があちこちにいるというのに、ヒジキ地獄だなんて贅沢な話です。

でもここだけの話、母が煮たヒジキにはかなわなかったなぁ。ヒジキ自体を食べた時にはそんなに違いを感じなかったけれど、他の料理にアレンジすると、歴然の差。特に炊き込みごはんにした時に、なんでこんなに違うんだろう?というくらい間の抜けた味になってしまいました。生姜の利きが足りなかったのと、あとはやっぱり味付けかなぁ?う〜ん。「ご飯作るの大っ嫌い」なんて言っているわりには侮れません、うちの母。

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本日三時半頃からものすごい夕立でした。大して広くもない通りの向こう側の家が、強風ではためく(?)雨の幕の後ろにかすんで見えないくらい。慌てて家中の窓を閉め、通りに面したサンルームに戻ってみると、すぐ目の前に止めた愛車フォーカス君の左前輪がほぼ半分水没しているではありませんか。さらに慌てて眼鏡を取りに走り、雨垂れで見にくくなった窓から顔をしかめてよく見ると、車高が高めなのが幸いしたのか、本体部分は無事なよう。心配なので大雨の中を検査に走り(って、表のドアからほんの数メートルですけどね)、泥水が車体に侵入していないことを確かめて戻ってきました。私の数台後ろに停めていたホンダのおじさんの辺りはかなり水深も深くて、おじさんは帚を持ち出してせっせと水を排水溝のほうへ押しやっていましたが、あんなんで大丈夫だったのかなぁ。

しばらくすると雨は弱まり、道路の両側のプチ洪水もどこかへ消えて行きましたが、これはひょっとして車をどこか高いところへ移動するべきか!?と、本気で考えました。パトリックが熱帯気候のフロリダに住んでいた頃には、そういうことはよくあったそうです。車で通勤途中に突然雷雨に襲われ、数インチ前も見えないので仕方なくその場で雨宿り、とか、突発的な洪水を避けるために、近所でどの通りがちょっとした雨で水没しやすいかはいつも頭に入っていた、とか。海のないシカゴには台風が来ないので、秋はいつもなんとなく物足りない気がしていたんですが、天候はやっぱりあまりエキサイティングじゃないほうがいいんですね。普段のちょっとした雷雨くらいならそんなに慌てませんが、今日はさすがに車のエンジンがどうなるかと、一瞬ひやっとしました。

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2007年07月09日

ベーコンとごぼうの炊き込みご飯

Bacon & Burdock Rice日本の料理ブログ界では人気者とお見受けするzazamaruさんの迷わず並べよ食べれば分かるさにあったベーコンごはんがおいしそうだったので、やってみました。ちょうど先週Whole Foodsで買ってきた胡椒たっぷりのベーコンが冷蔵庫に眠っていたのでこれ幸い。オリジナルのレシピではなんと炊きたてのご飯に生(?)のベーコンをそのまま混ぜてしまうのですが、さすがにそれはちょっと怖かったので、炊き込みごはんにしました。しかも炊き込む前に油を落とすべくベーコンを空焼き。どうせレシピ通りにしないんなら、ええい、ままよ、中途半端に残ったゴボウのしっぽも入れちゃえ、というわけで、出来上がるころにはオリジナルからは程遠いものになってしまいましたが、ベーコンの旨味たっぷりの油に胡椒、お醤油の焦げた香ばしさとゴボウの土臭い甘みで、かなりいける炊き込みご飯になりました。

仕上げに葱も混ぜてみたけれど、やっぱりちょっと沢山食べるとしつこかったかも(小どんぶり一杯は多過ぎ?)。ばりばりアメリカ人のパトリックはおいしいおいしいって食べていたけれど、これは改良の余地あり、です。うぅむ。でもベーコンのスモーク&豚々しい味に合うさっぱり系の材料って思いつかないなぁ...

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焼き味噌の行方

杉浦日向子のそば道楽本を読んでいたら、そば屋の酒のつまみに「焼き味噌」というのがたくさん出てきました。なんか塩っぱそうだけど、香ばしくておいしいかも...。だいたいそば屋がお酒を飲むところだということすら知らなかった無学なワタシ、しゃもじに塗って炭火で焼いた焼き味噌とか、合鴨の炙ったのとか、出汁たっぷりの卵焼きに大根おろしとか聞いてはもうヨダレが止まりません。あ〜あ、日本にいる間に知ってたらなぁ、と後悔してももう後の祭り。食べてみたかったら自分でつくるっきゃない。で、やってみました、焼き味噌。アルミホイルにお味噌を塗り付けて(しかもバターナイフで...汗)、トースターにポン。端っこがいい具合に焦げてくるころには、お味噌のコクが凝縮されたようないいにおいが漂ってきます。期待は膨らむばかり。ところが。やっぱりしょっぱい。う〜ん、これはちょっとこのままでは食べられない。このお味噌全部消費するほど日本酒飲んだら、ワタシは天国行きです。

で、考えました。焼き味噌...焼き味噌...そうだ!冷や汁!食べたことないんですけど、宮崎名物冷や汁って、確か焼いたお味噌と干物に香味野菜どっさり、それにきゅうりかなんか入っていたような。さっき買ったばかりのきゅうりがあるし、やってみようかな。でもゴハンに冷たい味噌汁掛けるってちょっと腰が引ける...のは私が宮崎県民じゃないからでしょうが、なんかちょっと怖い。ええい、そういうことなら汁なし冷や汁じゃ、ということで、きゅうりの即席・汁なし冷や汁、でございます。純粋冷や汁党の方には眉をひそめられそうですが、おいしかったです、これ。

きゅうりの即席冷や汁(二人分)

Sesame-Miso Cucumbersお味噌は、アルミホイルに塗り付けてオーブントースターで焦げ目をつけます。お味噌が焼ける間にきゅうりを1ミリくらいの薄切りにし、ジップロックの袋に入れて昆布茶で軽くもんでおきます。塩の代わりに昆布茶を使うのは、冷や汁に海の香りをプラスする干物も出汁も使っていないから。胡麻はすり鉢で摺っておきます。お味噌が焼けたら、すり鉢に移して胡麻と一緒に少し摺り、きゅうりの入ったジップロックに投入。生姜も入れて、全体を一混ぜ、一揉みし、冷蔵庫で十分ほど冷やしたら出来上がり。

お味噌とごまのコク、昆布茶の旨味、それにさっぱりした生姜の香りで、簡単なのにすごくおいしい偽冷や汁になりました。夏の夕飯にぴったり。先日も作った明太スパをパトリック用にもう一度作り、それとあわせて簡単に夕飯にしました(あ、あとビールも)。あ〜ニッポンの味。和らぎます。冷や汁の作り方は、宮崎の海産物を扱っている「くま屋」さんの作り方を参考にしました。干物やらちりめんじゃこやら、みんなおいしそうで、日本にいたらお取り寄せしてしまいそうです。

なんだか本日、この方のブログを読んでいたためか、口調がちょっとベランメエ。

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2007年07月08日

明太スパ

今更何も真新しいものではありませんが、明太子スパを作りました。どこかのブログでどなたかが作っていたのを見て、ムラムラと食べたくなって(笑)。日本にいた頃は、明太子スパなんて滅多に食べなかったのに、シカゴに来て「外では食べられない!」と思うと、なんだか無性においしそうに思えてしまういい加減な私です。ちょうど韓国スーパー(いつものH Mart)で買った不揃い明太子が冷凍庫に入っていたので、それを使いました。明太子って、そもそも韓国が発祥の地だったんですね。Wikipediaによれば、江戸時代には韓国から少量ですが輸入していたとか。戦後になって、韓国から引き上げてきた人たちが、韓国で慣れ親しんだ庶民の味を日本人向けに改良して売り出したのが、日本製明太子の発祥なんだそうです。韓国からはフェリーですぐの福岡が明太子の大生産地なのもうなずけますよね。

Spaghetti with Spicy Pollack Roe

ともあれ。明太スパ、久しぶりに食べて涙が出るほどおいしかったです。スパゲティーを茹でて、バターと生の明太子を絡め、お醤油をちょっと垂らしたところにのりと紫蘇を刻んで載せるだけなのに、何ともまろやかかつ複雑な味。これってこんなにおいしいものだったっけ、とか思ったりして。パトリックにも作ってあげなくちゃ。(お昼に作って一人で食べたので...笑)

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2007年06月27日

変わり白玉、オレンジと生姜のシロップで。

最近よくお邪魔しているYOMEカフェのYOMEさんがよく作っている白玉団子。そう言えばそんな物もあったなぁ、と、子供の頃に母とよく作ったのを思い出しました。私は子供の頃バンコクに住んでいたのですが、何しろ二十年も前の話、日本のお菓子なんて手作りしなければ手に入りませんでした。白玉粉は日本から持ち込んでも悪くならないし、丸めてお湯に落とすだけ、と簡単だし、で、ムシムシと暑い熱帯に住む日本人には格好のお菓子だったんでしょうね。思い出してみると食べたくなるのが食いしん坊の困ったところ。先週、車で一時間近くかかる郊外のスーパーまで、白玉粉を買い出しにいってきました。(どうせミツワまで行くなら、ということで、きな粉やら上新粉やら、いろいろ買い込んできました。みたらしとか、八つ橋とか、いずれ作るぞ!)

これがパトリックの白玉団子デビューとあって、最初はトラディショナルにきな粉で行きました。きな粉の香ばしさと、お砂糖の甘み、それにほのかな餅米の味で、なんとも懐かしい至福の時。でも毎回こればっかりじゃつまらないので(おいしいんだからそれでいいじゃん、と言われればそうなんですけどね)、今日はちょっとひねってみました。

Chilled White Pearl Dumplings w/ Roasted Jewel Yam Paste and Orange Ginger Syrup

まずは、「宝石芋(Jewel Yam)」というご大層な名前のついた、日本のサツマイモに似たヤム芋を、70度くらいのオーブンで4〜5時間かけてじっくりローストします。低温でゆっくり焼くと甘みが出るので、ここは焼き芋風に。このJewel Yam、日本のサツマイモに比べるとべちゃっとした感じで、煮たり天ぷらにしたりするのには不向きなのですが、オーブンでじっくり焼くと適度に水分が飛んで、芋餡にするのにぴったりの質感になりました。これを小鍋に入れて、お砂糖を加えてしばらく練ります。いい感じの固さになったら、冷蔵庫へ。

次に、小鍋に水少々とお砂糖、輪切りにしてから寝かせた包丁で叩いてつぶした生姜、それにオレンジピールを入れて煮詰め、シロップを作ります。私はショウガのぴりっとした辛さが好きなので、皮もついたまま、どっさり入れましたが、ピリピリの苦手な方は適当に加減してください。これも、出来上がったら冷蔵庫へ。

白玉団子は普通に作り、冷水にとって冷まします。これをお椀に入れ、芋餡を盛り、さらに上から生姜シロップをかけて、出来上がり。何しろ初めて作る物なので、とりあえずは一人で味見。まずは餡を一口。さすがに「宝石芋」だけあって、本当にきれいな橙色です。ゆっくり、ゆっくり焼いたことで、ヤムイモのほのかな甘みが凝縮されて、なかなか行けるアンコになっていました。生姜とオレンジのシロップが、甘いばかりのあんこにアクセントを添えて、まぁ合格かな、という感じにできたので、いずれパトリックにも出してみる予定です。

でも...正直言って、お洒落系のこれより、単にきな粉砂糖や黒ごま砂糖をまぶして食べる垢抜けない田舎のオバチャン風の方がおいしいかも、と思ってしまった私。変わった食べ物大好きだけど、ちょっと保守的になってきたかしら。

Posted by Yu at 16:45 | Comments (0)

2007年06月18日

行ってはいけない

シカゴのループ(ダウンタウンの中でも、CTAの経営する高架鉄道と地下鉄に囲まれた区域)から、ランドルフ・ストリートを10ブロックほど西に行ったウェストタウンと呼ばれる地域は、最近になって再開発の進んだ新しいエリアです。もともと工場地帯だったので、天井の高い工場や倉庫のビルを改装した煉瓦造りのロフトが立ち並び、おしゃれなバーやレストランが軒を連ねていて、垢抜けない私なんかが行ったら場違いなんじゃ、というくらいトレンディーな地域になっています。ここから数ブロック北には、フルトン・マーケットという野菜やお肉の卸売業者が集まるエリアがあるので、ランドルフ沿いにも肉の卸業者が数軒あったり、卸会社で働く人のための安い簡単なレストランがあったりして、これとトレンディーなロフトやレストランとのコントラストを眺めるのも、なかなか面白いものです。

この地域のレストランの客層は、再開発であたりに建った新しいロフトや、ダウンタウンの高級コンドミニアムに住む、若くてリッチなプロフェッショナル。イタリアン、寿司、パン・エイジアン、フレンチ、と、レストランは色々ありますが、共通するのはこの客層に合わせた大袈裟な(?)演出とそれなりのお値段。料理の味より超トレンディーな雰囲気のほうに気が行ってしまっているレストランが多いのですが(というのは毒舌が過ぎるかしらん)、ここにも値段は張るけれどそれなりにおいしいレストランはあります。アメリカ風にアレンジした創作アジア料理のレッドライト(Red Light)や、フランスの大衆食堂の料理を出すマルシェ(Marché)などがその筆頭。(私は行ったことがないので、Chicago Readerという定評のあるフリーペーパーの批評を参考にしています。Red Lightに行ったことのあるパトリックは、「おいしかったよ」と。この二つと、さらに同じ通りにあるイタリアンのVivoは、黒幕が同じだそうです。)

近頃シカゴではスシバーに行くのがかっこいいとされているので、ご多分に漏れずランドルフ沿いにも山ほどヒップなスシバーがあります。(この間ちょっと歩いただけで五軒も見つけました。)その中で、絶対行っては行けないお店が、スシ・ワビ(Sushi Wabi)。ちょっとインダストリアルな感じの店構えはなかなか素敵なのですが、料理のほうはちょっと腹が立つくらいいい加減でした。しかも高いし。

Dubious Seared Tuna and Soft Shell Crab Tempura

どの料理も、メニューで読む限りはおいしそうなのです。ソフトシェル・クラブの天麩羅に蜂蜜ワサビソース、とか、鮪のたたきにマスタード味噌ソース、とか。ところが実際に出てきてみると、天麩羅はべったり油を吸った重い衣が暑苦しいし、蜂蜜ワサビソースはわさびの辛みは利いているけれどゴテゴテに甘いし(単純にお醤油で食べたほうがずっとおいしかったです)、で、アイディアは良いんだけれどプロなんだからもうちょっと上手にできないの、という感じ。うちの母の揚げる疑問符付きの天麩羅のほうがまだおいしかったりして。ところがこれはまだ良いほうで、鮪のたたきと来た日には眼も当てられませんでした。

そもそも(写真を見ていただければ分かりますが)、鮪のたたき自体が怪しいのです。「さっと炙った」部分が、まるで機械で作ったかのように均一で、しかも炭火の焦げ目もなし。見た感じはまるでハム。で、これを辛子酢みそを濃厚にしたようなソースにつけて食べるのですが、ソースの味が強すぎて鮪の味なんて全く消えてしまいます。でも考えてみるとこれはこのほうが良いかもしれないわけで、なぜかと言うとこの鮪がとにかくひどいのです。おそらく冷凍物を下手に解凍したのであろうと思うのですが、妙にびしょびしょしていて、まるで濡れたスポンジを食べているよう。雰囲気としては、凍った刺身を電子レンジで解凍したら、あらら、端っこに火が通っちゃった、でもまあいっか、出しちゃえ、という感じ。鮪自体の味なんて、解凍したときに水分と一緒に流れ出てしまったらしく、これはとてもきつい味のソースがなければ食べられたものではありませんでした。ああ、こんなもの(しかもたった六切れ)に$8も払ったとは...。付け合わせのわかめの酢の物はおいしかったですけどね。

これ以外に頼んだヅケにした鮭のお寿司(二カンで$9 )と、スパイシーツナ巻きはまだましでした(特にスパイシーツナ巻きは、青臭い新鮮なチリの味がしてなかなかいけました)が、びしょびしょ鮪のヘナチョコたたきのダメージを挽回するまでには至らず。というわけで、皆さんランドルフ沿いのウェストタウンに行くときには、是が非でもスシ・ワビは避けましょう。いくら内装に凝っても、DJを置いても、肝心の料理のほうがイマイチでは、ね。

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ウェストタウンに行くには、ループからならランドルフ・ストリートをひたすら西に歩くだけ。郊外から車で行くなら、I-90/94(Kennedy Expressway)のランドルフの出口を出て、西に向かってすぐ。駐車場は、路上になりますがふんだんにあります。

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2007年05月31日

忘れられた菜箸

ニューヨーク・タイムズに、最低限の台所用品を二百ドル以下でそろえる、という記事が出ていました。包丁なんか十ドルの安物で十分、とか、まな板なんてプラスチックでよろしい(そうすりゃ食器洗い器で洗える)、とか、結構ラディカル(?)なことも書いてありましたが、料理をしないので有名なアメリカ人向けの台所用品にしては、結構そろっているかな、という印象です。

その中で、台所や食をめぐる文化の差を決定的に感じてしまったのが、「何にでも使えるトングを一つ」というところ。私だったら絶対菜箸!ですが、やはり東アジア以外の人に取っては、トングであって菜箸じゃないんでしょうね。ソースを混ぜることから、野菜を和えたり、炒めたり、卵を溶いたり、果ては天ぷらだってできてしまう、考えてみれば菜箸ってすごい。ひょっとすると私の台所用品の中で一番活躍しているのが菜箸かも。(鍋つかみが見当たらないと、菜箸でベーキングパンを引っ張りだしたりしてるし...でもこれは少々無手勝流ですね。)スペインでホームステイしていたときに、「日本料理を作ってよ」と言われて鮭の混ぜ寿司を作ろうとしたものの、菜箸がないので往生したこともありましたっけ。薄焼き卵を作って上に載せようと思ったのですが、とてもじゃないけどフォークで薄焼き卵はできませんでした。

そもそもアメリカは、世界中からの移民が寄り集まって住んでいる国。さすがに第三世代ともなれば食生活もアメリカ化してくるとはいえ、そんな多彩な食文化が混在する国で、「台所に最低限必要なのはこれ」なんて断定的なことを言ってしまっていいのかしら、と思わないでもありません。イタリア系アメリカ人なら「なんでパスタメーカーが入ってないんだ!」と思うでしょうし、アラブ系アメリカ人なら「なんでスパイスを碾く石の器が入ってないんだ!」と息巻くかもしれません。記事は、ナントカ系が頭に付かない、単なる「普通のアメリカ人」向けに書いてある、ということなんでしょうが、同じDining and Wineのセクションで多彩な食文化を喜んで消費しているようなニューヨーク・タイムズに載っている記事だと思うと、なんだかなぁ。

Posted by Yu at 17:12 | Comments (0)

2007年05月23日

アメリカできんぴらごぼう

旅行の話をちょっと中断して、今日はゴボウの話です。アジア系のスーパーがあって本当に嬉しい!と思うのが、ゴボウを買うとき(他にもいろいろ手に入って便利なものはありますが)。子供の頃はゴボウなんて何がおいしいんだかさっぱり分かりませんでしたが、やはり年を重ねると、この土臭い独特の味は病み付きになります。きんぴらにしたり豚汁に入れたり、これでゴボウがなかったら毎日の食卓がさぞかし寂しいことだろう、と思うと、ややもすると鮮度に疑問符がつくような日本スーパーや、品揃えに波のある韓国スーパーにも感謝の手を合わせたくなります。パトリックも、ばりばりアメリカ人のくせにゴボウは大好物で、きんぴらなど「おいしい、おいしい」といってもりもり食べてくれます。(へんなの。)

そんな我が家で唯一困るのが、ゴボウを一本ずつ買えない、ということ。日本でもだいたいゴボウは二本一組で売っていますが、こちらのゴボウ君はさらに大きな三本一組や四本一組、なんてこともざらで、毎日料理をしない二人家族の我が家では使い切れないくらい。しかしアメリカのゴボウは高級食材なので、無駄にする訳にはいきません。そんなわけで、なんだか端の方がしなびてきたなぁ、なんていう時には、まとめてきんぴらにしてしまいます。味を少し濃いめにしておけば、白いご飯に混ぜて混ぜご飯にしたり、朝の卵に混ぜて和風スクランブルエッグにしたり、で、結構使いでがあります。

Scrambled Eggs Japonaise

これは少し前に作ったきんぴら入りスクランブルエッグ。万能ネギの刻んだのをたっぷり入れて、さっぱり感を出すのがポイントです。きんぴらで十分卵にも味が回るので、それ以外には何も入れません。付け合わせには、これも冷蔵庫の中で若干わびしげな姿になりつつあったさやえんどうを塩炒めにしました。今アメリカでは日本食ブームで、ちょっと小洒落たフュージョン系のレストランなんかにいくと、ソースに椎茸を使ったアメ食が出てきたりしますが、次のクールな食材はゴボウなのでは?と一人静かに思う今日この頃です。(でもまだレストランでゴボウが出てくるのを見たことはないですが。)このブログの英語版が、ゴボウブームの火付け役になって...なんてことはないかしら。

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2007年05月14日

ニセ鯛騒動

日本と違って、全国に流通する新聞よりも地方紙が多いアメリカ。シカゴには、トリビューンとサンタイムズと、メジャーな新聞が二つあります。トリビューンは本格派の新聞、サンタイムズはどちらかと言うとタブロイド的に下世話な新聞、という住み分けをしているようです。どちらもジャーナリズム的には大したことのない新聞なのですが、何事に付けても体制すり寄り的でいい子ちゃんなトリビューンに比べて、タブロイド的な分、サンタイムズには時々肝っ玉の据わった暴露記事が出ます。そんなサンタイムズ、先週はシカゴのお寿司屋さんの台所事情を暴露していました。

記事によると、サンタイムズ記者がシカゴのお寿司屋さん十四軒で鯛を注文してDNAテストにかけたところ、九軒で出てきた「鯛」はティラピアだったとか。記者の書き方を見ると、どうやらお寿司屋さんたちも驚いたようで、納入業者が鯛の注文にティラピアを納入することもあるみたいです。納品された魚を見て、鯛だかティラピアだか分からない、というのも、寿司職人としてはちょっとどうなの?と思いますが、これもアメリカのお寿司やさんだから、しょうがないのでしょうか。

状況をさらに混乱させているのが、日本で「鯛」と呼ばれる魚が、アメリカではなんと呼ばれるか、という問題。私が行ったことのあるお寿司やさんやスーパーでは、「鯛」は普通Red Snapperと訳されていますが、日本で言う「鯛」の正しい英語名はSea Bream。Red Snapperは似て非なる魚です(おいしいですけどね)。Sea BreamよりもRed Snapperの方が知名度が高いのでそちらを使っているようです。あるお寿司屋さんは、忠実に「鯛」をSea Breamと訳してメニューに載せたところ、Red Snapperが欲しい、というリクエストが殺到、仕方なくRed Snapperに表記を変えた、という話もあります。

日本でも一頃、似て非なる魚に知名度のある魚の名前をつけて売っている、ということが問題になって法律までできましたが、アメリカでもそのような方向に進んで行くのかもしれません。根本的なところでは、おいしい魚が乱獲で減ってしまい、それに似たものをまだ壊滅的な打撃を受けていない漁業域から運んでくる、というのが一番問題なんですが...。あと数十年したら、養殖魚以外の魚は絶滅してしまうんじゃないか、という話もあったりして、魚好きとしては悲しいところです。日本食の文化を世界に広めるのは良いんですが、それで魚好きが増えてしまうと、魚を巡る競争も激しくなって、結局損をするのは生態系なんですよね...。

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2007年05月11日

茄子とししとうの味噌炒め

子供の頃、ししとうって苦手でした。父は網焼きにしたししとうをビール片手に生姜醤油でおいしそうに食べていましたが、味覚がお子ちゃまだった私は、あんな苦いだけのもの、何がおいしいんだろう、と思って見ていました。(なぜかピーマンは大好物でしたが...)それが大人になってみると、あの苦みがとてもおいしく感じられて、網焼き生姜醤油にビール、なんて言われるとそれだけで眼が輝いてしまいます。

驚いたことに、シカゴでもししとうは手に入ります。(ころころしていて可愛いので、このブログの英語版にも、てっぺんのバナーに写真を使ってしまいました。)最初はアーリントンハイツの日本スーパー(ミツワ)で買っていましたが、最近になってもっと近くのHマートでも手に入ることが分かって、近頃は専らそちら。アメリカのスーパーらしく、ごろんと山積みになった中から好きなだけ買えるのも、Hマートの嬉しいところです。

Chicken, Peppers and Eggplant Miso Stir-Fry ブログ用の写真を撮った日は、網焼きに生姜醤油、という夏らしい天気でもなかったので、冷蔵庫にあった茄子と、鶏腿を使って味噌炒めにすることにしました。味噌だれは、お味噌大さじ一にみりん大さじ一、それに醤油を小さじ一くらいで、適当に作りました。この量で二人分です。一口大に切った鶏肉は、塩胡椒とごま油、片栗粉代わりのコーンスターチで和えておきます。この一手間で、鶏肉のうまみが逃げず、しっとりぷりぷりのプロ風の味になります。フライパンに油を熱し、生姜のみじん切りを入れて香りを出したところに、銀杏切りの茄子と、種を取って二つに割ったししとうを入れて、炒めます。半分かた火が通ったら、鶏肉を加え、鶏肉にもほぼ火が通ったところで味噌だれをジャッと回し入れます。全体に味がまわったら火を弱め、蓋をして二、三分蒸し煮にして、出来上がり。

この日は、スープボウルにご飯をよそった上にこれを載せて、どんぶり風にしました。これ以外に何もおかずがないところが手抜きシェフですが、おいしかったですよ。(アメリカ人は一から手作りのゴハンが出てくるだけで感動してしまうので、おかずがたくさん並ばなくったって大丈夫。そう言う意味では日本人のダンナより楽ちんです。)あぁ、すてきなどんぶりが欲しい...とず〜っと思っているのですが、何しろこちらには素敵な器なんて全く売っていないので、次回日本に帰る時までそれはお預けです。ラーメンを食べるのでも浅いスープボウルでは、雰囲気がどうも...

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